ラジオのDJ咲坂洋子との出会いは飛雄馬を変えた
飛雄馬は常に洋子を意識して投げ
洋子のために奮投するのであった
一方洋子の方も飛雄馬に魅かれ、野球に興味を
持つようになり、飛雄馬に接近
そんな中迎えたヤクルト戦
先発した飛雄馬は花形と対戦したが、ここで
思わぬ事件が発生
花形の放ったファールがスタンドに飛び込み
少年を直撃
これは亡き日高美奈との出会いを彷彿とさせ
動揺した飛雄馬の投げた不完全な蜃気楼ボールは
花形に打ち返され、飛雄馬を直撃した
これには打った花形も動揺
「バ・・・バカなっ、あれくらいのライナー
飛雄馬君なら捕れてたぞっ」
「野球のボールって・・・当たったら痛いんですか?」
「ま・・・まあ痛いです・・・・
下手したら死にます」
「念のため明日検査をします
今日はこのまま安静にしてください」
「美奈さん・・・俺は君が好きだ
でもそれ以上に俺は重い宿命を背負ってるんだ」
「あの夜空に光巨人の星っ
あそこにたどり着くまでは、君と一緒に
なれないんだっ」
「君だけを愛しているのは間違いない
でも今の俺にはそれができないんだっ」
「お・・・おいっ、待ってくれ美奈さんっ
うそつきってどういう意味だ。。。。」
「うううーーん、俺はうそなんか・・・・」
「星さんっ、しかりして」
飛雄馬と洋子の間には、もはや自分が
入り込める隙などない事を・・・
だがこの時、飛雄馬は致命的なうわ言を
言ってしまう
「み・・美奈さん・・・
ゆるしてくれ・・・・」
「美奈さんというのは、本名日高美奈・・・
星の最初で最後の元カノじゃ・・・・」
「亡くなったわい、、、、
美奈さんは星と付き合い始めた頃から
不治の病におかされていて、余命いくばくも
なかったんじゃ」
「二人はそれを知りつつ愛しおうた・・・
まさに不変不動の強い愛でつながっておった」
『じゃがあれは忘れもしない・・・
宮崎での練習試合の時じゃった
美奈さんの担当医師が無言でスタンドに
現れてのう・・・』
『美奈さんの危篤を告げに来たんじゃが
ただ無言で星を見つめちょった・・・
後でそれを知って星はその先生を責めたが・・・』
『美奈さんは、星が試合中なら絶対に声を
かけないでくれと・・・星にとっての野球は
自分より大事なものじゃからと、、、、』
『結局星は美奈さんの死に目に会えなかった・・・
それ以降恋愛は封印したんじゃ』
「こんな事あんたに言うべきではないかもしれんが
星はこれまでずっとその誓いを守り
続けておったんじゃ」
「よかった~、飛雄馬君が無事で」
「いやぁ、一時はどうなる事かと思いやしたぜ」
「花形のやつもびっくりして、一塁走らず
アウトになったんだよ」
「え・・・そうなのか?」
「ああ、今日の試合にもベンチに入るぜ」
「おいおい、ムチャはいかんぞい」
「ああ・・・これは咲坂さんから頼まれたんじゃ
お前に渡してくれと」
「俺は・・・俺はもう女性は愛さないっ
俺にとって君は永遠の女性なんだっ
君に誓うっっ」
「すまん・・・美奈さんとの事、彼女に話して
しもうた・・・・」
「そうか・・・」
『星飛雄馬様、私は二度とあなたにお会いしない
つもりでこの手紙を書きました』
『昨日伴さんからあなたの初恋の人
日高美奈さんの事を聞きました』
『あなたの心の中には日高美奈さんが
生きています』
『私には分かります・・・あなたが私を見る時
私ではなく小高美奈さんを見ているのです』
その日の試合も公言通りベンチ入り
「星、大丈夫なのか?」
「はい、あんなものケガの内にもはいりませんよ」
「ほ・・・星先輩っ
洋子さんがもうすぐ外国へ行っちゃうんですよ」
「そうか・・・・」
「そうかって見送りに行かないんですか
いつ帰ってくるかもわかんないんですよ」
「丸目・・・・・」
俺なら試合なんか放り出して見送りに行きますけどねえ・・・
事情説明したら長嶋監督も許してくれるだろうし」
「飛雄馬君は今日試合に出てて来れないの
残念だったわね、ふふん」
「そう・・・・」
「咲坂さん・・・わし余計な事言ってしもうたが
気にせんでください
星も本気であんたに惚れてた事は事実なんです」
「外国行っても元気でね
飛雄馬君にフラれたのは気の毒だけど
外国で良い人見つかるわよ、多分」
「ふふっ、サッちゃん
星さんのお嫁さんになるのは大変よ
物凄いライバルがいるんだから」
「私は何があっても諦めないわ
飛雄馬君一筋、火に焼かれても不死鳥になって
蘇ってやるんだから」
こわ、、、、、
一方ヤクルト戦も大詰め
9回二死満塁でマウンドに飛雄馬が立った
ここで迎えるのは、再び花形
『飛雄馬君、復活してよかった・・・・
明子に泣かれて困ってたんだ、、、、』
『花形っ、俺にもう恋愛はないっ
君を打ち取る事だけに全てを賭けるっ』
『洋子さんっ、君との出会いは忘れないっ
これが俺から君に送る最後のピッチングだっ』