何処かで誰かが言っていた・・・
カリフォルニアには、「北のランスと南ヒンソンがいる」と。
このフレーズ、以前にも使わせてもらったのだが、本当に格好良いフレーズだと思う。
スーパースターが犇めくカリフォルニアのビーチで立った二人だけに許された称号でもある。
どちらも少々?いやいや、かなりの問題児?
いや、そんな事はどうでも良い事なのだ。
スーパースターの彼らだからこそ、そんな事は許されてしまうのではないだろうか?
今日は、そんな「南のヒンソン」と称されるマイク・ヒンソンのボードを紹介したいと思う。
ヒンソンと言えば、真っ先に浮かんで来るのがレッドフィンのシグネチャーなのだが、1960年のそれらのボードはその殆どがキップ・フライの手によってリリースされていた事は有名な話しである。
俺の印象ではマイク・ヒンソンという人物はシェイパーよりもサーファーとしての方がインパクトが強く、彼が世間からドロップアウトしていた後にシェイプ励んでいた事を知った時には少々驚いた程である。
彼がペースメーカーでの生活を強いられていた為、プレナーと共に過ごす事に制限もあってか「ヒンソン=シェイプ」という図式が、どうにも頭の中に描けなかった。
しかし、実際に彼の手掛けたボードを見ると時代を創って来た男の拘りが随所に感じられるから不思議なものである。
毎度前置きが長くなったが、ヒンソンのレッドフィンを紹介したいと思う。

このアウトラインを見て「ピン!」っと、来た方は流石である。
このレッドフィン、実は1960年代に一世を風靡したレッドフィンは異なるのだ。
現在、ヒンソンがリリースするレッドフィンは大きく分けて2種類が存在すると言われている。
1つは往年の名品である'60sレッドフィン、もう一つはそれをベースに改良有れた’80sレッドフィンなる物である。
後年にリリースされた’80sレッドフィンは'60sレッドフィンとは対照的で、代名詞とも言われるポイントノーズもご覧の様に、より鋭角になっている。
ロッカーも'60sレッドフィンとは比べ物にならない程付けられている。
当然ながら、フィンは回転性をより向上させる為に小振りでレイク角度の付いた物が取り付けられている。
ディテールのポイントだけ見て行くと往年のレッドフィンとは掛け離れたボードになっているが、ボードの象徴でもあるカラーフォームをあしらえたスリーストリンガーは何もにも代えがたいオーラを放っているのではないだろうか?
また、フィンパッチやデッキパッチを施している所などは、このボードが彼の代表作であるが為の拘りなのではないだろうか?




そして、ストリンガーに寄り添う様に置かれたディケールはシグネチャーの証でもある。
そんな彼のボードに対する想い入れが確認出来るのが、このサインである。
彼が手掛けたボードには必ず入るサイン。


英語なので、字体が綺麗なのか汚いのかは判断しかねるが、彼のサインにはどことなく人間臭さがある様に思えてならない。
ヒンソン・・・
多くのレジェンドがプレーナーと決別している中、嬉しい事に彼はまだまだ現役である。
ランス・カーソンと共に時代を創って来たレジェンドに敬意を表したいと思う。
KEEP SURFING!