アンドレイニのPIG | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

自分でも気付いていたが、先日、シースワローの毛塚君との会話の中で「あなたは充分に変態です」と言われた。
 
 
俺的には彼も充分過ぎる程変態なのだが、変態同士でPIGのアウトラインを語った事がある。
 
 
元来、PIGとは豚の容姿から命名を受けた訳で、そのアウトラインはナローノーズ&ワイドテールが基本である。
 
 
しかしながら、昨今のモダン系を始めとするPIGの殆どが程好くノーズにボリュームが成されている事が多い。
 
「一体、何故PIGなのにナローノーズではないのだ?」
「何故に、ワイドテールのボリュームが物足りないのだ?」
 
毛塚君と議論はここから始まった。
そして、結果、「今のPIGは幕の内弁当の様なPIG」という事で落ち着いたのだ。
 
 
シェイパーは乗る為のサーフボードを削るのが仕事である。
決して、当時の出来の悪いPIGの複製を創る為にボードを削る訳では無い。
 
 
PIGと言えど、現代のロングボーダーはPIGでノーズも仕掛ければ、マニューバーも描く、勿論、当時のPIGでもそれらは可能であろうが、職人と言う肩書を持った彼等シェイパーは「乗り味の悪い」ボードを創る訳には行かないのだ。
 
 
結果的に、それらは幕の内弁当の様なボードになってしまう性なのかも知れない。
本日紹介するボードは、その要素を多分に汲み入れた代表的なボードでは無いかと俺は思っている。
 
 
紹介するボードはマーク・アンドレイニのPIGである。
見ての通り、そのアウトラインは現代のサーフシーンに対応出来る典型的なモダンPIGとなっている。
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明確な年数は不明だが、アンドレイニは1960年代にOWLのクルーとしてシェイパーとしてのスキル上げ、1969年には自身のレーベルであるアンドレイニ・サーフボードを立ち上げている。
 
 
そんなアンドレイニは、俺的にはジム・フィリップと同じ様な職人気質に溢れた数少ない本物のシェイパーだと思っている。
 
 
不思議なもので、古き良き時代から活躍してにも拘らず、ロングボードが輝かしい復活を遂げた1990年代の日本では彼等はまだ知る人ぞ知るシェイパーであって、国内のサーフマガジンにも登場しない人物達であった。
 
 
しかし、古参のシェイパー達の世代交代が始まり、インターネットが普及し、本物志向のロングボーダーが増えた事により、満を持して彼等にスポットが当たったのではないだろうか?
 
 
そんな、アンドレイニのPIGで特徴的なのは、このフィンではないだろうか?
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一見、真上から見ると明確に食み出たフィンも、往年のビングのタカヤマモデルやグレッグノールのPIGの様なレイク角度を伴った形状になっているのだ。

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(ビング・タカヤマモデルのフィン)
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(グレッグノール・PIGのフィン)
 
これらの創り込みは歴史を汲み入れ乍らも、操作性に拘った典型的なモダンPIGの在りき姿にも思えた。
 
 
ストリンガーには2インチのバルサが使われ、本物志向のアンドレイニの拘りが反映されいる一方・・・
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所々に異なったディケールをあしらっているのも見逃せなかったりする。

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肝心の乗り味だが、このボードはクラシックPIGを愛する多くのサーファーが既にレビューを発している事から、俺如きの技量で語るのは避けさせて頂く事にしたいと思う。
 
 
しかし、ワイドなノーズ、そして、全体のボリュームから想定出来る様に、力のない小波でもどっしりとした安定感のあるグライドが楽しめるのは間違いない。
 
冒頭の毛塚君との「変態談議」であるが、ビーチには我ら以外にも多くの「変態」方がいらっしゃると思うので、いつの日か皆さんと「変態談義」してみたいと想いを馳せるばかりです。
 
 
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