こんにちは、こんばんは。おじさんです。
今回はひさびさに購入したヨーヨーリクリエーション製のヨーヨー「5ive(ファイブ)」のレビューです。
もーね、知り合いみんな買ってて。楽しそうで。なるべく事前情報入れないようにするの大変だったよ。
待ちに待ったヨーヨー、さっそくチェックしていきましょう。
yoyorecreation 5ive
直径:57mm
幅:20mm
重量:52.3g
ギャップ幅:4.5mm
アクセル:M4 12mm
ベアリング:サイズA
レスポンス:ファイブ専用サイズ(12x16mm)
(数値はすべて実測値)
5iveはプラスチック版インパクトといって差し支えのないフォルムのヨーヨーです(直径は1mm増)つや消しのボディがステキ。
全幅はインパクトと同じく20mm。ギャップ幅は約4.5mm。ボディがスラントしていないのでギャップ≒有効幅です(正確にはエッジのアール部分含めて5mm程度が有効幅)
軸周りには専用のコアパーツが採用されています。ベアリングシートはサイズAベアリングがある程度埋まる深さに設定されているのでお好みで汎用シムを追加することもできます。
ストリングに負担の掛からない薄めのブラスト。丁寧に成形されたネジ溝。美しい仕上がりです。
使用感レポート
見た目、仕様からも分かる通り5iveは競技向けトリックを対象としない引き戻しのヨーヨーです。
振ってみてまず感じるのは軌道の素直さと回転の力強さ。
薄いボディとハイウォールによって「投げブレ」が低減されまっすぐ、すとんと落ちていく。ディープステートやSB2などに通じる上品さです。
そして力強さ。中心にアルミコアを採用しているとはいえボディの大部分はPC。オイル入りベアリングの抵抗に負けず回る回転力が維持されています。軽量プラだと侮って強スローしないように。
レスポンス間ギャップの設定はきわめて適切。「ブレインツイスターを行うのに十分なすべり」と「グラビティプルやフォワードパスがきちんとできる戻り」が両立されています。
エッジRの設定がするどいおかげでループの反転も容易。総じてプレイフィールは上質であると断言できます。
最大の特徴であり、一部のプレイヤーにとってネックとなるのは有効幅の狭さ。前述の通り5mmほどしかありません。
細心の注意を払ってプレイしなければトラピーズはおろかブレインツイスターマウントですら失敗することもあるでしょう。
なぜそんな仕様のヨーヨーをリリースしたのか。その理由はこちらで語られています。
『スキルも年齢も分け隔てなく、みんなが同じことをして楽しむには、バインドヨーヨーのような遊び方の自由度が高いものではなく、あえて難しい技ができないようにゲームバランスを設けることが必要であることに気が付いた。』
『遊び方をデザインすること。それは、そのヨーヨーを使ってできるトリックを制限することだった。』
「ヨーヨーをデザインする」というと多くの人は幅広いトリックへの対応力や最新の設計思想に基づいた競技的なヨーヨーを目指します。
それもひとつの正解です。しかしながら、あくまで、ひとつ。
高度な方向だけでなく、ターゲットを絞ったデザイン、玩具としての要素を強めたデザインもまたアリなのです。
5年前、STEP3メタルウイングが発売した時に僕はSTEP3についてこう書きました。
『他の引き戻しメタルと比較して対応力がないように思われてしまうかもしれませんが、その幅の狭さこそがSTEP3最大の特徴です。』
『STEP3は「できるのはここまで」という線引きがしっかりしているんです。シングルマウントでギリギリ、ダブルオンはきつい。一度でも試せばSTEP3では難しいことがすぐに理解できます。』
『この線引きがあるからこそ無茶をしにくい。なまじっか対応力が高いとバインドヨーヨーに任せるレベルのトリックにも挑戦しがちになり、不慮のアクシデントに見舞われる危険性が増加します。』
「制限がある」ことを評価点として挙げたんです。
競技向けと比べて「劣っている」のではない。「役割を果たしている」のだ、と。
そういう考えを持っていたので5iveが発表されたときもすぐにこのヨーヨーの役割に気づきました。ただのシャレたヨーヨーではない。粗造された初心者モデルでもない。
最先端を知る者がその知見をもとにして、シンプルな遊びを提案するために作ったもの。5iveはまさしく「そういうヨーヨー」です。
子ども時代に触れたヨーヨー遊びをしたい人にも、競技ヨーヨーから始めた人にもフレッシュなプレイ体験を与えてくれるでしょう。
↑某芋がくれたストリングと。ストリングカラーコーデネートが捗るヨーヨーです。
おすすめのメンテナンス
最後におすすめのメンテ方法を紹介します。
・ストリングを短めにする
5iveのデフォストは結構長めです。ストリングが長いとたるみが発生しやすくなるのでストリングプレイの時に不慮のリターンの原因になります。
またルーピング時も回転力がつきすぎてしまったり。これを防ぐにはストリングを短めにするのが一番。
とりあえずデフォストと同じくらいの太さのストリングを「床からへそ上ゆび5本ぶん」くらいの長さにしてみてください。プレイフィールがだいぶ変わるかと思います。そこを基準にして長さ、太さのベストバランスを見つけましょう。
・シムを入れる
太めのストリングが好きで5iveでも同じストリングを使いたい場合、開けぽんだと戻りが強くなりすぎます。
そんなときは内径5mmのシムを入れてちょびっとだけギャップを広げてみましょう。0.1mmを1枚入れるだけでもけっこう違いが出ます。
「開けぽんで使うのが正道」というわけじゃありません。YYRから提案された遊びに自分のアレンジを加えるのもまた遊びです。5iveというフォーマットで自由に遊んでみてください。