蜃気楼ボールで、先発に抑えに無双の飛雄馬
そこに突然咲坂洋子というDJの女性が
インタビューにやって来た
しかし初対面は最悪で、飛雄馬は洋子を毛嫌い
インタビューも拒否してしまう
洋子は番組スポンサーの伴を使って
再びインタビューを試み、これは成功
ところがいざインタビューの時に洋子から
キャンセルを告げられ飛雄馬再び激怒
実は洋子の元に来た自殺予告の手紙に原因があり
飛雄馬もこれに巻き込まれ、なんとか少年の自殺は
食い止めるのであった
飛雄馬の蜃気楼ボールはますます猛威をふるい
飛雄馬も抑えとして無敵を誇っていた
「愛の二死満塁」
トレーニングもいつものような無表情では
なくなっていた(笑)
あの自殺予告事件以降、洋子とは毎日のように
連絡も取り合っているらしい
「昨日もパーフェクトリリーフだったね」
「キッチリ9球で試合終わらせたでヤンス」
「そっかなぁ~今までそんな笑顔なかったよ
それに楽しそうに野球とか練習するの
初めて見た気がする」
「初めて見た気がするでヤンス」
「そ・・・そうかなぁ・・・
ってか、俺今までそんなつまらなさそうに
野球やってたかい?」
「はいっ、俺は・・・いや僕は
巨人軍の丸目ですっ(キリッ)」
「まあ、よくおはがきをくれる丸目さんね!
いつもありがとう」
「ええ、リスナーさんのおはがきはいつも
みんな読ませてもらってるわ」
「いやー、感激っス
これプレゼントです」
「まあ、きれいなお花」
「あっ、あのーサインしてください
前に星先輩に頼んだ時もらえなかった
から・・・・」
「何言ってるんです、俺星先輩とバッテリー
組んでる丸目ですよ
巨人軍の丸目って書いてたじゃないですか」
「まあ、本当に巨人の選手だったの!
ねえ、この後お時間あるかしら
ちょっと待っててくださる」
「ヒャッホー、洋子ちゃんとデートだ!
やっぱ巨人の選手って言葉は神の言葉だねえ」
浮かれる丸目
「ねえ洋子ちゃん、例の海外番組の件断ったん
だって?」
「ええ」
英語力試せるって張り切ってたのに」
「状況が変わったの
だって1年は帰ってこれないし」
「どお飛雄馬君、全部あたしが作ったのよ」
「うん、美味いよ
いつでもお嫁に行けそうだ」
「あははは、じゃあもうしばらく待ってね
もっともっと上手になって良いお嫁さんに
なるから」
「なーに言ってやがる
おめえみたいなジャジャ馬誰が貰ってくれるんだ?」
「いるじゃない、ここに」
「おっ、らっしゃい丸目さん!」
「お前朝早くからどこ行ってたんだ?」
「どーせパチンコでしょ」
「へぇ~あんたが咲坂洋子さんか
思ったより全然べっぴんだねえ
ラジオいつも聴いてますよ」
「ありがとうございます」
「丸目さんが星さんとお知り合いと聞いて
つい来ちゃいました」
「そうだったんですか」
「すいません、シーズン中はどうしても
時間取れなくて・・・」
「サッちゃんこう見えて日本初の
女性プロ野球選手目指してるんですよ
まあそのせいかちょっとお転婆で・・・」
「お・・・お転婆って何さ」
「じゃあ星さん、私これから生放送ありますので」
「お送りしますよ」
「いつも通りって、一回でもツケ払ってくれた事
ねーじゃねーですか、、、、」
「丸目のやつ咲坂洋子に惚れてんのよ」
「俺でも惚れるよ・・・咲坂さん美人だし」
「洋子さん・・・近くで改めて見たけど
やっぱり素敵な人だ・・・」
『今日も花形選手、ホームラン1本を含む
4打数4安打と大活躍で、ヤクルトが勝ちました』
「花形には悪いが、今は君との勝負より
洋子さんの方が大事だ」
「なるほど、丸目のやつが真剣に頼んできたんで
妙だと思ったら、こんな美人な人だったんですな
どうです今度わしと食事でも」
「遅いよ常務、まーた会長に捕まったの?」
「いや、この人を迎えに行っとったんじゃ」
「さ・・・咲坂・・・洋子・・・」
途端に不安な表情になるサチコ
「こんばんは、サッちゃん」
「なんじゃ、お前ら咲坂さんと知り合いなのか?」
「星先輩っ、ここは全球蜃気楼ボールですっ
とにかく花形だけは三振に取りましょう」
「なんだ?
難波君の時とは逆だな」
しかし当然前には飛ばず、スタンドに
飛び込むファールだったが・・・
これを見た飛雄馬の脳裏に、ある場面が蘇る
「こ・・・このシチュエーションはっ」