先週、2011年3月期のJAFCOの決算が出ていたけど、、、

投資先株式を売却したキャピタルゲインで利益を出した
のではなく、会計上評価を過去に落としていた投資先を
再評価というか時価評価し直して利益を決算上出してい
るだけ。。。

それで、配当を出している。営業CFは赤字なのに。。。

IFRSの流れとしては適切だけど。同じ業界人としては
やや疑問なところもございます。

ただ、日本のIPOマーケットは引き続き厳しいから投資先
をマーケット以外で高く売却するのはとても大変なのも
事実。。。

最近、米国VCが日本と関わりのあるFundレイズを行った。

その一つが米大手DFJのDFJ-JAIC Technology Partners、
そしてもう一つが日本でも投資活動しているDCMのアンドロイドアプリ向け
のファンド である。

過去、欧米のVCが日本に進出しては、投資ロットや投資手法(優先株)
が欧米と異なり、悉く撤退している。
唯一、当方の記憶で欧米VCとの連携で成功しているのは、グロービス
の初期のファンドのエイパックスと組んだファンドくらいではなかろうか。

そんな中で、DFJはこの数年間、投資社数において全米トップクラスの米大手
VCであり、日本のVCと手を組むのは初めての試みであろうから非常に楽しみだ。

アンドロイドアプリファンドは、KPCBのiFundの真似だけど、他にも既に参入
しているVCもありそう。。。

また、最近の日経新聞の記事にも掲載されていたが、エンジェルラウンドの
投資ファンドも続々と組成されている。

米国のExitマーケットは、近年シリーズAやBでGoogleやMS,Appleなどに買収
されるのでエンジェルラウンドで投資し、そして早期回収ということで売る。

日本でも創業段階から出すエンジェルファンドもポツポツと出てきているが、
Exit先の層が薄いのが問題点。欧米の企業が買収するあればチャンスは拡大
するのだが。。。
震災直後から証券市場は一気に株価が下がり、企業もVCも動きが
止まってしまったような2週間だった。

震災後、日経平均は徐々に戻しているが、新規IPOの承認を得ていた
3社は公募での予定資金調達ができないと判断し、IPOを取り止めた。

昨年秋頃から今年に入ってIPOマーケットが徐々に明るい兆しが
出ていたにも関わらず、今般の震災の影響でIPOマーケットが回復
するには半年程度の時間を要するであろう。
当方は、福島の原発事故問題が収まってからではないかと個人的
に思っている。

日本の多くのVCは、工場を保有する製造業のポートフォリオ企業に
投資していないことから、震災で工場が稼動できないような先は少
ないと思う。(投資育成は製造業への投資は多いが、彼らは自分達
のことを「投資育成会社」であってVCとは言わない)

ただ、消費低迷でサービス関連やIT関連企業への影響は波及して
する可能性が高く、徐々に業績にも影響してくるであろう。

投資先の業績が悪化するとIPOも延びるという悪循環に陥る。
リーマンショック後と同様の流れである。

IPOの回復には時間を要する一方で、VC投資という観点では、当方は
今後投資資金に余裕があるVCにとって投資のチャンスが到来するので
はないかと考えている。
一時的に業績が赤字に転落する企業が増加し、B/Sが毀損するとエク
イティでの投資チャンスが発生するのである。

タイトルに戻り、VCの業界への影響という観点では、回復期にあった
VCの業績は、今回の震災の影響で投資先のIPOやM&AによるExitが予定
を下回り、回復が遅れる可能性が高い。
VCの業績回復にはやはりIPOマーケットの復活が必要なのだ。
ただ、金融危機のようなリスクではないので、マーケットの回復を
睨んだVCの投資拡大の可能性は高まるし、当方も今年はより一層投資
を増やしたいと考えている。