- King Crimson
- Starless & Bible Black
キング・クリムゾンのアルバムを1枚だけ選ぶというのはかなり難しい。
時代・メンツによってかなりコンセプトが違うし、途中で全く別のグループに生まれ変わったかの様な変化もある。そんな中で敢えてこのアルバムを選んだのは収録曲「Fracture」1曲のため。
アルバム全体で見ればもっと好きなものもあるが、(歴史的な名盤1stはもちろん、3rdの猥雑感・雰囲気、4thのヒンヤリした寂寞感なども良い。ヘビメタRedも好きだし。)この曲は重要である
。
この曲にはある意味クリムゾンが辿り着くべき目指した最終目標のような印象がある。メカニカルで無機質なフレーズを弾き続けるギターのロバート・フリップ。やがてその無機質だったはずの旋律がバックの演奏陣に煽り立てられるようにして昂揚してくる。まるで熱にうなされているかのように脈動するギター・・・忘我のプレイ。フリップのギターは恐ろしく「有機的」な弾き方にきこえる。フリップの画策していた、「いくらかのアレンジされた部分」と個々のプレイヤーから引き出す「スポンティニアスな部分」を併せ持つ構造というロックの理想型がこの曲に現れているように感じる。
クリムゾン後期のアルバムでフリップは明らかに己の音楽的実験を意識して実践している。「太陽と戦慄」から本作を挟んで「レッド」へと至る道程には、偶然などではなくフリップの強烈にコントロールされた意思を感じる。それもアルバム毎に少しづつ中心となる視点が動いている。正に現代音楽史に残る進化する側面を見せつけた音楽と言えるのでは?
偶然か必然か?計算されつくした必然の中で産み出されたものか、或いは、あくまで偶然のぶつかり合いの中から生じた奇跡か?いずれにしても体験すべき音楽がここにある。
まあ70年代のクリムゾンはほとんどのアルバムが体験すべき価値ありです。
- King Crimson
- Lizard
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- Islands
- King Crimson
- Red: 30th Anniversary Editions