- Midnight Oil
- Earth and Sun and Moon
2mを越す長身。そしてスキンヘッド。くねくねたこ踊りをしながら歌う海坊主、ピーター・ギャレット率いるバンド、ミッドナイト・オイルの93年の作品。
大ブレイク作「ディーゼル・アンド・ダスト」以来久々にタイトなアルバムだと思った。ミッドナイト・オイルほどポジティヴな姿勢で社会と真っ向から闘っているバンドも珍しい。少数民族(特に自身の国オーストラリアの先住民族アボリジニ)への人種差別等の偏見問題や民族としての保護問題、また広く環境問題に対する発言(歌)は極めて多くの曲で見られる。
NYのエクソン・ビルの前にトレーラーで乗り付け、ゲリラライブを敢行したのは有名な話。この時のゲリラライブもエクソン社に対し、大型タンカーからの石油流出事故の事後策の不徹底ぶりや責任問題に対する抗議のための行動だった。
しかしバンドはまずは音である。どんな真摯なメッセージを持っていようとも少なくとも「音楽」という表現ジャンルを選んだ以上、その曲が良くなければ全く話にならない。
うれしいことにこのバンド、音が非常にタイトで十分に合格点。オージーNo1と言われるハード・ヒッター、ドラマーのロブ・ハーストの骨太のビートを中心にアンサンブルが組まれている。ギター2人(時に一人はkeyにスイッチ)の音色も特徴的で効果的。オーストラリアでは国民的なバンドなんだけどね・・・
そう言えば過去に一度だけ来日公演の話があり、チケットまで売り出したが公演直前に急遽キャンセルになった事があった。私も盛り上がってた一人だったのでしっかりチケットを入手したのに残念な思いをした。
彼らがレコーディングで来日した際に「ヒロシマ」で日本の若者と話をして、あまりの問題意識の無さに怒ったという話も聞いた。或いは政治的な原因で入国を拒否されたという話も否定できない。
CDのジャケットを再生紙で作ってみたり、色々行動も起こしている。主張が明確であるが故に音楽も自信に満ちたポジティヴなものになるのか。ストレートでポップ。気持ち良く聴けるバンドである。