便失禁。
それは、自分の意思によらず、便が漏れてしまうという症状。
外出が困難になるだけではなく、
精神的な負担も増加
と、著しく生活の質の低下を招いてしまう病気。
悩みを打ち明けられず、受診をためらう人も多いという。
そして、実は便失禁は高齢者だけではなく、
出産後の女性など若い人でも悩んでいるケースもあるそう。
便失禁の原因
出産時に肛門括約筋が切れた場合、
産婦人科医が修復し便失禁があってもほとんどが1年以内に回復するといいますが、
ごく一般的な経腟分娩の場合(帝王切開などでない場合)で、出産時の肛門括約筋損傷の発生率は約30%と高率です。
そのほか、痔の悪化や、
大腸がんの手術で肛門や直腸の形が変わることで便が漏れることがあります。
また、過敏性腸症候群というストレスなどが原因で下痢を繰り返す病気や糖尿病などでは、
腸のぜん動運動や便を感じる神経が障害されるため便失禁になることもあります。
生活改善と薬による治療
便失禁の原因になる病気が確認できない場合は、食事・生活・排便習慣指導と、薬による治療を行います。
まず、
食物繊維をとることで便の状態をよくする、
アルコールやカフェインなど下痢の原因となる飲み物を控える、
外出前や就寝前などに排便しておく
など、日ごろの生活を改善していきます。
薬では、ポリカルボフィルカルシウムという高分子ポリマーを含む薬には、腸の中で水分を吸って膨らみ、下痢を防いだり、便を固形化したりする働きがあります。
またロペラミド塩酸塩は下痢止めの薬です。
こうした生活習慣を変えることで半数近い患者さんに改善が見られ、
薬による治療では9割近くの患者さんに改善が見られたという報告があります。
より専門的な治療
肛門内圧・直腸感覚検査などの専門的な検査で、直腸と肛門の機能を測定し、重症度を調べます。
検査結果に応じて、肛門括約筋(こうもんかつやくきん)を鍛える訓練や逆行性洗腸法など、専門的な治療を行っていきます。
肛門括約筋の訓練や逆行性洗腸法などを行っても症状が改善しない場合は、仙骨神経刺激療法という新しい治療法が行われます。
背骨の一番下にある、仙骨から出ている「仙骨神経」に電気刺激を送ることにより、
肛門括約筋の動きや直腸の知覚などを回復させることができ、便失禁を抑えることが可能になるのです。
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参考文献