今や無双を誇る飛雄馬の蜃気楼ボール
ボールがいくつにも分裂する驚異の魔球の秘密を
探ろうとマスコミも飛雄馬を追いかける
そんな中、丸目がしゃべった蜃気楼魔球の
きっかけとなった話を、花形の会社の社員に
盗み聞きされてしまう
それを知った伴は、慌てて飛雄馬にその事を
知らせに行くが・・・
「おい、その専務はやめろと言ったろ
今の僕はヤクルトスワローズの花形
それ以上でもそれ以下でもない」
「すみません専務・・・いや花形さん
つい昔のクセで」
「まあいい、それで僕に何の用だ?」
「実は花形さんに喜んでいただける
プレゼントを持って来たんです」
サンスターのスパイ手帳か?
水につけると溶けるとか・・・・」
「スパイ手帳には違いないですが、問題は
それにメモってる中身ですよ」
「なんだ?
暴露ネタなら文春に持って行けよ
僕には興味ない」
「蜃気楼ボールの秘密ですよ
丸目って頭の悪いキャッチャーが寿司屋で
しゃべりまくってた内容が書いてあるんです」
「花形さんならそれ見れば蜃気楼ボールの謎が
わかるんじゃないかと・・・」
「なんだとっ・・・・・」
グググッ
「立花・・・僕がカンニングして満点取って喜ぶ男に
見えるのかい?」
「僕は自分で努力して蜃気楼ボールを打つっ
他人の力は借りんっ
余計なマネをするな」
『たとえ花形にこの球のきっかけを
掴まれても俺は負けんっっっ』
「ヤバいですよ。。。。いくら国内A級ライセンス
持ってる専務でもこの雨であのスピードは・・・」
「この走り方・・・前に星投手が乗った時に
そっくりだ・・・・」
『何故ボールはいくつにも分裂して
見えるんだ・・・・
このスピードの中にその秘密があるのか?』
「いかん、星投手と同じだ!
コーナー前で加速してる・・・・・」
「スリットタイヤでこの雨だと確実に
事故りますよ、、、、」
「せっ、専務っ危険です
すぐに停めてくださいっ
マシンが火を噴いてます」
『おそらく星投手が壊した所の修理が
不十分だったんです、、、このままでは爆発します
専務っっっっっ』
「・・・・・・・・・」
『最後のバッターカケフも三振っ
星投手、見事な完封勝利ですっ』
レースカーで事故を
起こしたっっっ」
試合終了後花形が担ぎ込まれた病院へ
「姉ちゃんっ、花形さんは!?」
「明子、体に異常はない
心配しないでくれたまえ・・・・・・
なんかえらくクシャクシャな手紙だな」
「花形さん本当に異常ないんですか?」
「まあケガ自体はたいした事ないんですが
一応今日1日は安静にという診断でした・・・」
「ゲッ、か・・・・・紙飛行機っ
するとやっぱり花形は・・・・・・」
「なんじゃい、その紙飛行機がどうかしたのか?」
紙飛行機が蜃気楼ボール構想のきっかけだと
聞かされる伴
「なっ・・・・なんじゃとーーーーっ」
「もし花形がスパイから情報得たとしたら
次に行くのは・・・・」
「なんなの飛雄馬!?」
「なんでもないよ、花形さんの行き先が
わかってきたんでそこへ行ってみる」
「見損なったぞいっ
貴様がこんな卑怯な男じゃったとはなっ」
「卑怯?」
「よせっ伴っ!
花形さんはスパイなんか使ってないっ」
「しっ・・・しかし」
「花形さん、とりあえず病院に戻りましょう
姉ちゃんも心配しています」
「おいっ、はっきりせい花形っ
貴様スパイを雇ってその情報でこの場所に
来たんじゃろ」
「僕はそんな真似はしていない」
「じゃあなんで紙飛行機折ったり、ここに
来てるんだよっ!?
偶然とでも言うのかっ」
「偶然ではない・・・・これは僕の推理だ
飛雄馬君になり切って、どう行動するか考えたら
ここにたどり着いたのさ」
「だがここへ来た時の君と同じく、ここまではまだ
蜃気楼ボールの発案の段階だ
ここから何故あの変化を見せるのか・・・
それを分析しなければならん」
「マジかよ・・・・あの人」
「うむ・・・まあ、やつならあり得ん事ではない」