なんだかんだよく使うもの
道具というものはファーストインプレッションが全てではありません。
使えば使うほどその正体が見えてくる。自分との相性がわかってくる。
「最初の印象はイマイチだったのにいつの間にかお気に入りの道具になっていた」みたいなパターン、みなさんも経験があるのではないでしょうか?
今回はそんな感じで僕のお気に入りと化したヨーヨーをいくつかざっくり紹介したいと思います。
価格が安いものを選んで紹介するので気になるものがあれば勢いで買ってみてください。
特にチョイ古な機種はいつか買おうなんて思っている内に手に入らなくなるかも・・・?
※通販リンクは現時点でプレ値になっていない商品のみ貼っています。
※思いつきで書いた記事なので写真がすごく適当です。あしからず。
マジックヨーヨー「M001サイレンサー」
2014-2015頃に発売されたフルサイズのモノメタルです(リム部分もアルミ)
回転力、動かしやすさともに平均的で突出したものは感じないのですが、その無難さがあまりに無難で見事にハマッてしまいました。
マジな話、使用頻度はかなり高いです。ホントにお気に入り。あまりヨーヨーを買いだめしない僕にしては珍しく未使用の予備までキープしてます。
僕が所持しているもの(たぶん初期ロット)はデフォ状態だと少し戻りが弱いのですが、スカって仕方がないというわけではないですしバインドを深く掛けすぎて噛ませてしまう初心者とは逆に相性がよいのではと思います。
1Aはもちろん3A用に2個そろえたい人、5A用に傷つけてもいいヨーヨーが欲しい人におすすめ。安いからといって性能が低いわけではないので安心して買ってください。
ちなみにフェイスには謎のねこがいます。よろしくおねがいします。
スピンギア「STEP3 メタルウイング」
コラボレビューで頂いたヨーヨー。小ぶりで少しずっしりとしたフィーリングが特徴的なメタル。
安定して動いてくれるので元々お気に入りだったのですが・・・
チタンアクセルを入れたらものすごく化けた。
初めて振った時、動かしやすさと回転力がブーストされたような感触にびっくりしました。
ストリングが伸び切った瞬間には指とヨーヨーの間のストリングに芯が通ったような感じもあって。素直に使いやすいヨーヨーです。
STEPシリーズだとこれが一番好き。ぜひバインド状態で使ってみてください。
とりあえず標準厚のYYF互換パッドと
なにか適当なサイズCを入れればバインドで使えます。アクセルも換えるとなおよし(M4, 10mm)
チタンアクセルに換えるとなおなおよし。
スアン「TIANZHIXUAN」
3つめにして在庫なしのヨーヨーで申し訳ないのですが・・・
http://spingear.jp/index.php?dispatch=products.view&product_id=2149
XUANのなんて読むのか分からないやつ。ティアンジスアン?
カオス系でまれによくある安っぽいアルミを使ったヨーヨー。ブラストの質感はチープ。回転力は可も不可もなし。スタックを外しても微ブレが残る。
しかしフィーリングは最高・・・
レスポンス周りに一段設けつつも少し高めなウォールはコントローラブルで、プレイヤーの言うことをよく聞いてくれます。24mmという長めのアクセルもフィーリングに好影響を与えているような気がします。
パッドサイズは14.5x20.0mm(ざっくり計測) デフォパッドはショボかったのでオルタナパッドGRIPを作って付けてあげました。
謎のカオス系として忘れられるのはあまりに惜しいヨーヨー。スピンギアさん実店舗やネストさんの中古が出た時はぜひ。僕と好みが近い人なら結構好きになれると思います。
ハイパーヨーヨー「スピードファルコン」
ウエイト搭載のボディとサイズCローエッジコアを持つ現代的な仕様のハイパークラスターです。
まずね、見た目がかっこいい。最高。限定版や賞品版も素敵ですが僕はこの緑が一番好きです。
次にベアリング。ボールベアリングだけでなくプラスチックベアリングにも対応してるんです。
これを取り付ければミッドシップウエイト搭載のトランスアクセルヨーヨーになります。たぶん唯一無二。トランスアクセルおじさん的に激アツな存在です。
難点は言い逃れできないレベルのブレがあること。僕含めブレも愛せる勢は許容してますがダメな人のほうが多いと思います。
原因は部品点数の多さと内臓リングウエイト。
ミッドシップはほぼ飾りでメインのウエイトはその下に隠れている鉄のCリング。タイガーシャークとかに入っているようなやつです。これが適当に取り付けられていることが大きなブレを生んでいると考えられます。
マジックヨーヨー「N6マジストレート」
マジックヨーヨー初期ラインナップのひとつ。マジストレートとは「行政長官」の意。なんでそんな名前なんでしょうね?
