昨年の更新でアダム・ダベンポートのシェイプルームを訪れた模様を綴った時にアップした一枚の画像・・・

クラシックボードやヴィンテージに精通するサーファーであれば一度は見た事があるのではないだろうか?
ベルジー、ビング、グレッグ・ノール、デューイ・ウェーバー、ハンセン等々、1960年代に一世を風靡したサーフボードメーカーのロゴが入ったファブリックである。
このプリントデザインは、当時、ライセンスで企画されビーチタオルが大ヒットしたのを背景にファブリックとしても販売されたいた。
カラーは画像のグリーンベースの他にブルーベースがあり、当時、その存在を知った俺は是が非でも欲しくなり、2色とも手に入れた。
このファブリックを一体何に使うのか?
そんな事を長い年月の中で思い考えていた末に出た結論が、ボードのデコレーションとして使うと云う事だった。
しかし、俺が手にした時でさえ、既にデッドストックだった事こら「次の入手は無い」事を考えると「誰に託すのか?」で非常に頭を悩ませた。
想い入れの深いファブリック故に、ある程度は俺とのフィーリングが合うシェイパーでなけば意味が無い・・・
そんな事を思っていたら長い年月が経ってしまった訳だが、ようやく、数年前に「託せる男」が現れた。
その男こそがアダム・ダベンポートであり、オーダーするボードはPIG以外にはありえない。

彼がPIGが削る様になってからかなりの年数が経つ訳だが、その間、彼はハップ・ジェイコブスやランス・カーソン、ジーン・クーパーのシェイプを目の当たりにしており、PIGへの考え方も当初とは大きく異なったそうである。
「どんなPIGになったんだい?」
「俺は以前、君のPIGに乗っていたが、それとはどう違うのか?」
と尋ねると・・・
「あの頃のPIGとは全く違うよ」
「このPIGは僕の中でも最高傑作だよ!」
「きっと違いが判る筈だよ」
と、彼は云い切ったのだ。
ボードと向き合いながらアレコレとやり取りをしている最中にアダムは「君がここに来るまで温めておいた構想があるんだよ」と、彼は削り立ての一枚のフィンを取り出した。

「このフィンが何だか判るかい?」
「このフィンは中心部が空洞になっているんだよ」
「これはジーン(ジーン・クーパー)が創ったフィンなんだけど、僕は彼のフィン創りを見てフィンへの拘りが一段と増したんだよ」

「こんなフィンを創れるのはジーンしかいないよ」
「サーフボードにとってフィンはとても重要なバディーなんだ」
と、フィンへの想いを熱く語り始めた。
そして、彼は更に一枚のフィンを俺に差し出し、手に取乍ら怒涛の様に語り始めたのだ。
さて、このフィンへの彼の思いれは・・・

次回の更新時に綴らせて頂きたいと思います。
Keep Sufing!!!!!