ハーバーのバナナ | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

ブログを書く時に必ずと言って程、写真を見ながら文章を書く様にしている。
写真を見ながら「何を書こうかなぁ?」なんて、頭でイメージして書いているのだが、実は、その写真が最近撮れないでいる。



 

撮れない理由は簡単な事で、ガレージに併設しているボード置き場がヒッチャカメッチャカになっているからである。
なに、その気になれば大した事は無いのだが、残念ながらそれに集中する時間が無い。



 

流石の俺も、3メートル以上の代物には注意を払う訳で、3桁に及ぶボードの出し入れは容易ではない。
しかも、ここ最近は仕事上の付き合いのサーフィンが重なり、サーフギアをガレージに放り込んで仕事に戻る事が多かった為、ボード置き場の入口辺りから片付けが必要な程散らかっている有様である。
そんな訳で、撮影が進まずボードネタから遠ざかってしまっているのが本音である。



 

しかし、サーファーズの矢作社長から譲って頂いたライアン・バーチやジーン・クーパー等のボードは既に撮影済みであるが、流石に近々に手に入れたばかりのボードの為、この場で出すのも「どうかな?」と思い、今日はタイトルのボードにしてみた。



 

今回のボードは、つい最近、知人から「購入したけど全く肌に合わない」との事から格安で譲ってもらった物で、知人曰く、「余りにもロッカーが無さ過ぎた為、テイクオフが難し過ぎる・・・」、更に、「ボード自体が重すぎる」等の事から僅か数回のみの使用にも拘らず手放す決意をしたそうである。



 

知人的には手の焼くヴィンテージボードでも、俺にとってはコレクションが増えるに過ぎない為、増え過ぎたボードに歯止めを掛けたいと思いながらも、譲り受けた次第である。
そして、これがそのボードである。

 

イメージ 1

ハーバーのバナナである。
バナナはハーバーのトラッセルスペシャルと並ぶハーバーの代表的なボードで、1963年の誕生以来、数年に渡ってマイナーチェンジを繰り返し、ロングセラーとなったボードである。



 

ハーバーのバナナは1966年モデルが最も評価が高いと言われているのだが、確かにその通りかもしれない。
元々は、リッチ・クルーの専用モデルとしてリリースされたのだが、時のニーズに合わせて変化を繰り返す事によって多くのサーファーを魅了していったといわれている。



 

1966年にリリースされた通称66バナナ以降は、次第にマニューバーを描く事に特化させるべく、フィンやテール形状に変化を齎してあるのだが、全体的にアウトラインは1963年モデルと大きく変わっていないのが特徴ではないだろうか?



 

さて、またまた前置きが長くなってしまったが、今日紹介するボードはバナナの初期型に当たるボードで、1964年頃に製造されたボードと推測出来るのではいだろうか?
譲ってくれた知人は当初、このフィンの形状から「PIGだと思った!」らしいのだが、以前も書いた通り、ハーバーのPIGはベルジーとその弟子達によってOEMとして造られたものが多く、このボードに関してはアウトラインの形状がベルジーの物とは全く異なる事が判る。

 

イメージ 2

また、このボードは歴代のオーナーによって大改修が行われた為、ご覧の様なリーシュループが後から付けられている。

 

イメージ 3

ただ、ディケールから覗き込む事が出来る極太のストリンガーは、この時代ならではの贅沢な素材を使えた賜物である事は言うまでもない。

 

イメージ 4

そして、知人が手放す切っ掛けとなった重量感も半端ではない。
これも、度々書いている事だが、この重さは現代のボードに求めるのは無理である事から、「重い」と解っていても対応し切れないのが現状ではないだろうか?



 

当然ながらコンケーブは無いのだが、バナナはヴィンテージの中でも比較的ノーズロッカーがある方なので、この辺に関しては慣れればそれ程難しくないのではないだろうか?

 

イメージ 5

そういえば、ヴィンテージのノーズロッカーでちょっとした面白い話を聞いた事がある。
世話になっているサーフィン関係者が沢山のヴィンテージボードを所有していて、偶然海で出会った某プロサーファーに「ヴィンテージを乗って見せて欲しい」と頼んだそうだ。
その場には幾人かのメディアもいたらしく、「テイクオフに失敗した姿を撮られたくない」との事から断れらそうなのである。
因みに、その某プロサーファーは日本を代表する世界的にメジャーなサーファーだったそうである。



 

そう・・・
我々レベルならばパーリングしても「やっぱ、ヴィンテージって難しいね!」で済むだろうが、プロとなるとそうは行かないのであろう。
仮に、仲間内での出来事ならまだしも、メディアやギャラリーからシャッターを押されようものならば、スポンサーからのお叱りも受けるかもしれないと言う事なのだろう。
と言うよりは、自身のプライドの問題かな?



 

余談が過ぎたが、知人の頼みで今回はヴィンテージ・バナナを手に入れたが、実際にこれ以上のヴィンテージは「必要ないかな?」と最近つくづく思う様になった。
結局、サーフィンは楽しいに越したことは無い。
仮に、ヴィンテージを堪能する技量を持ち合わせていたら別なのだが、月に僅かしか海に向かう事を許されない俺の環境からすると「程々に拘ったヴィンテージ・レプリカ」が性に合っている様な気がする。



 

さて、来週は何とかガレージを片付けて撮影をすませ、別なボードを紹介出来ればと思っていますので、楽しみにして頂ければ幸いです。



 

Keep Surging!