百貨店大手の高島屋は平成24年春に入社する新卒者の採用活動で、若手社員が出身大学の後輩に入社を働きかける「リクルーター制度」を7年春向けの採用活動以来、17年ぶりに復活させる。優秀な人材を厳選して採用するためには、学生からの応募を待つだけでなく、会社から働きかける必要があると判断した。トヨタ自動車も8年ぶりの導入を決めていて、企業に導入の動きが広がりそうだ。一方で就職氷河期といわれる厳しい就職活動が、一段と厳しくなる可能性がある。
高島屋は入社2~6年目の社員44人をリクルーターに任命。出身大学を中心に有望な人材を発掘し、入社試験を受けるよう働きかける。学生が内定を得られる保証はないが、会社側はリクルーターの報告を採用の判断の参考とするため、有利になる可能性はある。
高島屋が発掘を目指すのは主に、海外事業やIT関連事業などで戦力になる人材。国内の百貨店市場が頭打ちとなる中、新たな収益事業の開拓と拡大のため、戦力を補強する。24年春に想定している70人程度の採用枠のうちの半分程度をこの制度を通じて発掘した人材を割り当てる方針だ。
リクルーターの復活機運が高まっている背景には、会社が求める人材の確保が難しくなっている事情がある。企業の採用活動に詳しいエコノミストは、「大手企業の多くは、新しい時代に対応するため、特徴のある人材を求めている。応募者一人一人を見極め的確に選び出すのは難しくなっていて、従来型の成績本位の採用では、限界があることから、人材発掘の見直しが進んでいる」という。
今春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年10月1日時点で過去最低の57・6%。大手企業には応募が殺到しているが、エコノミストは「企業にとってはそれだけ選抜に手間と時間がかかることになる。企業にはますます効率の高い採用システムが必要となっている」と指摘する。
企業による人材発掘の取り組みは今後加速する可能性が高い。一方で、企業からの接触がない多くの学生は一段と厳しい就職活動が強いられそうで、支援制度の一層の充実が求められる。(産経新聞)
→「とりあえずエントリー」が蔓延する今の新卒市場を反映する企業側のうごきですね。私が新卒のころはこのリクルーター制度が花盛りでした。このうごきが活性化すると、次はこの「リクルーター」の活動を支援するサイトやサービスがでてきても不思議はないですね。
大学新卒者の就職活動の長期化が問題となっていることに対応し、日本経団連は6日、会社説明会など企業による学生への「広報活動」の開始時期を3年生の12月1日以降とする指針を定める方針を固めた。
それ以前は大学が実施する就職セミナーなどへの参加も自粛する。また、面接など実際の選考活動の開始時期も「大学4年生の4月以降」とする方向だ。13年春入社の学生から適用する。
経団連はこれらの方針を企業の新卒採用の指針となる「倫理憲章」に明記し、会員企業に順守を求める。
経団連の現在の倫理憲章は、新卒採用に関する企業の広報活動について、開始時期を定めていない。このため、多くの企業は大学3年生の10月ごろから専用のホームページで学生の登録を受け付けている。
企業による面接などの実際の選考活動も時期が早まる傾向にあり、就職活動の長期化が「学業の妨げになっている」との批判が出ている。
このため、経団連では、新卒採用に関する広報活動を大学が冬休みに入る3年生の12月以降とするとともに、面接などは「最終学年(大学4年生)の4月以降」との指針を明示することにした。
倫理憲章には強制力はないが、大手メーカー幹部は「指針ができれば、破った企業は世論の批判を受ける可能性がある」と話しており、新卒採用活動の長期化に一定の歯止めをかける効果はありそうだ。(毎日新聞)
今は10月1日が事実上の解禁日ですから、2ヶ月だけ後ろ倒しにするってことですね。
「学業の妨げになっている」とのことですが、それほど学業に熱心でないはずの多くの日本人大学生にとって、この2ヶ月間の後ろ倒しはありがた迷惑のような気がします。
