シェイパーサイン | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

この前のブログでベルジーのシェイプの事を書こうと思って止めた訳だが、実は俺の友人がこのブログを見ていて「別に誰かを中傷している訳じゃないんだから、書いても良いじゃないの?」と、指摘をされた。



 

確かに、中傷している訳じゃない、「でも、どうなんだろう?」と悩んだのだが、まぁ、自分が好き勝手に書いているブログなんだから「良いかな?」と、急に思う様になり、今日はその辺の事を書いてみたいと思う。



 

そもそも、シェイパーのサインって、「どれだけ信憑性があるのか?」と、考えてみた。
もともと、1960年代のサーフボードにはシェイパーのサインなんて入っている事は無かった。
よく、ビンテージボードを扱っているWEBサイトで「○○シェイプ!」とか書いてあるけど、あれこそ「どうなんだろうかね?」と、思ってしまう。



 

だって、1964年~1966年のサーフボードの最盛期の時って、ジェイコブスの生産量は週に200本だよ!
それを一人でジェイコブスが削っていたと思う?
グレッグ・ノールだって、週に250本。
ウェーバーに至っては、週に300本だよ。



 

正直、誰が削ったかなんて判る筈も無いよね?
まぁ、シグネチャー・モデルは本人達の稼ぎに直結したので、誰がシェイプしたのかは判断が可能なんだけどね。
だから、1990年代にロングボードのリバイバルが日本でも起こった初期のボードにはサインなんて入っていない物が沢山あった。
だって、シェイパー達にサインをする習慣なんて無かったんだから。
でも、あるショップがボードに付加価値を付ける為に、サインを入れさせた所、これが大反響で、以来、徐々にボードにサインを入れる習慣が浸透して来て、やがてアメリカ本土にも波及した訳だ。



 

で、問題なのが、「シェイパー=シェイパーサインの主」かと言うと、残念ながらこれは違うね。
まず、ドナルド・タカヤマのボードを考えれば判ると思うんだけど、タカヤマが一人であんなに沢山のボードを削れたと思う?
無理だよね。
友人が俺のボードを削ってもらった時にタカヤマを尋ねた時には、目の前で削ってくれたんだけど、2000年前後の時代に彼は既に、一部の人にしかボードを削らなくなっているだよね。



 

だって、そうでしょう?
ブルース・グラント、ハンク・バイザック、トム・ワグナー等の大物シェイパー達がシャドーとして削っていても、サインは「タカヤマ」だった訳だからね。
それに、晩年は殆どトミー・マウスが削っていたんだし、マシーンシェイプのボードだって、物凄い数が流通している訳だよね。
でも、それが「偽物?」かと言うと、決してそうでは無い。
正真正銘の「ハワイアン・プロ・デザインズ」のオリジナルボードな訳で、その辺を誤解している人って意外に多いんじゃないだろうか?



 

タカヤマ以外にも、ベルジーなんかは孫が削ったりもしていたし、復活後のジェイコブスだって、タイラー・ハジキアンやマット・カルバーニなども削っていた。
マットなんかは、ランスの所でも修行していたからシグネチャー以外のLCシリーズなんかは削っていたかもしれないね。



 

だから、サーフボードのサインって、シェイプした人のサインと言うよりも、「監修」、「責任者」のサインと思った方が良いかも知れない。
最近では、ロビー・キーガルもサインを入れる様になったけど、一時は入れたりしなかったのは「クリーム(当時)は俺しか削らないんだ!」と言う概念からサインは入れてい無かったんだと思う。



 

その一方でヴィンテージボードにサインが入っていなかったからこそ、ランスカーソンも入れていなかったのだ思う。
確かに、ランスやマットはシリアルこそ入れるけど、滅多にボードにサインはしないもんね。
俺も、余りサインは執着が無いかも知れない。
サインよりも、むしろ、シェイパーと近い距離にいる事の方が大切なんじゃないかなぁ?



 

でも、ちょっとだけサインの入ったボードを紹介したいと思う。
先ず、これがタイラーのサインだね。

 

イメージ 1

殆どボードにはサインをしないみたいだけど、昔はしていたのかな?
それから、これがリッチ・ハーバー。

 

イメージ 2

ハーバーは正直な人で、シャドーが削ったモノには一切サインをしない主義だそうで、最近はメッキリ見かけなくなったね。
これはダノーだね。

 

イメージ 3

まぁ、最近の彼はこんな風な感じのサインが多いのかな?
一度会ってみたくて、コンタクトをずっととっているんだけど、まぁ、連絡の着かない男だねぇ。
こっちは、トム・ワグナーだね。

 

イメージ 4

最近ではフォーム系のボードは一切削らなくなった彼だけど、タカヤマの元から独立した直後はフォームばかりだったと聞いた事がある。



 

気付けば、またまた長文になってしまっていた。。。
最後までお付合い頂きましてありがとうございました。



 

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