
ただ、初めて映画を観た当時は、そのロゴがサーフブランドのロゴである事は知る由も無かった訳だが、数十年後にそのロゴを纏ったサーフボードに乗るとは当時は夢にも思っていなかった。
総武線の亀戸駅から少し歩くと、その店はあった・・・
シーコング亀戸店。
後の錦糸町、豊洲、篠崎の元となるシーコングの誕生期を支えた店舗である。
失礼ながら、狭い店内にはサーフボードがギッシリと陳列されており、その大半が映画で登場したロゴを纏ったデューイ・ウェーバーのパフォーマーだったと記憶している。
それから20年近くの時が流れ、念願のウェーバーのショップを訪れる事が出来たのだから、年甲斐にもなく心が躍動するのも致し方ない所であろうか?

店内に入ると、今時のアパレルを主としたサーフショップではなく、生粋のサーフショップである事を感じさせてくる陳列に興奮を抑える事が容易では無かった。





しかも、ヴィンテージ!

「このボードは何年式なの?」と、店を切り盛りするウェーバーの息子であるシェィ・ウェーバーに訊ねてみると・・・
「正確な事は解り兼ねるが‘63年位かな?」と教えてくれた。
1963年・・・
うん、良いね。
年式的には最高だ。
サーフボードは'60年代に半ばに差し掛かると他メーカーとの差別化を図る為に様々な装飾を纏う様になる。
それはストリンガーの形状であったり、フィンの創り込みであったりと非常に手の凝った物が多くなる。

サーフショップの店構えもさることながら、ヴィンテージが違和感なく陳列されている店内は自身がタイムスリップしているかの様にさえ思えた。
予てから訪れてみたいと思っていたが、ウェーバー・サーフショップは期待を裏切らない素晴らしさを堪能させてもらった。
そして、このウェーバーのPIGが欲しくて、嘗て、ラインナップには無いPIGを削って貰った事を思いだした。
そのPIGを削ってくれた男こそ、前回の更新で触れたジェリー・オキーフだった。
ファクトリーのから出て来た大柄な彼は「Toshi(シーコングの田中さん)の所のカスタマーかな?」、「俺はウェーバーのボードを20年以上削っているジェリーだ」と自己紹介してくれ、シェイプルームまで案内してくれたのだ。

俺は嘗て、PIGをオーダーした事を彼に告げると数年前の事ながら「ああ、覚えているよ」、「ウェーバーでPIGのオーダーが入る事なんて無いから印象に残っている」と教えてくれた。
次回の更新では、そんな、ジェリー・オキーフが創り上げたPIGを紹介したいと思います。
Keep Surfing!!!