自らの理想となるボードをオーダーしたにも関わらず、中々上がって来ない・・・
シーコングの田中さんのブログに目を通すと、同様の事がいつも書き綴ってある。
オーダーしたにも関わらず上がって来ないボードを横目に1本のボードを入手した。
そのボードが以前も紹介したコレである。

僅か数回しか使用していないボードであったが、基本的に俺は中古は買わない主義である。
いや、買うには買うが、それが廃盤モデルやパーソナル、シグネチャー、シェイパーが他界した等、著しく入手困難な場合に限る。
このHOGはそれらに値しないボードである。
しかし、オーダーしても一向に上がって来ない。
悩んでいる俺に聳え立つ11ftのHOGが問い掛けて来る・・・
「一度、乗ってみないか?」
思えば、中古らしい中古を購入した初めてボードだったかも知れない。
11ftのHOGには、そんな思い出が詰まっていたが、一度海に浮かべてみると11ftを感じさせない快適さがそこにあった。
俺の技量でも充分に曲がってくれる。
テイクオフも早く、何の申し分も無い・・・
しかし、中古では無く、新品のマイボードが欲しい!
そんな時、吊るしのボードが1本入荷したと当時の店長から連絡を頂いた。
そのボードこそが、本日のインプレッションボードである。

そして、待望の進水式・・・
車からボードを下ろし、小脇に抱ええるとモダンPIGならではの薄いレールが指にフィットする。。。

そこには、11ftの時には感じなかった初めての体験が詰まっていた様にも思える。
「思っていた程、重くはない・・・」
きっと、普段から重いボードを愛用しているからなのだろうか?
しかし、ビーチまでの長い道のりを歩いていると次第に高密度を誇るフォームの重さが指先を刺激し始めた。
舐めていた訳では無いが、この重さを早々に体感出来た事によってテイクオフの時の初速に注意を払う事が出来たのは言うまでもない。
テイクオフ後からボトムターンに持って行くと、勢い余ってプルアウトをしてしまった。
このデカいフィンを装備しながらも、この軽快感はどこから来るのだろうか?

「このボード、キックテールか?」と、思わず声を張り上げたくなる様なテールロッカーが付いていたのだ!


11ftに至っても、以前紹介したマリブチップも、ダノーのボードはデカいDフィンが付いていても操作性が長けているのは、この仕様からなのかも知れない。
確かに、後方寄りからボードをクローズアップしてみると極度のテールロッカーが確認出来る。
また、このボードはテールロッカー同様にノーズロッカーも強めに入っているのが特徴である。
また、ボトムに目を向けてみるとフラットボトムと言うよりは、ラウンドボトムにさえ見える様な形状になっている。




ご覧の様なナローノーズやテールから食み出したフィンはあれど、ダノーのHOGに関してはPIG形状でありながら誰もが気軽にモダンサーフィンが堪能出来る仕上がりとなっている。


これらの仕様は、かつてライダーとして抱えていたアレックス・ノスト、ロビン・キーガル、そして、ジャレット・メル等からのフィードバックが大いに汲み入れらたからなのであろうか?
モダンクラシックの第一人者と謳われているジーン・クーパーのPIGが俺的には最も扱い易かった事は以前も書き綴ったが、このダノーのHOGはそれとは正反対な一面を持ち合わせたモダンPIGの様に思えてならない。
モダンクラシックには明確な定義は無い。
造形こそヴィンテージであるが、そこには様々なシェイパーの思想の様なものが汲み入れいる。
かつて、ロングボードには「全て答えがある」と言っていた知人の言葉を借りるならば、答えが出ているのはヴィンテージであって、モダンクラシックは「答えは無い」というのが俺の個人的な感想である。
一言で言うならば、モダン系のボードは「乗ってみなければ解らない!」であろうか?
ダノーのHOGに乗ってみて、それを強く感じた次第です。
さて、久しぶりの更新で長々と書き綴ってしまいましたが、今年もマスターベーション的なブログをご覧頂きまして本当にありがとうございました。
後半は思う様に時間が取れず、更新を怠ってしまったにも拘らず、毎日多くの方々が覗いて下さった事に感謝致します。
新しい年が皆様にとって、素晴らしいサーフィンライフを送れる年であります事を切に願っております。
どうぞ、良い年をお迎えください。
Keep Surfing!