良いサーフィンを堪能出来ると、どうしても新しいボードに乗りたくものだ。
ましてや、このボードに限っては念願が叶って入手出来たボードなのだから尚更である。
今日は俺の技量で申し訳ないが、ロビン・キーガルに特注したクラシックPIGのインプレッションを綴ってみたいと思う。

これは以前も書かせてもらったのだが、本来、インプレッションは中級者から上級者&プロがした方が良いのだろうが、クラシックボードを好む者の傾向として初級者がかなりのボリュームを締めている事もあり、俺のインプレッションでも「多少は参考になるのかな?」と思い、綴る事にしている。
今回、下したボードはロビン・キーガルに特注したクラシックPIGなのだが、ピグをオーダーするに当たって、一つのテーマを彼に託したのだ。
と言うのも、ロビンは常にクラシックボードの進化を見据えながらシェイプしている様で、俺が好むレプリカには余り興味を示さない事もあり、彼からPIGの受諾を受けるまでシーコングの田中さんがかなり頑張って下さった背景があった。
そして、ようやくOKをもらい彼に託したテーマが「ベルジーのPIG」であった。
テーマと言うと少々オーバーだが、簡単に言い現わすと「ロビンにベルジーの様なPIGを創って欲しい!」という事になる。
そんなテーマの下に創ってもらったPIGの詳細は以前に綴った通りなので、早速、インプレッションに行きたいと思う。
先ず、このPIGで驚いたのがレールの厚みだった。

俺がイメージする近年のロビンのボードのレールはピンチ系の印象が強かったが、このボードのレールに至っては以前紹介したプレイデートの様な厚みあるレール形状になっていた。
この厚みは、正しく、往年のベルジーのレールであり、ロビンが限りなくベルジーを意識して削ってくれた事が伝わって来た。

そして、それはロビンが削るPIGの真骨頂でもあるスムースオペレーターとは明らかに異なっていた。
色々な事を頭に思い浮かべながら小脇に抱えたボードを海面に浮かべ身体を預けパドルして行くと不思議とフラフラ感が感じられなかった。

日頃から幅のあるボードを好む俺からすると幅の狭いボードには聊か苦手意識が芽生えるのだが、このボードに限っては、それを忘れさせてくれた。
これだけのデカいフィンを着けながらも回転性に長けているのは、ロビンならではのピンテールだからなのだ。
考えてみると俺の中では、ロビンはピンテールのイメージの強い様に思える。
そして、ファーストアタック!
ボード形状からテイクオフには少々不安を感じていたが、驚くほど速いテイクオフを生み出してくれた。
正直、このボードで一番驚いたのが、このテイクオフの速さあった。
俺にパドル力が無い事を知って田中さんがロビンに助言をしてくれたのか?はたまた、ロビン自体が速いテイクを可能とするシェイプをしてくれたのか?いずれにしても、俺にとっては棚から牡丹餅の様な出来事であった。
スムーズなテイクオフから踏み込んでターンを試みると180度回転したかの様なプルアウトをしてしまった。
そう、これは以前、ダノーのHOGの時の様な現象にも似た光景だった。
そして、その時と同じくボードから降りてテールロッカーに目を向けるとHOGの時の様なロッカーでは無く、至ってノーマルな形状になっていたので少々驚いた。
テールロッカー見詰めながら数秒考えて気付いた・・・「なるほど、このピンテールがそうさせているんだ」と。



かつて、タイラー・ハジキアンの下でライダーをしていた時に愛用していたボードはポイントだったそうである。
同様にダノーでも、ウェーバーでも、ピンテールを愛用していた様である。
確かに彼の代名詞にもなっているスムースオペレータもピンテールPIGだし、シーコングのベストセラーとなっているファットキャットもピンテールだ。
シェイパーとして天才の域を超えている彼は、サーファーとしてもダクトテープおいても常連の経歴を持つを男である。
そんな彼だからこそ、ベルジーPIGに至っても「動く」要素を採り入れた事は自然の流れだったのかも知れない。
ナローノーズ・・・
程好く反りかえったノーズロッカー・・・
そして、テールから食み出したDフィン・・・




クラシックボードの要素を多分に汲み込んだボードでありながら「動く」事に拘ったこのPIGは明らかにスムースオペレターとは異なっていた。
今回、腰~腹位の波だったので優雅な乗り心地を体感出来たが、いずれは胸肩位の波にも持ち出したいと思っているので、その際に再びインプレッションを綴れたらと思います。
Keep Surging!