震災直後から証券市場は一気に株価が下がり、企業もVCも動きが
止まってしまったような2週間だった。

震災後、日経平均は徐々に戻しているが、新規IPOの承認を得ていた
3社は公募での予定資金調達ができないと判断し、IPOを取り止めた。

昨年秋頃から今年に入ってIPOマーケットが徐々に明るい兆しが
出ていたにも関わらず、今般の震災の影響でIPOマーケットが回復
するには半年程度の時間を要するであろう。
当方は、福島の原発事故問題が収まってからではないかと個人的
に思っている。

日本の多くのVCは、工場を保有する製造業のポートフォリオ企業に
投資していないことから、震災で工場が稼動できないような先は少
ないと思う。(投資育成は製造業への投資は多いが、彼らは自分達
のことを「投資育成会社」であってVCとは言わない)

ただ、消費低迷でサービス関連やIT関連企業への影響は波及して
する可能性が高く、徐々に業績にも影響してくるであろう。

投資先の業績が悪化するとIPOも延びるという悪循環に陥る。
リーマンショック後と同様の流れである。

IPOの回復には時間を要する一方で、VC投資という観点では、当方は
今後投資資金に余裕があるVCにとって投資のチャンスが到来するので
はないかと考えている。
一時的に業績が赤字に転落する企業が増加し、B/Sが毀損するとエク
イティでの投資チャンスが発生するのである。

タイトルに戻り、VCの業界への影響という観点では、回復期にあった
VCの業績は、今回の震災の影響で投資先のIPOやM&AによるExitが予定
を下回り、回復が遅れる可能性が高い。
VCの業績回復にはやはりIPOマーケットの復活が必要なのだ。
ただ、金融危機のようなリスクではないので、マーケットの回復を
睨んだVCの投資拡大の可能性は高まるし、当方も今年はより一層投資
を増やしたいと考えている。