ハップ・ジェイコブス | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

12月に入って、随分と寒くなって来た。
自分がいつも入るポイントでもチラホラとブーツを履いているサーファーを見掛る様になった。
実際に、水温はまだまだそれほど下がってはいないのだが、ビーチから海までの道のりを素足で歩くのは厳しい・・・
足を恐る恐る進ませていると「ブーツ、履こうかなぁ?」と思いたくなるものである。



 

さて、今日は先週のビッグウェンズデー絡みの話ではないのだが、劇中に登場する架空のサーフボードメーカーのモデルとなったジェイコブスのボードを紹介したいと思う。



 

1970年初期に海から離れたジェイコブスは、ある日、嘗ての愛弟子であったドナルド・タカヤマから声を掛けられたそうだ。
興味本位で訪れたジェイコブスにタカヤマは笑みを浮かべながら、そっとプレーナーを差し出したらしい・・・



 

その瞬間に職人ジェイコブスのハートに火が付き、再びシェイプ家業に戻る事が出来たそうだ。
しかし、当時のジェイコブスは自身が創業したブランドを手放してしまった為、愛着の菱形に己の名を刻み込んだ「ハップ・ジェイコブスサーフボード」をスタートさせる事となる。



 

90年代の半ばまでジェイコブスサーフボードのオーナーであったウェイン・リッチは、ジェイコブスの復活を歓迎し、本人に返還する訳だが、その過程において「ジェイコブス」の名を刻み込んだ2つのブランドが存在していた訳だから、考えみると面白時代だったのかも知れない。



 

ジェイコブスと言うと、タイラー・ハジキアンとマット・カルバーニと言う二人の弟子が有名なのだが、カリフォルニアに住む知人に聞いたところ、タイラーがジェイコブスの元でシェイプをしたいた時は、まだマットはブラシ関係の仕事していた様だ。
彼の話では、同じ時期にタイラーとマットが削っていた訳では無いとの事だった。



 

今日、紹介するボードはハップ・ジェイコブスサーフボードのクラシックモデルである。
この中途半端な?クラシックモデルというネーミングが時代を物語っている様に感じるには俺だけであろうか?

 

イメージ 1

ボード全体にはフラワーなデザインが施され、ご覧の様にノーズにはブロックが付く。

 

イメージ 2

そして、勿論、テールにもブロックが付く。

 

イメージ 3

画像では確認出来ないほど、薄らと入ったコンケーブが一際中途半端さを感じざる得ないのが印象的なボードだ。
フィンはウッドのグラスオンで、ジェイコブスのトレードマークでる菱形のデザインが汲み込まれている。

 

イメージ 4

ディケールは、さり気無くハップ・ジェイコブスサーフボード入り、クラシックを象徴したかのようなデザインになっている。

 

イメージ 5

肝心のジェイコブスのサインは・・・
残念ながら入ってはいない。
というのも、このボードがリリースされた時は、まだボードにサインを入れる習慣が無かった為だと推測出来る。
若しくは、ジェイコブスがシェイプしたのではなく・・・
その弟子である誰かが削った物ではないだろうか?



 

このボードには、ハンドシェイプならではの無骨さが随所に垣間見ることが出来る。
時代的にも削ったのは・・・タイラー?マット?
どちらにせよ、そんな事を思っているだけで楽しいじゃないか!



 

ベルジーと唯一肩を並べる事が出来る巨匠ジェイコブスのDNAを継承した二人の天才シェイパー・・・



 

長年、放置状態にあったのが久しぶりに乗ったら凄く乗りやすくて、サーフィンの楽しさを満喫させてくれた。
どちら削ったかは不明だが、ジェイコブスのディケールに恥じない素晴らしいボードでした。



 

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