そもそも、欲という言葉の意味はどのようなものでしょうか。
日本語の欲には、「欲しがる、願う、むさぼる、~したいと思う、~しようとする」(願望、欲求、貪欲、欲望)、また、「満たされることを求める心」という意味があります。
漢字の「欲」は、谷(あながあいている)と欠(かけている)とを合わせた字。心の中に穴が空いたように物足りないので、それを埋めたいと思う気持ちを表す。(藤堂明保編「例解学習漢字辞典」)
「欠は、欠伸(あくび)で気が疲れ乏しくなる様を示す。乏しければ何物かを得ようと願う。谷は音符」(講談社新大字典)
※参考
英語では、greed(貪欲、欲張り), want(必要、欠乏)です。
欲の対象には、物理的、心理的、生理的、精神的など。欲のつく言葉は数多くあります。
財欲、物欲、食欲、色欲、肉欲、性欲、情欲、愛欲、邪欲、私欲、我欲、利欲、獣欲、渇欲、強欲、貪欲、嗜欲、胴欲、禁欲、制欲、無欲、節欲、寡欲など。
一度、見たり、味わったりと、五感で経験し幸福、心地よさ、満足、喜びを感じた体験をすると、それをもう一度得たいという欲が生まれます。
それが手に入ると、今度はそのものに愛着や執着が生まれます。
欲しいものが手に入らないと、何としても手に入れたいという強い欲が生まれます。愛着や執着は固定観念やそれを失いたくないという気持ちにも発展します。思いどおりにならないと、怒り、不安、悲しみ、あるいは執念が生まれます。
欲を抱くことには自体には善い悪いはありません。むしろ、何かを欲することは生きていくための基本的な本能です。特に、食欲、睡眠欲、性欲など生理的欲求はそうです。
欲が善いか悪いかは、その目的、対象、手に入れる手段、手に入れる過程や結果が自分と人や社会にどのような影響をもたらすか、また、手に入れた後の心の在り方がどうなのかが問題となります。
仏教では、六欲や五欲........................
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