そもそもアメリカでは新卒採用という概念がありません。インターンシップなどのOJTを通じて社会に参加することで、即戦力化を目指すのが一般的な考え方。それ以前に学生たちは学部選びにも就職を意識しています。逆算すると高校生の頃から5年後、6年後の社会人生活を意識していることになりますね。
日本の新卒採用は景気が回復しても過去のように積極的になることはないでしょう。学生は数ヶ月のことに一喜一憂するずっと以前に自分自身の社会での方向性を意識する必要がありますね。先生方はそれを動機付けることが高等教育の大きなテーマでしょう。そして、受け入れ側の企業はより積極的なインターンなどを活用して、本当の意味での仕事力を見極めるような仕組みを用意してあげることも大切だと思います。
それ以前は大学が実施する就職セミナーなどへの参加も自粛する。また、面接など実際の選考活動の開始時期も「大学4年生の4月以降」とする方向だ。13年春入社の学生から適用する。
経団連はこれらの方針を企業の新卒採用の指針となる「倫理憲章」に明記し、会員企業に順守を求める。
経団連の現在の倫理憲章は、新卒採用に関する企業の広報活動について、開始時期を定めていない。このため、多くの企業は大学3年生の10月ごろから専用のホームページで学生の登録を受け付けている。
企業による面接などの実際の選考活動も時期が早まる傾向にあり、就職活動の長期化が「学業の妨げになっている」との批判が出ている。
このため、経団連では、新卒採用に関する広報活動を大学が冬休みに入る3年生の12月以降とするとともに、面接などは「最終学年(大学4年生)の4月以降」との指針を明示することにした。
倫理憲章には強制力はないが、大手メーカー幹部は「指針ができれば、破った企業は世論の批判を受ける可能性がある」と話しており、新卒採用活動の長期化に一定の歯止めをかける効果はありそうだ。(毎日新聞)
今は10月1日が事実上の解禁日ですから、2ヶ月だけ後ろ倒しにするってことですね。
「学業の妨げになっている」とのことですが、それほど学業に熱心でないはずの多くの日本人大学生にとって、この2ヶ月間の後ろ倒しはありがた迷惑のような気がします。
そもそもアメリカでは新卒採用という概念がありません。インターンシップなどのOJTを通じて社会に参加することで、即戦力化を目指すのが一般的な考え方。それ以前に学生たちは学部選びにも就職を意識しています。逆算すると高校生の頃から5年後、6年後の社会人生活を意識していることになりますね。
日本の新卒採用は景気が回復しても過去のように積極的になることはないでしょう。学生は数ヶ月のことに一喜一憂するずっと以前に自分自身の社会での方向性を意識する必要がありますね。先生方はそれを動機付けることが高等教育の大きなテーマでしょう。そして、受け入れ側の企業はより積極的なインターンなどを活用して、本当の意味での仕事力を見極めるような仕組みを用意してあげることも大切だと思います。
トヨタ自動車は4月1日付で入社する約400人の「業務職」(一般職に相当)を同社に勤務する派遣社員から優先的に採用する方針を明らかにした。「雇用の安定」を掲げる民主党政権は労働者派遣の適正化に向けた監督を強化しており、産業界では派遣社員の活用範囲を見直す動きが広がっている。トヨタの判断は他社の人事戦略にも影響を与えそうだ。
トヨタは今回、2年ぶりの業務職採用にあたり、同社に勤務する1700人(2010年9月時点)の事務系派遣社員の中から優先的に希望者を募ることにした。「既に当社で働いている派遣社員であれば働き方や企業理念をよく理解しているため」(同社)で、予定数に満たなかった場合は一般からの募集も検討する。
今回の正社員化の対象はオフィス機器の操作などに従事する「専門26業務」と呼ばれる派遣社員。業務内容が正社員を代替する恐れが少ないため例外的に派遣期間の制限(原則最長3年)を受けないが、専門外の業務に従事させることはできない。
ただし、トヨタの職場では合理化に伴い各社員の業務が複雑化し、これまで派遣社員が担っていた業務についても「専門性にとらわれないケースが増えている」という。従事可能な業務に制限がある派遣社員では、こうした業務内容の変化に対応しにくくなっていた。
