- Pentangle
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1968年発表のペンタングルの1st。
このグループのジャンル分けは困難である。何しろ似たようなグループが他に見あたらない。「フォーク」や「フォークロック」という括りでは当然収まりきれない。彼らの音楽にはフォークの要素はもちろんのこと、トラッドあり、ジャズ的アプローチあり、と括りようがない。
もちろん音楽のベース自体は「英国トラッド・フォーク」にあるが彼らの手になる完成品はまた通常のトラッドものとはかなり異なった姿を見せている。
バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンという2人のアコースティック・ギターの名手を中心にジャズ寄りのドラムスとウッドベースのリズムセクションに比較的トラッド寄りの女性VOが加わるスタイル。
やはりギターの2人が音楽の中心にいる。ジョン・レンボーンはその守備範囲が多彩で中世音楽からジャズ、ブルース系のスタイルまで取り込んだ非常に巧いギタリスト。60年代のソロ・アルバムでもかなり先を行った音楽を聞かせている。
バート・ヤンシュはレンボーンと較べれば割とトラッドのプレイが目立つタイプだと思うが(思いこみか?)、ZEPのジミー・ペイジを始めロック界のアコギ・プレイヤーに多大な影響を与えているプレイヤー。この5人の紬出す音なので正に「個性的」な響きとならざるをえない。
ジョン・レンボーンの器用さ、守備範囲の広さが災いしてか、後年エレクトリック楽器を使い出して失敗しているように思える。
この1stはトラッドあり、実験的な曲ありでバランスが良く、それに加えて「初々しさ」と突出した個性を同時に味わえるゆるんだ所の無い名盤。1stアルバムにはそのグループのエッセンスが現れると良く言われているがこのアルバムなどは正にその良い例ではないだろうか。
ペンタングルの全てがここにある。このグループの出現は当時の音楽界にはショックだったろうな、と感じる。