ドナルド・タカヤマ

ドナルド・タカヤマ・・・
ロングボードに乗っている者ならば、この名を知らない人は居ない？と断言出来てしまうほど、メジャーなシェイパーである。
実際に、俺もドナルドのボードは７本ほど所有している。
ただ、人としては好きなのだが、シェイパーとしては「？」だったりする。。。

人として好きな理由は、今から15年位前の事・・・
ドナルドが、まだオーシャンサイドに居た時に、どうしても彼のボード欲しくて、アメリカに住んでいる知人にドナルドを尋ねてもらったのだ。
知人は、全くサーフィンとは無縁な人間なのだが、「自分の友人が貴方のサーフボードを欲しがっている」と、彼に直談判をしに行ってくれたのだ。
すると、ドナルドは笑顔でこう言ったそうだ。
「君の友人の身長と体重を教えてくれ・・・」と。

サーフィンの「サ」の字も知らない男にドナルドは普通に接してくれたのだ。
そして、「いついつにシェイプするから、見においで！」と、友人に言い伝え、シェイプを見せてくれたそうだ。
なんか、ドナルド・タカヤマと言う人間が妙に好きになった瞬間だった。
そういえば、以前、ブルース・グラントがこんな物を見せ付けて来た。

「これが、何か解るか？」
「これは、ドナルドから教えてもらったんだ」と、笑みを浮かべながら言って来た。

これは、ロッカーの角度を調整する為の道具で、ブルースがハンク・バイザック同様にドナルドのシャドウとして働いている時に伝授されたそうだ。
そう・・・ドナルドは、人としては良い奴なんだ。
でも、シェイパーとしては・・・・どうなんだろうか？
俺は、サーフィン業界の人間じゃ無いから、柵等も無いから、言っちゃうけど、彼のオリジナルデザインのボードって、「どれなの？」って、所がどうしても腑に落ちない。

名品、モデルＴにしても、元々のオリジナルはジェイコブスのマイク・パーパスモデルを当時のライダーだった、ジョエルが「乗りたい！」って事から、アレンジして生まれた物だし、ダブルエンダーやＰＩＧなんかは言うまでも無く、ベルジーだし、レッドフィンはピングとの共作だし・・・って、考えると、「彼の代表作って何なの？」って、思ってしまうんだ。
だから、腕は一流でもマイク・ヒンソンが採り入れたエッジやＶボトムとか、ジョイ・キャベルとミッキー・ムニョスが考案したノーズコンケーブみたいのがドナルドにないんだ。
そうなって来ると、彼の代表作って「イン・ザ・ピンク」？って感じなんだよね。

でも、クラシック思考の俺は「イン・ザ・ピンク」とかは好きじゃないので、やっぱり、ドナルドって「？」って、なっちゃうんだよね。
決して、ドナルドが駄目とかじゃないんだ。
彼ならではの「作品」が俺的に無いのが残念でならないんだよね。

ただ、ドナルドは本当に良い人だと思う。
それは、彼を知る様々な人に聞けば聞くほど、素晴らしい人だと解るからだ。
彼の事を悪く言う人はいない。
これが素晴らしい事だと思う。
ドナルドはサーフィン業界きっての成功者あるからこそ、若しかしたら？心の小さい俺が「アンチ巨人」みたいな感じになっているのかな？
だって、ドナルドのボードって、今まで乗ったボードの中で一番乗りやすいんだもん！