ジャケットが送られ来て数日った時の事だった・・・

マイクから「お前のサーフボードを創ろうと思っているんだけど、ピーターに任せてみないか?」と連絡があった。
「ピーターのボードは素晴らしいぞ!」、「きっと、お前ならそれに気付く筈だよ」、「俺は新しいボードをピーターに頼んだところだから一緒に創ろう!」と付け足して来た。
ピーター・カスタム・サーフボード・・・
ダベンポートのミスクリントに代わり、現在、マイクがその身を預ける新たなる相棒である。
この聞きなれないメーカーは一体何なのか?
興味が沸き、調べてみるとCAの何処にもそれは存在しない。
マイクの新しい相棒は一体何処のボードなんだ?
益々興味が沸いて来た。
そして、遂にそこに辿り着いた。
ピーターサーフボードはCAでなく、なんと、オーストラリアのボードメーカーだったのである。

マイクからプレゼントされたジャケットは、確かにピーターのチームワッペンが張り付いていた。
しかし、解らなかった・・・
CAには素晴らしいボードメーカー、シェイパーが多くいるのに、また、現在開催されている「PIG LUAU」はCAでの祭典、そこに多くのシェイパーも参加する筈・・・
なのに、何故、オーストラリアなのか?
マイクは「俺にピーターは面談が好きなんだ」、「お前と話したがっているからテレビ電話で直ぐに連絡をしてあげてくれ!」と、言われた。
そして、ピーターとのテレビ電話が始まった。
彼が最初に質問して来たのは「お前はコレクターか?」だった。
俺は「コレクターだけど、サーファーだ。しかも、PIGは大好きだ!」と、返答し、そこから会話が始まった。
俺は自身のPIGに対する想いと技量を伝える為の「サーフィンの幅」を彼に伝えた。
それを笑顔で聞いていたピーターは「よし、ボードを創ろう!」、「どんなのが良い?」と質問して来たので、俺は開口一番に「マイクとお揃いにしてくれ!スペックも全て同じで良い!」と告げた。
すると彼は「多少は自分の個性も入れた方が良い」、「お前は赤が好きなんだろう?」、「だったらストリンガーは赤にしよう!」という事になった。
なんだか、トントン拍子で事が運んで行く事に少々驚いてしまったが、マイクに報告をする最中に先の質問をぶつけてみたのだ。
「何故、ピーターに乗る事になったの?」と・・・
すると、彼は恒例の「良い質問だなぁ」から始まり、ピーターのPIGに乗る経緯を話してくれた。
マイクが変態極まりないPIG狂である事はマイク自身も含めて周知の通りである。
いずれ書きたいと思っているが、マイクはこれまでに数多くのPIGに乗って来ている為、自然と様々なPIGに遭遇する様だ。
そんな中、マイクは友人から1本のPIGを見せられた。
そのPIGは、これまでマイクが見て来た、乗って来た、数々のモダンPIGとは掛け離れたボードだった様だ。
マイクはボルテージは一気に上がり、直ぐ様ピーターに連絡を取り、オーダーする事となったのだと言っていた。
「一体、何がどう凄いの?」と、俺が尋ねると、「それはお前がピーターのPIGに乗れば解る事だ」、「お前だって、今まで色々なPIGに乗って来たのだろう?」と、俺のボルテージも引き上げ掛けて来た。
そんな折に、ピーターから「出来たぞ!既に成田には到着している筈だ!」と連絡が入った。
俺は久しぶりのNEWボードに心を弾ませているのと同時にある一つの懸念を抱いた。
ピーターのボードの梱包はとてつもなくデカいのだ!
そして、そこに通関の面倒臭い事項が入る。
ボードが届くのは嬉しいが、それらの作業を考えると憂鬱になる。
そんな時、シースワローの毛塚君が「僕が代わりに行って来ますよ!」、「成田はいつも行っているし、任せて下さい」と手を差し伸べてくれたのだ。
そして、届いた箱はこれまで幾度となくサーフボードを輸入して来た毛塚君さえも悲鳴を上げる程のツワモノだったのだ。

毛塚君から送られて来た画像には、その大きさが物語っており、マイクのインスタグラムでみた光景が思い起こされるのだが、ダンボールをバラすと中身は発泡スチロールの塊になっていた。

そして、その蓋を開けた瞬間、毛塚君は固まってしまったらしい・・・

ボードの美しさよりも、数々のボードを見て来た毛塚君が豹変するボードには「マイクの乗れば解る」が手に取てる様に感じたからではないだろうか?
そう・・・
このボードにはロッカーがないのだ!
それは正にベルジーとジェイコブスが、この世に誕生させた時と同じ様なロッカーが無いPIGであったのだ!
かなりの長文になったので、この続きはボードのディティールの紹介と共に次回の更新で書かせて頂ければと思っています。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました
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