大きく飛び出たリム、ストレートとインバースが混在する多段ステップ。なかなか面白い形です。
動きによっては結構貧弱な印象も受けるヨーヨーなのですが、その小ぶりなボディと地味な動かしやすさに惹かれてしまって。もう7年くらい同じ個体を振り続けています。
T5 Plusの記事でも触れた通り古いマジックヨーヨーが装い新たに再リリースされているっぽいのでマジストレートもリメイクして欲しいです。
ヨーヨーファクトリー「ウィップ」
所有未所有を問わず今まで振ったことのあるYYFヨーヨーの中で一番のお気に入りがこのWHIPです。
間違いなく傑作プラヨーの一角だと思います。
相応の貧弱さは感じるものの重量に見合わぬ回転力があり、非常に軽快な操作フィーリングを持っています。ちょっとね、これはもうホントに買ってください。マジで。「今日はプラヨー振ってまったりすっか~」みたいな日がある人はホント買ってください。
ちなみに初期版はブロードサイズパッドなんですが後期版はYYFスリムサイズパッドに変更されています。たぶんいま通販で買うと後期版が届くんじゃないかなと思います。
僕はどちらかといえばブロード版が好き。つい先日も同好の士とブロード版の良さについて語りまくってました(本当に今は2020年なんでしょうか)
レスポンスの在庫的に使いやすいのはスリム版なのでみなさんはぜひそちらを。細かな差はあれどWHIP魂は感じられるはずです。
WHIPが総合的に優秀なのに対しONEはやや弱め。心に沁みるようなフィーリングではないし頼りなく感じる部分も多いです。
だがそれがいい…
プラヨーとしては少数派なミドルサイズという点もいい…
こういったヨーヨーはよく「縛りプレイ的な魅力がある」と言われます。低性能でどこまでやれるかを愉しむ、みたいな。僕もそういう風に魅力を紹介することがあります。
しかし魅力はそれだけじゃないんです。性能低めのヨーヨーはあまり無茶ができない。不慣れな技や難しい技がやりにくかったりする。
その要素が「だったらこいつで無理なくできる技だけやってればいいじゃん」という気持ちを生んでくれる。これはすごいことです。ヨーヨーの方から「あんま難しいことしなくていいよ~」と言ってくれてる感じ。技を作る際の方向性にも影響を与えてくれます。
そういう面においてONEはとても程よい存在です。ただ使いにくいわけではなく、一定の性能がある。バインドでちゃんと使える。
リワインドさんなどまだまだ在庫はつきないと思いますが気になる人はお早めに…
大きく薄いリムを搭載した金リム機種なのですが…これがめちゃくちゃ使いやすい…
61gの軽量ボディにリムを積んでいるせいかよく回るのに物々しさを感じない。大きめ柔らかめのアウディパッドによってバインド感も最高。
誤解を恐れずに言うと、ジャムを含めた各社金リムと比較してもかなり使いやすい部類に入るヨーヨーだと思います。タイアップ玩具として終わってしまったのは実に惜しい。惜しすぎる。アウディが無理ならどこかのメーカーで継続生産して欲しいくらい。
ダンカン「エコー2」
今回紹介する中では最も売値が高価な機種(セール除く)
これねぇ…微妙なんですよ、いろいろ。
フィンガースピン向けのフェイス形状にはなっているけれど飛び抜けて回しやすいわけではなく。
もともとそんなに回転が強くないのでグルーヴによるスリープロス軽減効果も感じにくい。
超ローエッジなので巻かれたストリングがバラつきやすく投げ出しに違和感を覚えることがある。
ほぼ全面がグルーヴなので一度でもぶつけてしまうと派手な打痕ができてしまう。修正もチョイむず。
そんなヨーヨーなんだけど…いい…
