蜃気楼ボールは左門にホームラン打たれたものの
それは偶然の結果であり、その後も蜃気楼ボールは
猛威を振るっていた
そんな中花形は試合を欠場して打倒蜃気楼ボールの
特訓に入る
しかし仮想蜃気楼ボールは完成したものの
どうやってもこれが打てない
もはや精神的に追い詰められた花形を思うあまり
明子は父一徹に相談する
そこで花形の子供を身ごもった事を伝えた
一徹はこれにより、花形の打倒蜃気楼ボールに
力を貸す決心をする
「子供が出来たと聞いて僕は決心しました
なんとしてでも子供のために蜃気楼ボールを
打ってやろうと」
逆効果だった、、、
「蜃気楼ボールが空気の壁に当たって
ひとつになるところを打とうとしたけど
どうやっても振り遅れてしまう」
「うむ、わしは空気力学とかわからんが
あれを打つにはバットで空気の壁を
作って打つしかないのはわかる」
「そう改まって言われるとわしにも意地がある
打てる考えがない事もない」
「じゃがの花形君・・・・
その練習をしたら君はもしかして二度と
野球をやれない体になるばかりか、へたしたら
カタワになるかもしれんぞ」
「覚悟してます」
「花形君っ、これから父になる立場の君が
そうなった場合、明子と子供はどうなる」
「でも僕は、なんとしてでも蜃気楼ボールを
打ちたいんですっ
たとえ明子が別れたいというなら
僕の全財産を慰謝料としてくれてやってもいい」
「これが飛雄馬君との最後の勝負になったとしても
悔いはありませんっ」
だが花形にも多少迷いは残っていた
『ごめん明子・・・・でも僕は
どうしても蜃気楼ボールを打ちたいんだっっっ』
勿論一徹を差し向けたのは明子ねーちゃんだ
明子ねーちゃんにも悔いはなかった
もはや花形と心中の覚悟だった
「花形君っ、細かい事は抜きじゃ
今からわしに付き合ってはもらえんか」
「うむ・・・・君が考えている通りじゃ」
「し・・・しかしお義父さんはまた飛雄馬君の
敵になるんですよ」
「一度は飛雄馬とも和解し、老後はのんびり
余生を過ごそうとも思ったが
君の決意に打たれた」
「今から君に授ける打倒蜃気楼ボール策は
つばめ返し打法じゃ
ただし、君の体はその途中でバラバラに
なるかもしれんぞ」
「つばめ返し打法・・・・
わかってます、全て覚悟のうえです」
「この滝の流れが空気の流れ
そしてその中を揺れながら落ちる葉っぱが
蜃気楼ボールじゃっ」
「その水の流れをバットで切り裂き
同時に葉っぱも切り裂くっ」
「単に滝の流れの中をバットが通るだけでは
ダメじゃ!
流れそのものを断ち切るのじゃっ」
「ぐあっ・・・スイングがマトモにできないっっ
飛雄馬君はこんなもの子供の頃から
付けていたのかっっっ」
「バカモーーーーン
腕だけで振ろうとするからダメなんじゃっ
スイングは下半身を使えっ」
バシッバシッ
バシッ
一徹にいきなり体罰を食らい
ちょっと驚く花形
「くっ・・・くそっ、流れの中バットを
くぐらせるのが精一杯だっ、、、」
「貴様バカかっ
何度同じ事を言わせるっ
これで天才とは聞いて呆れるわ
このボンクラがっっっっ」
花形も、なんとかギプスの負荷に耐えられる
ようになり、普通にスイングはできるようにはなった
「まだまだじゃっ、水の流れを断ち切れるまで
休ませんし終わらせんぞっ
対決まで時間がないのじゃっ」
「のう、ここに星の親父さん来ちょらんか?
4~5日前から家にも帰っちょらんと
近所の人が言うとったんじゃが・・・」
「そういや花形はおらんのか?」
「はい、旦那様は4~5日前から
どこかへお出かけになってます」
「花形も4~5日前から・・・・?
うむ・・・なんか臭いのう」
「旦那様は野球の練習だと
奥様は言っておられましたが・・・・・」
「野球の練習か・・・ますま匂うぞい
しかも花形のやつ球場にも来ちょらん
らしいし」
「あ・・・あの、ところで明子さんは?」
「お・・奥様は病院に・・・・」
ここで伴は明子の妊娠を知らされる
「えーっ、明子さんおめでたか」
「えっ、姉ちゃんが妊娠?
本当かよ!
じゃあ俺もおじさんかぁ・・・・」
「ねえ、飛雄馬君の血と花形の血受け継ぐ子って
ほとんど無敵じゃない?」
「悟空とベジータの血を受け継ぐような
もんでヤンスwww」
「ただ気になるのは親父っさんじゃ・・・・
花形とほぼ同時期に姿をくらませちょる
どういう事じゃろうの?」
『ついに父ちゃんと花形がコラボか・・・・
いつかはこんな日が来ると予想はしていたぜ』
『花形っ、やはり最後に俺の前に立ちはだかるのは
お前と父ちゃんだったか』
「うぐぐぐぐ・・・・やったぞ
ついに・・・・つばめ返し打法完成だっっっ」
「しかし今の状態でも上半身の筋肉が
みんな千切れそうだ、、、勝負まで
もってくれよ・・・・」
「よくやった花形・・・・
こんな短期間でつばめ返し打法をマスター
するとはさすがじゃ・・・・」
『だがこの後わしは、本物の悪者に
されてしまうだろうな、、、、
いろんな意味で』