こんな事は書きたくは無いが、今の時代から見ると人によっては「一昔前の・・・」なんて、印象なのかも知れない。
タイラーだけでなく、ケビン・コネリー、ボブ・オー・・・
21世紀初頭のサーフマガジンには彼らの活躍が溢れていた。
以前も書いたが、サーフボードメーカーとディストリビューターの関係は密接でなければ日本でのビジネスは成功しないと思う。
どんなに信仰的なファンがいても、カリフォルニアで絶大な人気を誇っていても、日本のメディアに登場しなければ日本のマーケットには根付かない事が歴史で証明されてしまった様に思える。
今、サーフマガジンを賑わせているモダン系のボードメーカーを挙げてみるとスキップ・フライの直系の弟子にあたるサンディエゴのジョシュ・ホール。

稀代の天才と謳われロビン・キーガルのクラフトマンスピリッツが溢れるガトヘロイ。



サンディエゴの貴公子と称えられ、スキップ・フライから絶大なる信頼を寄せられている新鋭マイケル・ミラー。

ダノーと同じくニュー・ポートビーチで活躍するマイク・マーシャル直系の弟子、タナー・プレイリー。

そして、サウスベイの若き継承者として、レジェンドの期待を一身に集めているアダム・ダベンポート。

海で出会うサーファー達との会話では「ジョシュのロングってどうなの?」、「ロビンって、そんなに良いの?」、「次はクーパーが欲しい!」等々、海での話題も尽きない。
そこにタイラーの名が無い事は寂しいに尽きる。
「タイラー・ハジキアンは時代に取残されてしまった・・・」感が否めないのは俺だけあろうか?
上記に挙げたボードメーカーは中古市場でも非常に高額で取引されている傾向が強い。
中古なので勿論新品よりは安いのだが、需要に対して欲しがるサーファーの数が多い為に価格も高額になっている事からである。
かつて、タイラーの中古ともなると20万円は下らないとされていた。
勿論、現在でも極上の物はそれ以上で取引されているようだが、これまでの様に右から左といった具合にはいかないのが実情の様である。
国内で溢れかえったと言われたドナルド・タカヤマのボードが現在も右から左で中古市場を賑わしているのは、ディストリビューターがドナルド・タカヤマという存在をマーケットから忘れ去られ様に努めているからではないだろうか?
歴史を重んじ、それらに新たな風を吹き込んでいるモダンクラシックのマーケットは確実に新たな局面を迎えている様に思えてならない。
個人的には再び日本でタイラーにスポットが当たる事を願うばかりだが、海に囲まれた日本にはモダンクラシックメーカーが潤沢に揃っているからこそ、ロングボードは楽しいのではないだろうか?
モダンクラシックへの熱き想い、当分、冷めそうにありません。
KEEP SURFING!