ニックから連絡が入ったのと略同時にシースワローの毛塚君から「マイクさんのボードが来週届く予定」と連絡が入った。
ニックからは「出荷したぞ!」と淡泊なメールだけであったが、今回ニックに出荷を頼んだのには訳があった。
実は俺の中では、そろそろニック渾身のマリブチップが完成する頃合いだと思い、2本一緒に出荷してもらう予定だったが、マイペースなニックは自身が創り上げるチップのフィニッシュを終えていない様で、「マイクのボードだけ出荷する」という事になった。
毛塚君と受理のやり取りをしている最中に「どうします?」と、彼が問うて来た。
「どうします?」と云うのは、彼の経験知からの提案で、「間違いなくリペアが必要な箇所がある筈だ」という事だ。
「必要であれば、マーサーフボードの石井さんの所に直接持って行き修理を依頼して来る」と、彼の声に俺は迷う事無くリペアを依頼した。
カリフォルニアから届く中古は100%以上の確率でリペアが必要になる。
それらはボードケースを使う習慣のない彼等・・・
いや、サーフボードを単なる「道具」として見ている彼等と「宝物」と解釈する日本人の大きな隔たりの証でもある。
更に、毛塚君の提案でリーシュループを着けてもらう事になった。
本来はマイクが乗っていた状態をそのまま受け継ぐことを視野入れていたが、サーフボードは乗ってナンボの代物である。
今回のシモンズは俺にとっては極めて特別なボードになる事は間違いない。
ならば、海で出会う仲間達に堪能してもらいたい。
そんな想いからリーシュループは必要不可欠となったのである。
前置きが長くなったが、そろそろ、ボードディティールを紹介したいと思う。
マイクが俺に託したシモンズがこちらである!

長さは9.6ft、サーフ用語に当て嵌めるとBIGシモンズと呼ばれるボードになるのだろうか?
さて、このボード・・・
一体誰の手によるものなのか?
実は、このシモンズを創り上げたのは、かの、ジム・フィリップスなのである。

職人気質で、あのベルジーの直系を欲しいままにしているレジェンド、いや、あえて、伝説と日本語で綴りたく成る程の人物である。
PIGの第一人者であるジム・フィリップスが手掛けたシモンズには様々な試みが反映されているのだが、その最たるディティールがバルサとフォームの融合である。

マイクから送られて来た画像を目にした時、最初はエアブラシでバルサ模様が描かれているかと思ったが、いざ、手に取ってみると、それは紛れもなくバルサであった。
フォームとバルサ、そして、シモンズ・・・
この組み合わせ、決してパフォーマンスだけで創られたモノで無い事はボブ・シモンズという人物を知れば辿り着く事が解る。
今回は少々長くなってしまったので、次回の更新で少しだけボブ・シモンズの事を綴ってみたいと思っています。
KEEP SURFING!