部員も揃い、いよいよ大会出場に向けて動き出した
鷹丘中柔道部
しかしその大会には、バックドロップ投げという
恐ろしい必殺技を持つ影丸という主将を擁する
花園学院が出る
山田はその対策に野球のスライディングを
ヒントに、足払の稽古を始めた
一方岩鬼も打倒影丸のバックドロップ投げの
秘密特訓を始める
「そうじゃが、リヤカーが壊れて修理中じゃ
向こうさんには修理終わるまで無理じゃと
お詫びしてある」
「でも約束したんなら守らないと・・・」
「まさかお前ひとりで運ぶつもりか!?
畳10枚だぞ、、、、」
「しかもお前明日から柔道の大会じゃろ?」
「だから運ぶのさ!」
「柔道の大会、頑張りなさい!」
「はいっ、ありがとうございますっ」
「ああ、後で応接室に来なさい
大事なお客様に挨拶するんだ」
「わかりましたっ」
「正美っ、部屋に入る時はノックしろと
何度も言ったはずだぞっ」
「するとお兄様のお嫁さんになる人ですか?」
「そうよ、将来のあなたのお姉さんよ」
『うへぇ~なんちゅうドブスや、、、、
ナツ子はんとは月とスッポンやんけ。。。。』
「うちの弟も中学三年ですのよ
仲良くしてあげてくださいね」
「は・・・はいっ、勿論仲良くさせて
もらいます・・・」
『清彦お兄様・・・なんでこんなドブス
好きになったんや、、、、
わけわからんで・・・・』
「正美、もういいわ
あんたがいるとむさ苦しいから」
「は・・・はいお母さま、、、」
「すみませんねえ明子さん、正美は体が大きくて
礼儀作法が全くダメでオホホホホホ」
「ん?」
「我が岩鬼建設が今度手がける事になった
ニュータウンの模型だよ」
「影丸総合開発からの受注なんだ
我社にとってはとても重要なプロジェクトだよ」
「明子さんはね、影丸総合開発の社長さんの
娘さんなんですよ」
『影丸て珍しい苗字や思たけど、結構
おるんやな・・・まあ気にくわん苗字やで』
「おいサチ子、一体何匹焼くんだよ、、、、」
「買ってきたの全部だよ」
「今日は大事な大会だからね
サンマいーっばい食べて力付けてもらわなくっちゃ」
「僕はそんなに食べないよ、、、」
「葉っぱの分だよ
あいつこの間おいしそうに食べてたからさ」
「そりゃいいけど、早くしてくれ
集合時間に間に合わないよ、、、」
「この間から変だと思ってたが・・・・
お前の部屋の影丸殺すって貼り紙・・・・
ありゃ何だ!?」
「い・・・いや、あれは柔道の大会に出る
花園学院の影丸いうムカつくやつの
事で・・・・」
「花園学院の影丸だと!?」
「お前その相手誰なのか知ってるのか?」
「誰て、ものすごムカつくやつで。。。。」
「ホンマに殺すわけやのうて
その意気ごみで・・・・その・・・・」
「それを聞いては、黙っておれん
大会には出るなっ」
「な・・・なんでですのん?」
「花園学院の影丸隼人君はな
清彦お兄様の婚約者、影丸明子さんの弟
将来の影丸総合開発社長だぞっ」
「そ・・・そんなっ・・・・・
あの影丸のお姉さんが、清彦お兄様の
婚約者の・・・・」
「とにかくわかったら柔道大会には出るな!
いやならお前はこの家を出て行ってもらう!!」
「そ・・・そんなぁ・・・今になって、、、」
「・・・・・・・・」
「とにかく大会に出る事は許しませんよ正美っ
もし隼人君にケガでもさせたら、お父様の
お仕事がぶち壊しですっ」
「やーまだ、、、、ワイは・・・ワイは
どないしたらええねん、、、」
「ねえおにいちゃん、葉っぱのやつ
事故にでも遭ったんじゃあ、、、、」
「そりゃないよ
岩鬼とぶつかったら車の方が壊れちゃう」
「頑張って来い!」
「はいっ、長島さんも今日が大会の試合
なんですよね」
『山田、今度の大会は諦めるが・・・・
次の大会までには必ずお前を
野球部に入れてみせるぞ!』
「ふっ、負けるとわかってて出場とは
その度胸は認めてやるぜ」
「あいつらを倒さないと優勝は到底無理・・・
それは間違いない」
「頑張りましょう」
「ね・・・ねえワビ助君・・・
あそこの人もこの大会に出るのかな?」
「ああ、武蔵中の賀間だよ・・・・
あいつも強敵だ」
「武蔵中の・・・賀間君・・・・」