ダベンポートのミスクリントの誕生経緯 | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

ここ最近、マイク・ブラック絡みのネタが続いていますが、愛読して下さっている方々には感謝申し上げます。
 
 
本日は、そんなマイク・ブラックのシグネチャーであるダベンポート・ミスクリントを再び紹介したいと思う。
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ボードの各所紹介の前に、前回の続きでもあるミスクリントの誕生経緯を綴りたいと思う。
 
 
ミスクリントがどんなボードなのかはボードを見れば一目瞭然なのだが、俺にとって重要なのは、PIGを好むマイクが何故にPIG以外のボードに乗る事になったかである。
 
 
早速、マイクに連絡し、真相を聞いてみた。
 
 
俺「マイク、貴方はPIGを愛しているサーファーなのに、何故、ミスクリントはPIGではなかったの?」
マ「良い質問だな。よくぞ聞いてくれた!」
 
 
このやり取りから始まったのだが、マイクの話しから、これまでミスクリントの誕生経緯ついて余り質問をされた事が無かった様に感じた。
 
 
マ「ミスクリントの誕生は話せば長いんだ・・・」
マ「あれは今から6年前の事だった・・・」
 
 
と、マイクの様々な武勇伝が書かれていた。
長文で書かれたメールの序盤には誕生経緯の本質に触れる事は書いていなかった。
 
 
文面も中盤に差し掛かると、マイクが主催している「PIG LUAU」について書かれていた。
その「PIG LUAU」には、若い青年が毎年参加していて、いつしかマイクと青年は友人になっていた。
 
 
その青年はニックと言って、現在、ダベンポートのライダーをている人物であった。
 
 
ニックはマイクにアダムを紹介し、二人は意気投合し、シグネチャーを創る事になったのである。
 
 
マイクは、PIGへの自身の想いを語ると共に、理想のデッキ形状とレール形状をアダムに告げたのである。
また、そのミーティングにはニックも参加し、クーパーのブラックボード、BINGのフェラールPIGに順ずるボードが産声を上げようとしていた。
 
 
マイクは自身のシグネチャーには多くの遊び心を採り入れる為に、ご覧の様なディケールを随所に散りばめた。
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そして、遂にマイク待望のダベンポートのシグネチャーが完成した。
マイクは心を躍らせながらボードと対面したのだが、アダムから託されたミスクリントはマイクが予想していたボードとは全く異なる形状のボードだった!
 
 
そのボードはナローノーズではなく、テールワイドポイントではなく、PIGの欠片も感じさせない掛け離れたボードであったのだ。
また、フィンに至ってもハーフムーンでは無く、ご覧の様なフィンが装着されていた。
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マイクはかなりの衝撃を受けたらしい・・・
PIGを愛するマイクにとって、このボードは想いに反するカタチとなってしまったのだ。
 
 
マイクの中で、このミスクリントはブラックボード、フェラールPIG同様にベルジーのバルサPIGからインスパイアされたボードを想定していた筈に違いない。
ダベンポートのラインナップに存在する「THE PIG」とは異なったマイクの理想を集約させたPIGをイメージしていた事だろう・・・
 
 
しかし、アダムは何故に、この様な形状のボードをマイクに差し出したのであろうか?
 
 
これは俺の仮説だが、若しかするとアダムにとってのPIGは、既にラインナップされている「THE PIG」が唯一無二の存在なのかも知れない。
自身の最高傑作であるPIGに対して、対照的なPIGの存在を嫌った結果、デッキ形状、レール形状等の要望のみを聞き入れて、自己解釈の基にミスクリントは誕生したのかも知れない。
 
 
マイクの希望と掛け離れたミスクリントであったが、その出来栄えは画像の通りで、実際に衝撃を受けたマイクも直ぐに「これは俺自身が新たなサーフィンと出会う為のチャレンジだ!」と想い、このボードを受け入れる事にしたと言っている。
 
 
このボードにはマイクが「チャレンジ!」と自らを納得させるディーティールが満載となっていおり、この美しい4ストリンガーを始めとする数々の隠れたスパイスがマイクのお気に入りになった事はいうまでもない。
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最後にマイクは、こう付け足している・・・「このボードは一生手放す事はないだろう!」と。
 
 
そう言えば、同じくマイクにPIGを提供したダノーのHOGも俺が所有している物はナローノーズの形状がスッキリしたマイク好みのPIGになっているのだが、最近シーコングで見掛けたHOGのノーズは少しばかりボリュームがある様に感じた。
 
 
歴戦のクラフトマン達は各々が描くPIG像をカタチして行く・・・
 
 
ダノーの場合はマイクの依頼通りのPIGにし、暫くはそのスタイルを採り入れたが、やはり、自身のPIG像に戻したのであろうか?
一方のアダムは、それを全く受け入れようとせず、ミーティグでの絵巻を自身で練り上げてミスクリントを創り上げたのであろうか?
 
 
出会いが衝撃だったからこそ、インパクトがあり過ぎたからこそ、マイクにとっては異端児でありながらも、特別なボードになったのではないだろうか?
 
 
そして、マイクが特別ならば、俺にとっても特別になる事は言うまでもない。
ハーフムーンしか乗らなかった男が、このフィンに何を感じたのだろうか?
ナローノーズに拘り続けた男が、ワイドテールに拘り続けた男が・・・
 
 
ミスクリント・・・面白いかも知れない。
 
 
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