
¥3,000
Amazon.co.jp
初回限定版は定価で500円UPですがDVD付きです。各人へのインタビュー(字幕付き、もちろん上原さんも全て英語です・・・)、収録曲「Now or Never」のレコーディング風景等が収められています。
その映像の一部がコレ
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス
上原ひろみ(p)
Anthony Jackson(b)
Simon Phillips(ds)
震災直後の発売(3月16日)だったのでほとんど話題になっていなかったように記憶しています。
さて、内容ですが。
うむ・・・相変わらずすげえ・・・ギター入りの4人組からソロへ、そしてここで敢えて異なるメンバーでのトリオに戻った彼女。
インタビューでは「ピアノがうまくなった」ように思うだと。恐るべし。
実は4人組の時のギタリストはあまり好みではないので今回のスタイルはもう大歓迎です。(どうもあのフレットレス・ギターだけは性に合いません)
サウンドははっきり言ってジャズではありません。かと言って無機質なフュージョンでもない。
メロディが豊かなんです。「Temptation」などはテーマが叙情的で素晴らしい。
こう言ったジャンルだと割とテクニカルな事を聞かせる事に集中するがゆえに肝心の曲がちょっとダメだったりする残念なケースが多いような気がしますがこのアルバムは違う。
今回の彼女のアルバムではメロディを聴かせてくれる姿勢が強いと思えます。もちろんアドリブパート(まあテーマですらアドリブかもしれませんが・・・)のはじけぶりは半端ありません。
ピアノだけに拘らず必要とあらばシンセをビョーン、ビョーンと立ち上がって鳴らすその姿勢にも脱帽です。決してスタイルではないミュージシャンです。
アルバムにはピアノ・ソロが1曲ありますが、ここでも彼女の集中力は凄まじい。「Haze」は底から限りなく上へ向かってわき上がるような印象。上原ひとみのピアノって基本的に重心が低いようなイメージを受けます。
こういうピアノを聞きたい人は彼女を選び、そうでないタイプのピアノを聞きたい人は別のミュージシャンを聞けば良いんですよね。選択の自由はこちらにあるのだから。一人のミュージシャンにあらゆる側面を求めるのは愚の骨頂でしょう。
サイモン・フィリップスはロック・フィールドのドラマーですが、ジェフ・ベックとの「ゼア・アンド・バック」やジェフ・ポーカロ無き後のTOTOのレギュラー・ドラマーであったり、スタンリー・クラークとツアーしたりとハード・ロックからフュージョンまで活動の場がやたら広い人で基本ロックのスタイルでありながらもフュージョンっぽく叩く人、と言うイメージがあります。それこそ全盛期は過ぎてしまったかもしれませんが、かなりの手数、足数(2バス連打)で頑張っています。
このアルバムではもしかしたらサイモン・フリップス史上一番テクニカルな演奏をしているんじゃないだろうか?なんて思えてしまいます。インタビューでも「全ての曲が難しかった」と言ってます。
重鎮アンソニー・ジャクソンはフォデラの6弦ベースで相変わらず上品な音を出しています。(フォデラというベースが好きかどうかは「この音」が好きかどうかって事なんでしょうね)
要所要所ではテクニカルな部分をちらりと見せつつもしっかりボトムを支える印象。バリバリ自分が前に出るよりもこの位の存在感が一番良いのではないだろうか?そうは言ってもかなり難しいプレイをしている事は間違いなし。バンドでの立ち位置がしっかりしているように思えます。それこそバンドの方向性がきっちりしているからだと思えます。
2人のビッグネームに挟まれてしまっても彼女は全く引けをとらないどころか逆に2人から色々なものを引き出しているような印象を受けます。彼女にインスパイアされてミュージシャンとしての別の顔が出てくる。これこそバンドというものの醍醐味なのかもしれません。
少しだけ2人には彼女に合わせようと無理している部分があるかもしれません。ただそれはツアーを重ねてステージで演奏するにつれこなれてくる部分だと思います。
いや~そう考えると12月のライブが今から楽しみです。
結局、東京の2日間は両日とも行くことにしました。1アーティストの一つのツアーに2回出かけるなんてギルモアのピンク・フロイド以来の出来事です。急用が入らない事を切に願います。