痩せるために筋肉をつけて代謝をアップ、とか
寝たきり予防のため、筋肉をつけなきゃ、
など筋肉をつけたい方はたくさんいます。
5402人を被験者としたメタ解析によると、
1日あたり0.1g/kg体重のタンパク質摂取量増やすごとに、
除脂肪体重(体脂肪以外の、筋肉や骨、内臓などの総重量)が
総タンパク質摂取量が少ない(<1.3g/kg体重/日)場合
平均0.39kg除脂肪体重が増え
一方、総タンパク質摂取量が多い(>1.3g/kg体重/日)場合では
平均0.12kg除脂肪体重が増える、
というのです。
【筋肉を増やすためのタンパク質量】
具体的にいうと、
体重50kgの場合、
体重50kg×0.1g/kg体重=5g
(体重70kgなら、体重70kg×0.1g/kg体重=7g) のタンパク質を1日あたり増やせばよい、という事です。
これは、
コップ1杯の豆乳や牛乳、
納豆1パック、
卵1個
に含まれるタンパク質量にあたります。
これだけのタンパク質でも
今までより増やせば、除脂肪体重、ひいては筋肉量が、増える可能性がある、というのです。
*ベジタリアン・ヴィーガンのタンパク質供給源とタンパク質含有量については、こちらの記事をご覧ください。
【1日に摂る総タンパク質量別、除脂肪体重が増える量】
また、1日に摂るタンパク質量の合計が、体重50kgの場合、
体重50kg×1.3g/kg体重/日=65g
(体重70kgなら、体重70kg×1.3g/kg体重/日=91g)
より少なければ、平均0.39kg/日の除脂肪体重が増え、
多ければ、平均0.12kg/日の除脂肪体重が増えるということです。
ここではタンパク質が多いと、除脂肪体重の増加が約1/3と効率が悪くなるということを言っています。が、
筋力トレーニングをするとこの効率低下が抑制される、というのです。
ですので、タンパク質をたくさん摂っている人は筋力トレーニングをして除脂肪体重を効率よく増やしましょう。
さらに、数ヶ月間 総タンパク質摂取量を0.5〜3.5g/kg体重/日の範囲で増やすと、その分、除脂肪体重が増加した、ということです。
しかも、0.1g/kg体重のタンパク質摂取量だけのタンパク質を摂れば、運動しなくても筋肉量を維持、増加に効果的である、というのです。
ただし、過剰なタンパク質摂取は
・妊娠中だと低出生体重児のリスクが高くなる
・軽度腎不全者の腎機能低下
・中年でがん死亡率のリスクが高くなる
ことに関係しているので、ご注意を。
高齢者は必ず肉を食べなきゃいけない!?そうではないことが以下の記事に書かれています。
参考文献
「タンパク質摂取量と筋肉量増加の間の容量反応関係:無作為化比較試験の系統的レビューとメタ解析」 栄養学レビュー2021SUMMER p340〜351