連合を最大の支持母体とする民主党政権は、派遣期間の制限を免れるために専門26業務を装う違法派遣が散見されるとして、昨年2月から全国の労働局を通じて企業に対する監督・指導を強化している。こうした当局の姿勢も、産業界で派遣社員を正社員化する流れにつながっているようだ。
自動車業界ではトヨタ以外にも、日産自動車も昨年10月から事務系の派遣社員を順次、契約社員に切り替えている。契約期間は最長2年11カ月。同社は09年に東京労働局から労働者派遣法に違反したとして是正指導を受けており、直接雇用することで従業員の管理を徹底する考えだ。
また、民主党政権は仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」や、「製造業派遣」の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法改正案の成立を目指している。同法案が成立した場合には、企業は派遣社員の活用についてさらなる見直しを迫られそうだ。(1/5 日本経済新聞)
一つ前とは対照的な記事ですね。
記事にあるとおり既に多くの企業で直接雇用への切替えが進んでいますが、その多くが契約社員を中心とした有期雇用であるのに対して、トヨタは「正社員」雇用です。政府は「適正化プランの徹底が正社員雇用を生み出した事例」として喜ばしく受け取っていることでしょう。
私も派遣ビジネスを経験する中で、「なんでもかんでも派遣で・・・」という企業が年々増えていくことに違和感を感じることが少なからずありました。右肩上がりの状況の中で自浄努力を怠った派遣業界にも責任はあると思います。
トヨタは今回、2年ぶりの業務職採用にあたり、同社に勤務する1700人(2010年9月時点)の事務系派遣社員の中から優先的に希望者を募ることにした。「既に当社で働いている派遣社員であれば働き方や企業理念をよく理解しているため」(同社)で、予定数に満たなかった場合は一般からの募集も検討する。
今回の正社員化の対象はオフィス機器の操作などに従事する「専門26業務」と呼ばれる派遣社員。業務内容が正社員を代替する恐れが少ないため例外的に派遣期間の制限(原則最長3年)を受けないが、専門外の業務に従事させることはできない。
ただし、トヨタの職場では合理化に伴い各社員の業務が複雑化し、これまで派遣社員が担っていた業務についても「専門性にとらわれないケースが増えている」という。従事可能な業務に制限がある派遣社員では、こうした業務内容の変化に対応しにくくなっていた。
連合を最大の支持母体とする民主党政権は、派遣期間の制限を免れるために専門26業務を装う違法派遣が散見されるとして、昨年2月から全国の労働局を通じて企業に対する監督・指導を強化している。こうした当局の姿勢も、産業界で派遣社員を正社員化する流れにつながっているようだ。
自動車業界ではトヨタ以外にも、日産自動車も昨年10月から事務系の派遣社員を順次、契約社員に切り替えている。契約期間は最長2年11カ月。同社は09年に東京労働局から労働者派遣法に違反したとして是正指導を受けており、直接雇用することで従業員の管理を徹底する考えだ。
また、民主党政権は仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」や、「製造業派遣」の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法改正案の成立を目指している。同法案が成立した場合には、企業は派遣社員の活用についてさらなる見直しを迫られそうだ。(1/5 日本経済新聞)
一つ前とは対照的な記事ですね。
記事にあるとおり既に多くの企業で直接雇用への切替えが進んでいますが、その多くが契約社員を中心とした有期雇用であるのに対して、トヨタは「正社員」雇用です。政府は「適正化プランの徹底が正社員雇用を生み出した事例」として喜ばしく受け取っていることでしょう。
私も派遣ビジネスを経験する中で、「なんでもかんでも派遣で・・・」という企業が年々増えていくことに違和感を感じることが少なからずありました。右肩上がりの状況の中で自浄努力を怠った派遣業界にも責任はあると思います。