シーシックみたいな技で雑に動かしても他のヨーヨーより極端に傾かないし、回している間はヘンなクセも無くプレーンなフィーリングが楽しめる。傷つきやすさはネックだけど普段遣い用として結構持ち歩いてます。
どうもあまり人気がない?ヨーヨーっぽいので愛用者らしい愛用者は自分とよしばさんくらいしか思いつきません(DMでエコー2の良さを語ったりしてる) 愛用者仲間募集中。
ダンカン「プロZ」
ダンカンから発売された可変型ヨーヨー。
標準状態はループとストリングの両方に対応できるオールラウンド型。付属のモッドスペーサーとロングアクセルを取り付けることでバインド可能なHプロファイルヨーヨーに変形します。
これが出た時はもうほんとテンションあがりました。可変って。
ハイパードラゴンやハイパークラスターほどのバリエーションがない一方、実用性という面では大きく勝っている可変型。おもちゃ要素もある。そんなヨーヨーをダンカンが出した。ファンとしては嬉しいですよ。
生産終了したレスポンスを採用しているので消耗したら交換できないこと、締め込みすぎるとモッドスペーサーが割れてしまうことから現在だとちょっと勧めにくいヨーヨーではありますが、そのおもちゃっぽい質感とフィーリングはとっても素敵。
ヨーヨーのおもちゃとしての側面に魅力を感じている人は1個持っておいて損はありません。レスポンスがダメになったらZEST流シリコン充填で対応してください。スペーサーそのものがダメになったらオールラウンド状態で使いましょう。
オールラウンド状態のプロZは初心者のティーチング用として使うのにもってこいですし、アクセルを短くしてルーピング機種のスペーサーとベアリングを入れるとそこそこ遊べる2Aヨーヨーになります。プレイバリューのあるヨーヨーってことですね。
ダンカン「メタルレーサー」
トリを飾るのはこちら。ダンカンのメタルレーサー。2014年発売。
ローエッジで高回転なメタルが主流となった時代に突如現れた引き戻しのハイエッジヨーヨー。
現時点で僕が一番好きなダンカンメタルはコイツです。
適度な回転力の弱さ、軽快なフィーリング、シンプルなウォール、シムでギャップ調整可能なベアリング周り、直線と曲線が共存するデザイン。
どこをとってもしっくりくる。
何か目的があってヨーヨーする時にレーサーを選ぶことはないけれど、何の気なしに遊ぶ時には最高の相棒。
たぶん僕が世界で一番たくさんメタルレーサーを振ってると思います。そんな謎の自負を持つほど付き合いが深いヨーヨーなんです。
さてそんなメタルレーサー、安いヨーヨーらしい欠点も持っています。
ベアリングロックが硬いんです。特に一般流通版(以前レビューしてない方)は着脱の度に金属粉が出る個体がけっこうあります。
そのうえ脆いらしく、日本でひとり、海外だとふたりの友達がレーサーのベアリングロックを壊しています。ベアリングを抜こうとしたら千切れちゃったんだって。
僕はメンテオタクなのでそのあたり特に心配していませんがこれからレーサーを買う人はZESTの記事などを読んできちんとしたケアをしながら運用してみて欲しいです。
僕おすすめのメンテは0.6mm厚のシム(両面)とセンタートラックの組み合わせ。色々試行錯誤した結果これに落ち着きました。
相棒はどこにいるかわからない
以上、僕の普段遣いヨーヨーの中から安め古めなものを紹介してみました。みんながピンとくるヨーヨーはあったかな?
ヨーヨーにはそれぞれ個性があります。どこかの誰かが悪く言っていても、全く話題になっていなくても、そいつがあなたにとって良き相棒になる可能性はゼロでありません。気になったヨーヨーがあれば無理のない範囲で集めて試してみることをおすすめします。
最近は身を削って集めている人も少なくないようだけど、ほどほどにね!(20年分のヨーヨーの山を見ながら)