みなさまこんにちは、こんばんは。おじさんです。
今回はおじさんお気に入りのギターキャビネットIR（インパルス・レスポンス）を紹介します。
IRを使ったアンプシミュレーターはすでに数多く販売されており、内蔵IRだけでなくサードパーティ製IRをインポートして使えるモデルも少なくありません。
しかしながらアンプシミュレーター（またはマルチエフェクター）そのものに対するレビューや感想の数に対してそれに使われている（それで使うことが出来る）IRはあまり話題になっていないように思います。
特にライト層はIRが何かすら理解していないことが珍しくありません。
ギターサウンドはキャビネット（スピーカー）の種類・録音方法によって大きく変化します。
デジタル世界においてその役割を担うのがキャビネットIR。ギターレコーディングを行うのであればギター本体・アンプヘッドと同じく、IRもまたこだわりを持って吟味する必要があります。
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IRを選ぶ上で厄介なのが大手メーカーによって収録された有名スピーカーのIRだからといって良質とは限らないこと。
最終的には個人の好みによるとはいえ、過剰な空気感や鳴きの特性まで収録されているIRはあまり使いやすくありません。
そのためネームバリューや価格だけを参考にして買い漁るのは危険。無料サンプルや廉価版があるIRから調査を始めて行くのが無難です。
そうして色んなIRを試した結果、おじさんが現状最も気に入っているのが「York Audio」のIRです。
York Audioは2017年創業のブランド。創業者はステージ・スタジオギタリストのJustin York。
実売20ドル以下の安価なIRパックを多数リリースしています。
データ形式は44.1kHz・48kHz・96kHz（すべて500ms）のWAV。
「膨大なファイルを探すことで起こる"エクスプローラー疲れ"を防止したい」「IRローダーは読み込んだデータを自身で扱えるサイズに調節する」という理由から200msのIRはありません。
ファイル名は使用スピーカー・使用マイク・ポジションが分かるネーミングになっています。一方、マイク/スピーカー間の距離やサウンドの明暗といった特徴は明記されていません。
これはJustinの「スピーカーの小さなスポットにだけ注目するよりもスピーカー全体からスイートスポットを見つけることの方が理にかなっている」という考えによるもの。
例えばマイキング機能つきアンシミュを使っている人の中には「キャップから◯mm、グリルから◯mmがベスポジ」「"ブライト"な設定がベスト」的な考えを持っている人がいます。
そういう人はIRを選ぶ時も固執している距離やメーカーが定めた明暗だけを参考にしがち。
本来フレキシブルに選択しなければならない条件を自ら限定しているというわけです。
Justinは最低限の情報のみ示すことで「固執を防ぎ音色の選択幅を広げる」ことを促しているのです。
パック内IRデータは「Minimum」、Minimumの撥音タイミングを50サンプルほど遅くした「Natural」、複数のIRを混ぜた「Mix」という3カテゴリが用意されています。
基本的にはMinimumを使い、自然なニュアンスを得たかったり、位相問題を解決したい時などにNaturalを使うと良いとのこと（おじさんはMixを愛用）
York Audioの魅力は「無駄がなく、活力がある」IRという点。
ミキシングにおいて邪魔になる空気感はないし、アンプの魅力を削いでしまう細さもない。
エンジニアとスピーカーの名前ばかり立派で中身が伴っていないIRが多い中、York Audioは飛び抜けて素晴らしいIRを制作しています。
興味を持ってくれた人はまず「MES 212 V30-Limited」を買ってみて下さい。お値段はなんと1ドル！買って損したなんてことはまず有りえません。
ちなみに各IRのダウンロード期限は30日となっています。これはYork Audioが使っているWebサービスWIXのシステムがそうなっているから。
購入したらすぐにダウンロードして複数のストレージに保存しておきましょう。万が一データを紛失した場合はメールサポートまで連絡すれば再発行してくれるのでご安心を。
