マット・カルヴァーニ | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

 以前、ジーン・クーパーが俺に言った・・・
 
 
「悪いシェイパーなんて居ないよ!」
「みんな、良いシェイパーばかりだ!」
「むしろ、納期の迷惑を掛けている自分が悪いシェイパーだよ」
 
 
こんな言葉、ジーンさんしか言えない・・・
彼の話を聞いていて、こんな事が咄嗟に頭を過った。
 
 
正直な所、自分にとって「誰が良いシェイパー」で、「誰が悪いシェイパー」なのかは中々判断出来るものではないのではだろうか?
 
 
大体がメディアやショップの人の言葉を頼りに自身の中で噛み砕いて、自分なりの「良いシェイパー」を見つけ出すのが一般的ではないだろうか?
また、俺の様に単なる憧れから「ランス最高!」と声を荒げるのも自身の良いシェイパーに巡り合う術でもあるのではないだろうか?
 
 
いつか、紹介しようと思っているが、ライアン・ラブレースというシェイパーが居るのだが、この男は本当に良い奴で・・・と、長くなるので今日はタイトルの通り、マット・カルヴァーニの事を書きたいと思う。
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マットにはこれまでに数々のボードを削って貰って来たのだが、彼はその才能をジェイコブスとビングに認められ、また、ジーン・クーパーやジェフ・ストーナーから絶大な信頼を寄せられリックとクーパー・デザインを託された男である。
 
 
カリフォルニアの老舗3大ブランドとモダンクラシックの第一人者のレーベルを託された彼は、時折、八束水や僻み等で中傷を受ける事もある様だが、それは何処の世界も同じで、成功者に課せらた宿命でもあるのだが、実際に俺は彼にその様な素振りや行動を感じた事は無い。
 
 
以前、サーフマガジンでジェイコブスがこんな事を言っていた。
「マットこそが、ドナルドの再来である!」と・・・



ジェイコブズは初めてマットのシェイプの見た時に「マシンの様に精工なシェイプ」を見て、ベルジーが連れて来た幼いドナルド少年と被った様である。
そして、自身のレーベルを伝授出来るのは「彼しかいない!」と直感したそうだ。
 
 
俺がマットに対して好感を持っているのはレプリカを削る際に必ずオリジナルのヴィンテージボードを参考にしている事と、レジェンドから「ボードの系譜」を確認している所である。
 
 
これは先週の更新でも少し触れたが、以前、マットにオーダーしたリックのUFOなのだが、「Surf '60s style」に紹介されていたボードの「レプリカが欲しい!」と頼んだところ、持ち主を探して精工に復刻してくれたのだ。
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正直、マットのこの行動には驚きを隠せなかった。
彼はクラフトマンである前にヴィンテージコレクターでもある為、自身が復刻をするのに「妥協」が許せなかったのではないだろうか?
 
 
多くのカリフォルニアのシェイパーを見て来たが、彼ほど謙虚な男はそうそう居るものでは無いのではなかろうか?
 
 
最後にちょっとした小話を紹介したいと思う。
 
 
俺がマットに「君のシェイプは最高だよ!」、「俺は君こそがカリフォルニアで№1のシェイパーだと思うよ!」と、告げた時にマットは隣にたマーガレットに向かって「俺が№1だって、言ってくれたよ!」、「本当に嬉しよ!」と子供の様に燥ぎながら喜んでいた事があった。
 
 
その光景を目の当たりにした俺は・・・
なんか、飾りっ気が無くて、勝手に笑みが零れてしまった。
人間、マット・カルヴァーニと言う男に心底惚れてしまった瞬間だった。


サーファーの数だけ「良いシェイパー」はいると思うが、マット・カルヴァーニは俺にとって「最高」が付くほど良いシェイパーである。
機会が有ったら皆さんも、是非、マットのボードのボードに触れてみては如何だろうか?



KEEP SURFING!