ランスカーソンのシグネチャー | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

昔、自分が理想とするサーフボードの探求をする為に、様々なサイトへとネットサーフィンをしていた時代がある。
今から、15年くらい前の話だろうか?
検索のキーとして「ベルジー ロングボード ビンテージ グラスオン」の言葉を入力してみた。
そして、行き着いたのがデーブ・スウィートのサイトだった。

 


 
その頃のデーブ・スウィートのページには、こんなフレーズが出ていた。

 

ボランクロスを巻かなければいけない・・・
グラスオンでなければいけない・・・

 

正直、サーフィン関係のWEBサイトを見て、これほど感動したのは初めての事だった。
15年前と言えば、少しずつではあるがクラシックボードが見直され始めていた。
しかし、世のロングボードを取り巻く状況としては、まだまだFCSが圧倒的なシェアを締めていた。

 


 
にも拘らず、これだけの強い発言が出来たのは、1970年代初頭に姿を消したブランド再興への意思の強い表れだったのだ思う。
その後のデーブ・スウィートは、ボックスフィンはおろか、FCSまで導入する様になってしまい、俺の心を躍らせたコンセプトとは掛け離れてしまったのが残念でならない。

 


 
デーブ・スウィートの当時のコンセプトにあやかってと言う訳ではないのだが、上記の事から俺が思うクラシックボードの定義を考えてみた。
これは、あくまで俺の考えなので、ブログを見ていてくれている方には不快な思いをさせるかと思うが、ご容赦願いたい。

 

フォーム
USブランクで言う所のグリーンフォーム、クラシックフォーム
クロス  
10オンスボランの3層巻き以上、8オンスボラン3層巻きにデッキパッチ
フィン  
シングルフィン(オンフィンが望ましいが住宅事情もあるのでBOXでも可)
レール  
50/50(エッジは無し)
ボトム  
フラット&ラウンド(Vは×)

 

まぁ、こんな所であろうか?
要するに、乗り辛いボードと言う事である。
と言うのも、最近、ジーン・クーパーやロビー・キーガルのボードを連続して乗ったのだが、自分の技量を勘違いするほど乗りやすかったのだ。
乗りながら「俺はこんなに上手くない!」と自分に言い聞かせ無ければならないほどだった。

 


 
サーフィンは楽しいに越した事はない。
ただ、その考え方は人其々であって、マニューバーを描く事が楽しいと思う人もいれば、上手い下手に限らずマスターベーション的なボードでサーフィンをする楽しみもある。
勿論、俺は後者であって、ボードの性能に勘違いするくらいなら、アタフタとしていた方が良いと思っている方だ。

 


 
毎度の事ながら、何で今日はこんな前置きかと言うと、これまでランス・カーソンのボードを10本以上所有して来た経緯の中で、極端に造りがチープな物と猛烈に凝った造り込みをしているボードが存在していからである。



 

ランス・カーソンのボードは、最近でこそ、PIGやチップ等のラインナップが加わりボリュームが厚くなったが、それまではマシンシェイプのLC1~3のシリーズとシグネチャーしか存在しない時代があった。
シグネチャーは、専ら彼のハンドシェイプによる物であるのだが、1990年代の半ばから後半に掛けてのボードが少々お粗末な造り込みをしている様に思えてならないのだ。
と言うのも、この時代はクラシックボードであっても、ボードが軽い方が良いとされていた時代で、当時俺の所有していたランスのボードも異様に軽かったのだ。



 

まぁ、タカヤマのボードもそうであったし、あのオーレのPIGですらボラン巻で無かったのだから、時代がそういう時代であったのだろう。
だからこそ、デーブ・スウィートのコンセプトには感動したのだと思う。



 

ランスから話が反れてしまったが、改めてランス・カーソンのシグネチャーを紹介したいと思う。
その前に、こちらのボードを見て頂きたい。

 

イメージ 1

こちらは以前に紹介した同じくシグネチャーなのだが、今回のボードとは大きくアウトラインが異なる。

 

イメージ 2

これもハンドシェイプ故の事なのであろうか?
購入したのは2002年か?2003年位だったと思う。
確か、この時代は鎌倉のノーブランドがディーラーを辞めてしまった為、日本でランスのボードを購入する事が出来ずに、直接現地にオーダーをして造ってもらった。



 

ディケールは、ジェイコブス時代を彷彿させる菱形のディケールなのだが、このディケールは1975年から使い始めたディケールで、ランスの中ではノーマルのディケールとは、ちょっとした区別をしている様なのだ。
まぁ、俺的には、このディケールの形は、あくまでジェイコブスの物だと思っているので、オリジナルの三角形の方が好きなのだが・・・

 

イメージ 3

こちらはランスご自慢のキックテールによるテールエンドである。
今やランスのボードの代名詞とも言える、このピンテールの造り込みは流石である。

 

イメージ 4

造形的にはスクエアの方が好きなのだが、これを見せられたら「ピンテール最高!」と声を挙げてたくなってしまう程の出来栄えである。
そして、このフィンが何とも言えないくらい最高である!

 

イメージ 5

もう、言葉が見付からない!
ハーフムーンをベースに徐々にレイクを伴っている所などは、サーフボードが徐々にマニューバーを追い求めていった時代の産物である事が垣間見える。



 

今回は、意味の無い前置きが長くなってしまった為、この辺で終わりにさせて頂くが、いずれはバルサやビンテージを含めてランスのコレクションを一同に紹介できればと思っている。




 

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