それとも自身の思想を反映させたカスタムにすべきか?
これらの事に悩まれた方も多いのではないだろうか?
俺なりの結論から先に述べると、サーフボードは吊るしで購入した方が良いと思っている。
俺のブログを読み続けてくれている方々には「何故?」と思われるかも知れないが、答えは簡単である。
何故なら「日本人が要求する仕様通りに出来上がらない!」からである。
この回答にも「意外?」の声が聞こえて来そうだが、俺の経験上で「求めるカスタム」が100%満足な状態で出来上がった事が殆ど無いからである。
勿論、「自分だけの1本」なので、それに対する満足はあるのだが必ずと言って程「あぁ、ここは違うんだけどなぁ」という箇所が付いて回るのだ。
当然、ディストリビューターの方々も事細かに注文を出している訳だが、当のCAがそれを受け入れないのだ。
正確にいうと「国民性」、「お国柄」という事になる。
そもそも日本人はサーフボードに限らず、様々なカスタムの注文に対して「120%」の満足度を求めるらしい。
しかし、実際に出来上がったボードは注文に対して80%であれば妥当。
時には70%以下なんて事もざらなのである。
日本人の感覚だと注文通りに出来ていないのだから「キャンセル」や「値引き」等を要求するだろうが、CAでは「間違ったけど、しっかりと仕事はしたから値引きはしない・・・」と言うのが一般的である。
よって、この場合の殆どがショップ若しくはカスタマーが泣き寝入りするしかないのが現状である。
トコトンショップと揉めるつもりならば「キャンセル」及び「値引き」の要求もありだろうが、後の付き合いを考えて行くと中々強硬な事が出来ないのが現実ではなかろうか?
まぁ、その前にショップも何らかの対応をしてくれる筈なので、結果的にはショップ、カスタマーの双方が「泣きを見る」事になる訳だ。
だから、俺はいつも自分に嘘を付いて「納得する」様にしている。
「これで良かったのだ」、「これが欲しかったのだ」と・・・
しかし、大枚を叩いて手に入れたボードが80~70%の完成度だと、やはり何処かに納得出来ない自分が居るのも事実である。
また、カスタムオーダーには著しく時間が掛かるデメリットもある。
早ければ3~4ヶ月と言われても、実際には半年以上に月日が経過する事は当たり前の話で、酷い時には2年近くの歳月を要する事も有る。
それだけの月日が経過してしまうと「己がしたいサーフィン」も微妙に変わってしまう為、最悪の場合「今更・・・」なんて事も多々あるものだ。
そんな事を考えると「本当にカスタムをして良かったのかなぁ?」と自問自答の繰り返しなって来るのだ。
因みに、これまで俺がオーダーした中で120%の完成度を満たしてくれたのはタイラー・ハジキアンのみであった。

「おおお!こんな事までしてくれたのか?」なんて、事はザラであった。
そんな日本人の気質を知っての事なのか?タイラーのボードには常に満足が付いて回っていた様に思える。
きっと、タイラーが日本のロングボーダー達に愛されていたのは、日本人の気質を理解していた彼に気配りからだったのではないだろうか?
余談が過ぎたので話しを戻そう・・・
一方の吊るしのボードに関しては上記で書き綴った様な事は一切無い!
店内に陳列されたボードを直接手にし、確認し、そして、それに見合った対価なのかを考え購入に至れれば良い訳だ。
逆に自分の理想と掛け離れていた場合は購入を見送り、次の機会を待つことも出来る。
自分だけの理想の1本を追求して行くと、やはり、カスタムは理想である。
しかし、気軽に足を運べる環境に無いシェイパーには常にリスクが付き纏う事を忘れない様にしておく事が大切ではないだろうか?
そして、苦い経験を幾多に渡ってして来た今の俺だったら、自分の求める長さ、そして、オンフィンであれば迷わず吊るしからボードをチョイスすると思う。
今はこうして、インターネットが普及している時代である。
サーフショップのサイトを覗いて気になるボードがあれば、足を延ばして未開の地(サーフショップ)にて吟味するのも良いのではないだろうか?
根拠は無いが、恐らくカスタムする必要も無いくらい素晴らしいボードに出会えるのではなかろうか?
Keep Surfing!