乳がんを患ったことのある人が、「大豆は女性ホルモンの様な働きをする大豆イソフラボンを含むから食べない方が良い」、と聞いて食べるのを控えてる、と聞きました。
同様に思っている方がいるのかもしれませんが
総勢約33万人の被験者を含む23の大規模研究を分析した結果、
エストロゲン受容体陰性乳がん(がん細胞が持つ遺伝子の特徴により乳がんのタイプが分類されるサブタイプの一つ)*1の人では、大豆イソフラボンを摂る事と乳がんによる死亡率とに負の関連が見られた、つまり陰性タイプの人は大豆イソフラボンを摂った方が死亡率が低くなる、という研究報告がでています。
また、大豆イソフラボンを10mg/日より多く摂る人は、乳がんで亡くなる危険性が9%低下し、大豆タンパク質を5g/日多く摂る人は乳がんの死亡率が12%下がる事がわかった、という事です。
エストロゲン受容体陰性乳がんの予防に大豆は良いみたいですね
ところで、大豆食品のたんぱく質量は(日本食品標準成分表2020年版)
大豆イソフラボンの平均含有量(㎎/100g)は
例えば、
大豆 140.4
豆腐 20.3
納豆 73.5
豆乳 24.8
みそ 49.7
しょうゆ 0.9
そのほかの食品など詳細は、以下の厚生労働省のサイト問5に記載されています。
そして、問8には、
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日本人は、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」について、日常の食生活における長い食経験があり、これらの大豆食品を食べることによる大豆イソフラボンの健康への有害な影響が提起されたことはなく、心配する必要はありません。 |
一般的に、サプリでなく、食品から摂る大豆イソフラボンを心配する必要はないようです。
*1 乳がんのタイプについては、以下のサイトの『乳がんのサブタイプ』を参照してください。
Soy, soy isoflavones, and protein intake in relation to mortality from all causes, cancers, and cardiovascular diseases: a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics. 2019; 1483-1500