Best / Dire Straits | 音楽見聞録

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サルタンズ・オブ・スウィング~ベリー・ベスト・オブ・ダイアー・ストレイツ/ダイアー・ストレイツ
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ダイアー・ストレイツ


大ヒット曲「悲しきサルタン」で有名なこのバンドはマーク・ノップラーのちょっとカントリー・スタイルを取り入れたような指引きのハーフトーンっぽい枯れたギターの音色がなんと言ってもトレード・マークです。これプラス半ば語りのようなフォークっぽい歌い方。(これって日本人が一番マネできないんですよね。とにかく英語が相当うまくないことには様にならないんで自信の無い人はやらない方が良いです。)


 なんだかいかにもアメリカ仕様ですがこのバンドはきっちりブリティッシュ。


 紹介したアルバムはベストですが、実はこのバンドを語る時に一番に上げたい曲は「Tunnel of Love」です。
 もちろんB・スプリングスティーンの同名曲じゃありません。こちらの方がぐっとチャーミング!(ボス・ファンの方、怒らないでね~)


 実際に「Tunnel of Love」が収録されているアルバムは1980年に発表された3rdアルバムの「Making Movies」です。8分を超える長尺の曲。
 イントロに流れるのはブロードウェイ・ミュージカルの「Carousel」(1945年初演)のこれまたオープニングに流れる「The Carousel Waltz」(オスカー&ハマースタインⅡ作)というワルツ曲。このミュージカルも労働者階級の恋物語を軸に「誰でも成功できる」ことをテーマにしたもの。このミュージカルのオープニングの舞台はNew Englandのアミューズメント・パーク。この曲をイントロに持ってきていると言うことは多少なりともこのミュージカルからの影響もあるのかな?と考える。


 ダイアー・ストレイツのこの曲はとてもノスタルジックな印象で回転木馬のある移動式遊園地(たぶん)がこの歌にも出てきます。私には舞台は50年代のアメリカの田舎町といったイメージが浮かんできます。いかにもアメリカっぽい光景。

 昔に思いを馳せて、現在を憂えているのか・・或いはそれでも現在を肯定しようとしているのか。旅を続けてきた主人公の本当の心情を読むのは聴く人次第なんだな、と思ってます。


 最終部の方で音楽が静かになり、アコギのストロークと共に再び盛り上がって行く所はもう最高です。その後のギター・ソロも歌心あふれるもの。8分を超えているのに全く長さを感じさせない名曲です。まるで短編映画を見るような印象で、曲構成自体は単純なのに不思議な感じがします。


 「悲しきサルタン」も捨てがたいのでとりあえずベストから、という事で。