メーカー |
ギブソン |
モデル名 |
タク マツモト ダブルカッタウェイ |
年式 |
2000年代 |
作業内容 |
トップ板貼り替え |
日本が誇るスーパーグループの一つといえばB'zですね。88年のデビューから25年近く経つ今もヒットチャートを賑わし、未だに根強い人気を誇っています。今回の主役ギターはそのB'zギタリスト、ギブソン社 カスタムショップ製、松本孝弘氏のシグネーチャーモデルです。
松本氏は近年世界的に有名なギターリスト、ラリー・カールトン氏との共演で話題になりましたね。
専用フライトケース付きのモデルです。
今回のご依頼はボディのトップ材の交換です。
このTAKモデルには、5A以上のキルテットメイプルが使われているそうなのですが、トップ材の木目がオーナー様の好みでは無く、どうしてもトップ材は交換したいというオーナー様の強い思いからトップ材の交換という大掛かりな改造に至りました。
貼り替える素材の選択肢としてフレイムメイプルやバーズアイメイプルなどがありますが、今回は杢目の大きなキルテットメイプル材をお選びいただきました。
まずボデーからスタッド・アンカーなどのパーツをすべて外してから、ネックをボディから外します。
トップ材をボディから外します。
バックのマホガニーからPU、スイッチ、コントロール、キャピティなどの位置や形をアクリル材にコピーします。
そしてコピーしたテンプレートの形を参考にキルテッドメイプルをラフカットします。
マホガニーのボディとトップ材です。
クランプを使ってボディのバック面とトップ材を圧着します。
圧着後、はみ出したメイプルトップをボディラインに合わせて削ります。
ノミやカンナを使ってトップのカーブを削り込んでいきます。
オーナー様からカスタムスタイルのTAKモデルをお借りして、トップのメイプルの形状を同じにしました。
元々巻かれていた同じ厚さのバインディングが巻けるようにメイプルの部分をバインディングの厚みだけ削ります。
黒色のバインディングをボディに貼り付けていきます。
この際、専用テープでしっかり固定します。
バインディングが付くことによってボディラインがタイトになりました。
木目をシンナーで浮き上がらせてトップのカーブの形状を確認します。
ネックの仕込み角やネックとネックポケットのジョイント部分が適切であることを確認後、ネックをボディに圧着します。
キルトの木目を浮きだたせるためにブラウンカラーのステインを直接染み込ませます。
トップコートのニトロセルロースラッカーをエアガンで吹き付けペパーで磨く作業を何度か行い、一定期間乾燥させた後、コンパウンドで磨き上げます。
オーナー様の要望により、グラファイト製のナットからオールドギブソンでも使用されていたデルリン製のナットに交換しました。
サーキットをボディに組み込み、元の状態に戻します。
その際、セラミックコンデンサーをオレンジドロップに交換しました。
弦高調節、オクターブチューニングなどセットアップをして作業終了です。
オリジナルにあったような目の細かい木目も素敵ですが、
このような目の大きなキルトも鮮やかでいいですね!
この度の改造のご依頼ありがとうございました。
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