筋肉量アップが豆乳コップ1杯・納豆1パックでできる!? | 最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

病院で健康相談を担当するベジタリアン栄養学博士が科学的根拠を基に栄養学と医学的トピックをお知らせします。
みなさまの健康への一歩を応援します。

痩せるために筋肉をつけて代謝をアップ、とか

寝たきり予防のため、筋肉をつけなきゃ、

 

など筋肉をつけたい方はたくさんいます。

 

 5402人を被験者としたメタ解析によると、

 

1日あたり0.1g/kg体重のタンパク質摂取量増やすごとに、

 

除脂肪体重(体脂肪以外の、筋肉や骨、内臓などの総重量)が

 

 

総タンパク質摂取量が少ない(<1.3g/kg体重/日)場合

平均0.39kg除脂肪体重が増え

 

一方、総タンパク質摂取量が多い(>1.3g/kg体重/日)場合では

平均0.12kg除脂肪体重が増える、

 

というのです。

  

【筋肉を増やすためのタンパク質量】

 

具体的にいうと、 

 

体重50kgの場合、

 

体重50kg×0.1g/kg体重=5g

(体重70kgなら、体重70kg×0.1g/kg体重=7g) のタンパク質を1日あたり増やせばよい、という事です。

 

これは、

 

コップ1杯の豆乳や牛乳、

納豆1パック、

卵1個

 

に含まれるタンパク質量にあたります。

 

これだけのタンパク質でも

今までより増やせば、除脂肪体重、ひいては筋肉量が、増える可能性がある、というのです。

 

*ベジタリアン・ヴィーガンのタンパク質供給源とタンパク質含有量については、こちらの記事をご覧ください。

 

 

【1日に摂る総タンパク質量別、除脂肪体重が増える量】

 

また、1日に摂るタンパク質量の合計が、体重50kgの場合、

 

体重50kg×1.3g/kg体重/日=65g 

(体重70kgなら、体重70kg×1.3g/kg体重/日=91g

 

より少なければ、平均0.39kg/日の除脂肪体重が増え、

 

      多ければ、平均0.12kg/日の除脂肪体重が増えるということです。

 

 

ここではタンパク質が多いと、除脂肪体重の増加が約1/3と効率が悪くなるということを言っています。が、

 

筋力トレーニングをするとこの効率低下が抑制される、というのです。

 

ですので、タンパク質をたくさん摂っている人は筋力トレーニングをして除脂肪体重を効率よく増やしましょう

 

 

 

さらに、数ヶ月間 総タンパク質摂取量を0.5〜3.5g/kg体重/日の範囲で増やすと、その分、除脂肪体重が増加した、ということです。

 

しかも、0.1g/kg体重のタンパク質摂取量だけのタンパク質を摂れば、運動しなくても筋肉量を維持、増加に効果的である、というのです。

 

ただし、過剰なタンパク質摂取は

・妊娠中だと低出生体重児のリスクが高くなる

・軽度腎不全者の腎機能低下

・中年でがん死亡率のリスクが高くなる

 

ことに関係しているので、ご注意を。

 

高齢者は必ず肉を食べなきゃいけない!?そうではないことが以下の記事に書かれています。

 

 

 

参考文献

「タンパク質摂取量と筋肉量増加の間の容量反応関係:無作為化比較試験の系統的レビューとメタ解析」 栄養学レビュー2021SUMMER p340〜351