ついに本格的に大リーグボール右1号の
開発に乗り出した飛雄馬
しかし、どんな魔球かの構想すらなかなか
思いつかない
そんな中、ハエの動きから何かを掴んだ飛雄馬は
丸目を伴い、特訓に入る
だがそう簡単に魔球のきっかけは掴めず
丸目はブチギレしてしまう
しかしサチコが何気なく飛ばしていた紙飛行機から
新たなヒントを得た飛雄馬は
羽田空港に向かった
「ええ、どなたか紹介してください」
「そう言われましても・・・・そうだわ
機長の村沢さんなら」
「機長の村沢です!
何か私に御用ですか」
「はい、飛行機が飛ぶ仕組みを教えて
ください」
「飛行機が飛ぶ仕組みですか・・・・
私はパイロットで、航空力学の先生じゃ
ないですから難しい事はわかりませんよ」
「まあ簡単に言えば、空中を飛ぶ物体は
漏れなく空気抵抗を前面から受ける事になります
飛行機はそれを後ろに逃すためにこんな
流線形をしてるわけです」
「なるほど・・・・」
「次に飛行機はエンジンから大きな推力を得て
風上に疾走します
すると前からの空気の流れが飛行機の下に
入り込み、ここで浮力を得るわけですが
これは紙飛行機も同じなんですよ」
「ただ紙飛行機は自ら動力を持たないため
水平に飛ばすとすぐに浮力を失って
落ちてしまいます」
「角度をつける事です!
前からの空気抵抗が紙飛行機の下へ抜けると
より長く飛ばす事が可能です」
『おーっと新浦、またボール・・・・・
どうも花形が苦手で、1打席目も打たれて
ますからねえ・・・』
「逃げてるだけじゃねーか・・・」
「あ、星先輩
どこ行ってたんですか?
急に消えちゃうんで心配しましたよ」
「なんでもない・・・・ちょっと散歩だ」
「そ・・・・そうっスか」
「バッキャローッ、最初からビビッて
投げてりゃそりゃ打たれるぜ!
だいたいカッパが花形に通用するかよっ」
『花形・・・・調子良いみたいだな・・・
早く大リーグボール完成しないと
俺はどんどん置いて行かれる、、、、』
ハナガタモータースの
提供でお送りします』
「ハ・・・ハナガタモータースだぁ?
まーた花形かよっ
クソッ、チャンネル変えよ」
「待てっ、チャンネル変えるな!」
「えっ、星先輩も見るんですか?」
「さっきはテレビ漫画バカにしてたくせに・・・」
この時代、まだテレビアニメという言葉は
そんなにメジャーではなかったのだ
『F1マシンか・・・・この車も空気力学を
究極まで追求した形だ!』
その翌日、丸目と一緒に
本物のF1レースを見に行く飛雄馬www
「知らなかったなぁ・・・星先輩
F1レースに興味あったんスか」
「ま・・・・まあな」
なお、トップを疾走するこのマシンは
チームハナガタのワークスマシンだ
『こ・・・・これだっ』
この瞬間、大リーグボール右1号の
大まかな構想が飛雄馬の中で完成した
「あのぉ、俺花形満の義弟の星飛雄馬ですけど」
「あ・・・ああ、知ってますよ」
星飛雄馬です」
星飛雄馬一生のお願いです」
「ほ・・・星先輩・・・・それムチャ言い過ぎっスよ、、、」
「・・・・・・」
「あの~これ内緒ですからねっ!
このマシンは最高350キロ出ますけど
100キロまでにしてくださいよ
もし壊したら多分あなたの年俸では弁償できないくらい
高い車だというのもお忘れなく」
ま、100キロなんてF1マシンなら
ものの数秒で突破するのである
「マジあの人何考えてんのかさっぱりわかんね
1回病院行った方がいいかもな・・・モグモグ」
それを聞いた整備士
「もしもしっ、花形専務ですかっ」
「・・・・・!」
「おい、僕は会社追放されたんだ・・・・
専務はよしてくれ
今はヤクルトの花形だ」
『そんな事言ってる場合じゃないんですっ』
「バカなっ、彼はライセンスも普通免許も
持ってないド素人だぞっ
なんでマシンに乗せたっ」
「あ・・・あなたっ、飛雄馬がどうしたのっ」
「す・・・すみませんっ
専務の弟だと何度も言われたのでつい・・・・」
『とにかく早くやめさせるんだっ』
「おーいっ、止まれっっっっっ
早くマシンから降りてくださいっ」
「ヤベぇぞ・・・・アクセルべた踏み
してんじゃん、、、、、」
「バ・・・バカなっ、コーナー前で加速なんて
狂ってるっ」
「あ・・・あなたっ、どうしたのっ」
「飛雄馬君がうちのワークスマシンで
暴走してるらしい、、、、」
「何かのデーターによると、元阪神の
江夏さんの最速は162キロらしい」
何故かF1マシンに付いてるスピードメーターw
普通は意味がないので付いてないが
江夏の最高球速に近づける飛雄馬
「やめてくれーーーーーっ
ブレーキ踏むんだっっっっ
事故ったら俺クビじゃ済まないよぉぉぉぉっ」
キキキキキキーーーーッ
急ブレーキでタイヤが凄まじい
悲鳴をあげ、それが偶然ドリフト状態に
「ああっ、やっちまったっ」
「あーっ、これで僕はクビ確定だっっっっ」
なんとかマシンは止まったが
ステアリング系統が破損してしまう。。。
「ふふふっ・・・これで俺はここを出禁だな・・・
花形に縁を切られるかもしれない・・・・」
「大丈夫っスかっ」
「大丈夫じゃないっっっ、マシンが・・・マシンがっ」
「マシンが・・・・マシンがっっっっっ」
「・・・・・すんません」