多摩の人々ー6 LaLaLa マリンバ | JOKER.松永暢史のブログ

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LaLaLaでは、マリンバ・シンガーソングライターの新谷祥子氏の演奏と歌を聴いた。いや、「見た」。

マリンバは打楽器である。これは人間が楽器を使い始めた当初からあったと思われる楽器である。

「打製石器」ではないが、楽器の最初は何かを叩いて音を出すことだったろう。

石では音が出ない。乾いた木なら良い音が出る。

動物の皮を張った「太鼓」が現れるのはそれよりだいぶ後のことだったに違いない。

ひょっとしたら火を知る前の「猿」の段階から、人は木を叩いて音を出して騒いでいたかもしれない。

ピアノも打楽器であるが、指先で叩いているのは鍵盤で、鍵盤の先でハンマーが「弦」=ピアノ線を打っている。これは最初は「琴」、つまり張った弦を指で弾くことだったろう。だから「弦楽器」とも言え、やはり木そのものを叩くマリンバとは音の出し方が異なる。

これまた弦を張ったギターを手にして歌う姿は最も一般的だ。我々は当たり前のこととしてこれを見る。

ピアノを弾きながら歌う姿もよく見かける。

ビリー・ジョエルとか懐かしい。ポール・マッカートニーもやっていた。

しかし、ドラムスを叩きながらメインボーカルで歌うというのはあまりない。

タンバリンならあるがシンバルはない。

昔、イーグルスのホテルカルフォニアを聴いた時、これがドラムスのドン・ヘンリーの歌声だと知った時にはやや驚いた。

フィルコリンズもいたにはいた。

一般に打楽器奏者は歌わないことが多い。打楽器は声以上の「音」を出す。ベースはどうだろうか。管楽器やバイオリンでは歌えない。

歌いながら演奏する楽器。これは先も言ったようにギターが圧倒的に多いが、持ち運びも割と便利だからか。それとも歌いやすいのか。

車の運転をしながら歌う。これは可能だが、ふつう大声で歌うのではなくて口ずさむ。もしくは鼻歌でやる。

大声で本気になって歌っての運転は危ない。しかし、カタカムナならできる。慣れているからか。

何かをする時、口ずさむ程度ならわかるが大声で歌うのは難しい。

それをマリンバでやる。しかも、片手に2本ずつ4本の「マレット」を持って、それでかなり高度な演奏をしつつ歌う。

もちろん全然ミスらない。

前から思っていたが、打楽器奏者は本当に間違えない。中には間違えるドラムスもあるのであろうが、すぐにごまかせることが多い。

ベースなんかもそうかもしれない。

でも音階のあるマリンバで叩き間違えればOUT!である。

なぜ間違えないのか。そしてなぜ同時に歌えるのか。

素人の自分には驚くべきことである。

サーカスや大道芸を見るに近い。

演奏曲は、聴衆年代に合わせて、懐かしい曲が多かったが、最後に「普段はこんなのを演奏しています」と言ってやったのが一番良かった。

本人も語っていたが、「マリンバを叩くうちに、一緒に歌いたいという気持ちを抑えられなくなった」とのこと。

マリンバと歌の可能性の追求。

これはかなり面白いことなのだ。

この日は他に共演者として、絃箏の佐藤康子、クラリネットの橋爪恵一と、新谷の「音大の弟子」のパーカッションの若い女性が出演した。

たまに出かけると、近くでもこんなに興味深いことに出会うことができる。

出版関係や執筆の仕事が多くなったが、家で机に向かっているばかりでは発展性がない。

やはり人が活動しているところへ出かけて行って、そこで人に接する必要がある。

「自然」だけではなく、「人」に接する必要がある。

とりあえず、多摩・立川周辺をしばらく探索することにしたい。

新緑の中で赤川BONZEたちの作品を見てまわりたい。