例えば、それは毎号発売されるサーフマガジンであったり、ムック本である事もある。
DVDや映画なんて事もあったりで、本当に様々である。
一言で言ってしまえば、サーファーの数だけバイブルがあると言いても過言ではないであろう。
今日は俺の新たなるバイブルを紹介したいと思う。
それがこちらである。

取っての付けられた専用のボックスには、子供の頃に図書室に陳列されていた辞書よりも大きく、重い、ハードカーバーが装備された重厚な本が入っている。


ページを捲るとイラストで描かれたサーフィン誕生の絵巻が連なっており、更にページを重ねて行くとデューク・カハナモクがワイキキでサーフィンを始めた様な時代の写真が登場する。
ワイキキを観光で訪れた女性達がボードと一緒に記念撮影している一葉は、かつて観た映画「ザ・ライド」のシーンを思わせる光景でもあった。

そして、更にページを捲って行くと1946年から1961年のサーフィン文化が紹介されている。
ページに登場するボードはボブ・シモンズが考案したマリブチップの原型が収められていた。
このボードの誕生からマリブチップが様々なシェイパーによってアレンジされて現代に伝えられた事が解る。
当時のマリブチップは安定性を保つ為だけに着けられたフィンである事が、この一葉から確認出来る。



それは、まだ産声すら上げていないPIGの誕生を待っているかの様にも見えるから不思議でならない。
本の中には映画「ギジット」のポスターも紹介されており、この映画によってサーフィンが大衆化した事を伝える歴史的な要因も見受けられる。
ぺージを捲って行くと、いよいよフォームのボードが登場する。
若きイエーターと共に写っているのは紛れもなくPIGである。



そして、PIGの登場によってサーフィンは一気に進化を遂げ、ミッキー・ドラやミッキー・ムニュスの個性的なライディングを可能にして行く。
更にページを捲ると、いよいよサーフィンが最も輝かしかった1962年から1969年に入る。

グラニスの代表作でもある一葉は、当時、サーフィンが如何に華やかであったかを物語っている様にも思えた。
ビーチには巨大なサーフボードを小脇に抱えて海へと邁進するサーファー達が収められている。

当然、この時代のサーフボードは、その殆どがハーフムーンである。
この時代のスーパースターと言えば、何と言っても、グレッグ・ノールである。

先日、レジェンド達の後を追う様に天に旅立っていったジョン・シーバーソンの一葉から見ても、それは紛れもない事実であった事であろう。
更に、この本の中にはサーフトランクス等も紹介されている。
サーフトランクが誕生した間もない頃は、その殆どがハワイアンシャツの残反を使用していた事が解る。


その後進化を遂げたトランクスは、素材の強度と共にトランクスならではのデザインに長けた物が登場しビーチを賑わせる。
しかし、この時代のサーフトランクスは本当に格好良い。

この格好良さの最大の要因は問答無用で丈の短さである事は一目瞭然である。
更に当時のサーファーが着ていたファッションウェアも紹介されており、非常に興味深かったりする。

同時に、「サーフファッション」なる物が誕生する前のサーファー達がどの様なファッションでサーフィンを楽しんでいたのかも収めれている。
格好良いの言葉以外が見付らない・・・

この時代のサーファーに「スタイルがあった!」と、言わんばかりの一葉である。
俺がサーフファッションなるアイテムを身に纏わないのはコレ尽きる。
本も半分に差し掛かるとご覧の様なページが登場する。
一目でサーフボードで歴史が解る在り難い絵巻である。
ターニングポイントとなるサーフボードが要所要所で紹介されており、歴史を紐解く事が出来る。

一気ではあるが、大まかに本を紹介させて頂いたのが、まだ、半分程ページが残っている。
この先は、ショートボード革命によって登場するボードは極端に短くなり、フィンが3本、4本、5本と・・・

クラシックサーフィンを愛する俺には無縁の内容となっているので紹介するまでも無いかと思う。
さて、紹介したこの本だが、実は後輩がバースデープレゼントとして用意してくれたものである。
ニッチで、ディープな俺が「どんな物だったら喜ぶか?」を考えてのプレゼントに違いない。
冒頭の話しではないが、俺にもこれまで様々なバイブルはあった訳だが、この本はかなりパワフルなバイブルとなる事は間違いないであろう。
皆さんも機会があれば、ご覧になっては如何でしょうか?
KEEP SURFING!