ライバル左門のいる横浜との3連戦
初戦は飛雄馬の前に簡単に三振に倒れた左門だったが
左門は飛雄馬の致命的な弱点をすでに掴んでいた
巨人連勝の後の3戦目、ついに左門が牙を剥く
まるで飛雄馬の球を読んでたかのように
打ちまくり
ついにサイクル安打を達成
試合後長嶋監督は、飛雄馬に無情の二軍行きを
命じるのであった
「王貞治の忠告」
サイクル安打を達成し、殊勲の左門に試合後
チームメイトたちが質問を浴びせる
「なあ左門、星を打ち崩したのは何か秘密が
あるんだろ?」
「・・・そげんものはなかとです、マグレです」
「嘘つけ、今日の星は調子良かったし
打ってたのお前だけなんておかしい!」
「攻略法あるならチームで共有するのが当たり前だよ
お前ひとりで野球やってんじゃないんだから」
「仕方なか・・・では教えるとです
ただし他球団の選手には絶対秘密にして
くんしゃいよ」
一方試合後の飛雄馬はまだ
何故左門に滅多打ちを食らったのか
理解できなかった
「なぜだ・・・なぜ左門さんはあんなに
ドンピシャで打てたんだ!?
今日の俺は調子は良かったし、打たれたの
左門さんだけだっ」
ビューーーーン、バシッ
『星君っ、許してくれ・・・・
わしはついにしゃべってしもうたばってん、、、』
『もはや君は詰んでしもうたとよ・・・・
少なくともうちのチームには通用せんように
なってしもうたとばいっ。。。。』
この店では他に、このおっさんも荒れていた
テレビのボクシング中継を食い入るように見つめて
喚いている
「くそっ、負けやがった、、、なーにがチャンピオンだ
防衛すらまともにできねえとくらぁ、、、」
「ゲンさん・・・もうそのへんでおよしよ」
「よう若いの、なさけねーと思わねーか?
最近のボクシング界は腐ってやがるっっっ」
「ゲンさんっ、他のお客に絡むんじゃないよ。。。」
「昔はよ、矢吹ジョーってやつや、俺みたいなのが
日本ボクシング界守ってたのによ・・・・
力石ってやつもいたなぁ」
「・・・・・・・・・」
「お・・・俺のこの左拳は向かう所敵なし
だったんだぜ、、、それが・・・それがっ」
「グーーーーッグーーーーーッ」
「あーあ、仕方ねーなぁ・・・・・
すんませんお客さん」
「ええ、元は黄金のサウスポーって呼ばれてたんですがね
その左手故障して、努力して右に変えた途端に
急に勝てなくなったんスよ」
「えっ!?」
「右でも相当のパンチ持ってたんスが、何故か
相手に一発も当たんなくなっちゃってね・・・・
難しいもんスねえ」
「なんか相手にパンチの出所読まれてたようなんですよ」
「パンチを読まれる?」
『もしかして俺の球筋も、何かの方法で
左門さんに読まれていたのでは・・・・?』
ここまで好調に勝ち星を積み重ね
チームの勝ち頭だった飛雄馬が、ケガでもないのに
二軍に落とされたのが物議を醸した
「おいっ宙太っ、わしが呼んでおるのに無視する
とは何事じゃっ」
「え・・・・・・?」
「常務の分際で会長をシカトとは随分偉く
なったもんじゃのう」
「あ・・・いや、そんなつもりはないんじゃ、、、」
「あーーーっもしもし、アメリカのデトロイトモータースさん
かの?
例の契約の事じゃがすぐに行きますわい」
「デ・・・デトロイトモータースじゃと!?」
「んじゃあな親父っ!
大事な契約があるんじゃ」
「お・・・おい宙太!」
「あいついつの間にそんな契約を・・・・・
わしゃ聞いとらんぞ・・・・・」
「おおっ、親父っ!
星は来とらんかっ!?」
「あ、こりゃ伴常務さん
星さんどうかしたんですかい?」
「えっ・・・ああ・・・昨日は無断外泊したらしい
やはり昨日左門に打たれたのが効いたかのう・・・
まさかとは思うがバカなマネを、、、、」
「そっ・・・・そんなぁ。。。。」
「淡口・・・角・・・浅野・・・・
星君がいないわ、、、、、」
『うむ・・・星のやつの失踪は毎度の事じゃったが
今の時代そんな事やっちょるとガチクビに
なるぞい、、、』
「いくら考えてもわからんっ・・・・何故俺の
球筋が読まれるんだっっっっ」
「マグレで打たれちゃいないはずだ・・・・
きっと何か俺の知らない何かがあるんだっ、、、
でもそれが全然わからんっっっっ」
「教えてくれ左門さんっ!
俺の何が悪いんだっっっっっ
左門さーーーーーんっっっ」