ベルジー422 | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

これまで数多くのサーフボードを見て来たが、印象的なボードと言えば、間違いなくジェイコブスの422とゴードン&スミスのストレッチノーズだと思う。



 

422は、テール寄りに極端にシェイプされており、ストレッチノーズはノーズ部分がチョップされており、どちらも非常に特徴のある形をしている。
言うまでも無いが、この2本のボードを掛け合わせて、更にデビッド・ヌイーバーのノーズライダーの要素を取り組んだのが、タイラーのリドラーである。



 

1966年に発売された422は、ビンテージを除くと大きく分けて4つ存在すると俺は思っている。
先ずは、考案者のベルジーが自ら1990年代にリリースした422。
当然ながら、本家本元が復刻した訳だから、最もビンテージに近いアウトラインをしているのが特徴だ。



 

そんなベルジーが考案した422を1980年代後半から1990年代前半に掛けて、ウェイン・リッチが改良して次世代の422をリリースしている。
アウトラインは、ベルジーの422の様に極端にシェイプされる事はなく、自然なラインでシェイプされているのが特徴だ。
しかしながら、この時代の422にはスタビライザーがついており、ビンテージの422とは掛け離れた物となってしまっている。



 

その後に、ハップ・ジェイコブス・サーフボードを立ち上げたジェイコブス本人が、今度はウェイン・リッチの考案した422をベースに改良を加えリリースしている。
1990年代初期のジェイコブスは、422のみならず、1960年代当時のドナルド・タカヤマのシグネチャーモデルに自ら改良を加え、ポイントノーズという名のボードをリリースしていたりと、精力的にボードのリリースをしていたと言われている。



 

そして、現在、マット・カルヴァーニが、更に422に改良を加え、21世紀バージョンの422をリリースしている。
マットの422のアウトラインは、1990年代のアウトラインを持つ一方で、それまで薄らと入っていたコンケーブやアッシュテール等を深くを取り込み、ビンテージディティールを所々で汲み込んでいるのが特徴である。
俺の勝手な推測なのだが、多少なりとも、何処かで同門であるタイラーのリドラーを意識していたのかも知れない。



 

と、書いているうちに、またまた前置きが長くなってしまったが、今日はベルジーの422を紹介したいと思う。
2001年にオーダーをして、出来上がったのが2002年頃だったと記憶している。
そう、確か、1年近く待たされた様な思いがある。
何故か?ベルジーのボードは時間が掛かり、忘れた頃に出来上がって来たという印象が強い。



 

そうこうしている内に、また話がそれてしまいそうなので、早速ボードを紹介したいと思う。
ベルジーの422である。

 

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見ての通り、その造形はジェイコブスからリリースされている422とは、全く異なったアウトラインを持ち合わせている。
ノーズ寄りに422専用のディケールが付くところ等は、ジェイコブスと同様だが、本来、菱形のディケールが付く筈の部分には、オーバル型のベルジーディケールが付く所が俺は魅力だと思っている。

 

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ベルジーがシェイプしたのか?監修のみだったのか?は定かではないが、薄らと入るアッシュテール寄りに、サインが入っている。
また、この時代では珍しい?アブストラクトデザインにしてもらった。

 

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また、クロスの地の目を見て頂ければお分かりだと思うが、俺のカスタムボードにボランクロスは欠かす事は出来ないので、10オンスのボランを3層巻きにしてもらっている。
フィンも、当然ながらグラスオンフィンである!

 

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こうして、10数年も前のボードを引っ張り出してみると、基本的に俺のボードの好みって「変らないんだな」と、つくづく思ってしまう。
最後に、薄らと入ったコンケーブの画像を紹介しよう。

 

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今でこそ、深くガッチリと入ったコンケーブがクラシックの主流となっているが、実際には1990年代には、深いコンケーブは「不要」である事は誰の目から見ても明らかだったのだと思う。



 

残念ながら、ベルジーは2005年に他界してしまったが、ベルジーはサーフィン界の「ゴーギャン」だと言われているらしい。
近代サーフィンの父と謳われているデューク・カハナモクと唯一肩を並べる事が出来る人物を挙げるとしたら、俺はベルジーだと思っている。
ランス・カーソンが最高と言いながらも、バルサを始めとするベルジーのコレクションは、20本近くに及ぶ。
機会があれば、いずれ紹介したいと思っている。



 

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