Q. キャンペーン代金と契約金とはどうちがうのですか?




A. 工務店さんやハウスメーカーさんが、「今なら20万円で、○○をグレードアップしますので、

キャンペーンの申込みをしませんか?」というような、キャンペーンをはって、営業を行うことがあります。

このキャンペーンと本体である請負契約は全く別の契約です。

したがって、キャンペーンに申し込んだとしても本体の工事請負契約は成立しません。

また、仮に本体の請負契約を締結した後、キャンペーンを使うことをやめるのも自由です。


Q. 現在、建物新築中ですが、東日本大震災の影響により資材価格が高騰したとして、

請負業者が請負代金の増額を請求してきました。この増額請求に応じなければならないのでしょうか?




A. もともと契約時に請負契約書に添付し、又は顧客に対して提示していた見積書の内容は、

請負契約の内容となります。

 従って、構造材、住宅設備機器その他の建材について見積書記載金額が、契約内容となりますので、

この契約内容を変更するためには、住宅会社・顧客間の協議が必要です。

昭和48年頃に発生した第一次石油危機による資材等の値上がりを理由とした請負代金増額の請求に対し、

東京高裁昭和56年1月29日判決は、請負人の請求により当然に代金額が増額されるものではないと判示し


あくまで契約当事者間にて誠実に協議を遂げ、適当な増額の措置を定めるほかないと判示しています。

第一次石油危機より今回の大震災のほうが遙かに「経済事情の激変」と言えるような深刻な事態となれば

事情変更の法理の適用により、一方的に請負代金の増額が認められる判例が出る可能性もありますが、

今のところ、一方的な代金増額を認める事はできず、住宅会社・施主間の協議によって

請負代金変更の話しあいを行う事となると考えます。

Q. 私の家は、狭小地です。建物建築にあたり、少しでも建坪面積を広くするため、

隣地境界線から30㎝の配置で建物を建てようと思い、隣家へ相談へ行きました。

そうしたところ、承諾料の支払いを要求されました。

この場合、この承諾料はどの程度支払う必要があるのでしょうか?




A. 民法234条1項の規定により、建物を建築する際には、

境界線より50センチメートル以上の距離を保持する義務があります。

ただし、民法の規定と異なる慣習がある場合や、隣家の同意や条例による建築協定が有る場合、

建築基準法65条が規定する要件を充たす場合には、

隣地境界線から50センチメートルよりも少ない距離の配置で建物を建築することも可能です。

 以上から隣家の同意を取り付けて境界線から50センチメートル未満の配置にて

建築をするケースはあります。

 この際、隣家へ承諾料を支払う法的義務はありませんが、少額の金額を支払い、

承諾をしてもらうことは実務上は存在します。

 承諾料の目安として、民法234条違反による損害賠償を命じた下記判決が参考になるでしょう。


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◆一度は境界から40センチメートルで建てるとしながら、

境界から15センチメートルで建てたという事案において、

慰謝料50万円の損害賠償請求が認められたケース(大阪高判H10・1・30判時1651・89)。


◆建築基準法違反の建物を境界ぎりぎりに立て通風日照等の利益が大きく害された事案で、

慰謝料50万円及び不動産価値の低下額40万円及び弁護士費用10万円の100万円が認められたケース(京都地判S58・2・28判時1090・148)。


◆建築された建物の高さ、従前存在した建物との比較、建物の堅固さなどを総合考慮して

20万円の損害賠償が認められたケース(神戸地判H15・6・19公刊物未掲載)。

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