人生の最初のテーマはダルマ（法、正義）です。
ダルマはヨーガの基盤となるものです。
『バガヴァドギーター』では、ダルマ（正義、法）に則した行為を成せと説きます。
स्वधर्ममपि चावेक्ष्य न विकम्पितुमर्हसि।
धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयोऽन्यत्क्षत्रियस्य न विद्यते॥ २-३१॥
sva-dharmam api cāvekṣya na vikam pitum arhasi |
dharmyāddhi yuddhāc chreyo'nyat kṣatriyasya na vidyate ||
「また、自分のダルマを考えしても、ためらうべきではない。
クシャトリャにとって、ダルマに基づく戦いに勝るものはない」（2-31）
अथ चेत्त्वमिमं धर्म्यं संग्रामं न करिष्यसि।ततः ।
स्वधर्मं कीर्तिं च हित्वा पापमवाप्स्यसि॥ २-३३॥
atha cettvam imaṃ dharmyaṃ saṃgrāmaṃ na kariṣyasi |
tataḥ sva-dharmaṃ kīrtiṃ ca hitvā pāpam avāpsyasi || 2-33||
「もしあなたが、このダルマに基づく戦いを行わなければ、
自己のダルマと名誉を失い、罪悪を得るだろう」（2-33）
अकीर्तिं चापि भूतानि कथयिष्यन्ति तेऽव्ययाम्।
सम्भावितस्य चाकीर्तिर्मरणादतिरिच्यते॥ २-३४॥
akīrtiṃ cāpi bhūtāni kathayiṣyanti te'vyayām |
sambhāvitasya cākīrtirmaraṇādatiricyate ||
「人々はあなたの不名誉を永遠に語るであろう。
そして尊敬されいた人にとって、不名誉は死よりもみじめである」（2-34）
भयाद्रणादुपरतं मंस्यन्ते त्वां महारथाः।
येषां च त्वं बहुमतो भूत्वा यास्यसि लाघवम्॥ २-३५॥
bhayādraṇāduparataṃ maṃsyante tvāṃ mahārathāḥ |
yeṣāṃ ca tvaṃ bahumato bhūtvā yāsyasi lāghavam || 2-35||
「勇士たちは、あなたが恐怖から戦いをやめたと思うであろう。
あなたは彼らに敬われていたのに、軽蔑されることになろう」（2-35）
अवाच्यवादांश्च बहून्वदिष्यन्ति तवाहिताः।
निन्दन्तस्तव सामर्थ्यं ततो दुःखतरं नु किम्॥ २-३६॥
avācyavādāṃśca bahūnvadiṣyanti tavāhitāḥ |
nindantastava sāmarthyaṃ tato duḥkhataraṃ nu kim ||
「またあなたの敵は、語るべきでない多くのことを語るであろう。
あなたの能力をあざ笑いながら。これほどの苦しみがあろうか」（2-36）
हतो वा प्राप्स्यसि स्वर्गं जित्वा वा भोक्ष्यसे महीम्।
तस्मादुत्तिष्ठ कौन्तेय युद्धाय कृतनिश्चयः॥ २-३७॥
hato vā prāpsyasi svargaṃ jitvā vā bhokṣyase mahīm |
tasmāduttiṣṭha kaunteya yuddhāya kṛtaniś cayaḥ ||
「あなたは殺されれば天界を得、勝利すれば地上を享受するだろう。
それゆえ、クンティーの子よ、立ち上がれ。闘う決意をして」（2-37）
सुखदुःखे समे कृत्वा लाभालाभौ जयाजयौ।
ततो युद्धाय युज्यस्व नैवं पापमवाप्स्यसि॥ २-३८॥
sukhaduḥkhe same kṛtvā lābhālābhau jayājayau |
tato yuddhāya yujyasva naivaṁ pāpamavāpsyasi ||
「喜びや悲しみ、利益や損失、勝利や敗北を同等のものとみて、
戦いの準備をせよ。そうすれば罪悪を得ることはない」（2-38）
行動の正当性を決める際に、
それが正義か悪か、善か罪かを第一に考慮すべきです。
まずその行動が絶対に罪にならないかを確認すること。
結果の損得は二番目であり、
アルジュナが叡智に立脚して戦いに臨めば、
罪を犯すことにはならない。
ヒンズーの人生の四大目的の最初がダルマです。
その上に、アルタ（物質的豊かさ）とカーマ（精神的満足）があり、
最後にモークシャ（解脱、悟り）があります。
ダルマにもとづかない場合、真の物質的、精神的豊かさはありません。
解脱を得ることもなくなります。
ダルマはドゥル、つまり「支える」という動詞に由来します。
ダルマは宇宙を支えるものであり、
宇宙法です。
ダルマは社会的には正義です。
本来、正義が社会を支えるものです。
ダルマは個人的には徳です。
本来、徳が人を支えるものです。
アメリカ大統領選挙を見ていると
ダルマとアダルマ（不正）の対峙です。
世界のあらゆるレベルで不正が正当化されます。
アダルマが正当化されることになります。
ダルマに即したあり方とは、
正義であり、善であり、善行です。
ヤマ、ニヤマに反しない行為です。
ダルマは自然の法でもあります。
自然の法は生命を支持する力を持ちます。
バガヴァドギーターでは、
ダルマに従って行為せよ、
と説きます。
まだまだ、大きなことが起こりそうですが、
このような事態から脱却する道は、
少なくとも人口の1％が目覚めることです。
ダルマの源、純粋意識に目覚めることです。
不正には注意深くあることです。
今の私たちは次の世代の自由を守る必要があります。
私たちに何ができるでしょうか？
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