九州の半分が沈没した後、東京に戻った小野寺
そこで天草で知り合った有吉摩耶と再会する
その頃奥多摩の小河内ダムで異変が発生
田所の予想では、満水状態の小河内ダムはこのままで
いけば決壊、東京都に甚大な被害をもたらすという
田所は、ひとつだけこれを回避できる方法が
あると言うが・・・・
「博士っ、その方法とは?」
「奥多摩湖の湖底を爆破するんだ」
「ねえ、これから飲みに行かない?」
「き・・・君ねえ・・・」
「あたしの馴染みのダンスバーがあるのよ
どーせ家には誰もいないんでしょ」
「・・・・・・・」
「君を見てるとなんだか俺の悩みなんてバカバカしく
思えてくるよ・・・・・
その時が良ければいい君の生き方が羨ましい・・・」
「ねえ小野寺さん、あたしあなたが好き
これから1週間、あたしと一緒に暮らさない?
あたしあなたの奴隷になってもいいわ・・・・
刺激的でしょ」
「・・・・さすがにそれは遠慮するよ・・・・
やったら炎上確定だし、、、、」
「あーあ、残念
でもあたし諦めないわよ」
「・・・・勘弁してくれよ。。。。。」
翌日、小河内ダムの管理事務所に安五郎が呼び出された
「D計画本部の田所って博士が親父さんに会いたいそうだよ」
「田所?
なんか聞いた名前だな・・・・」
「あっ、思い出したぜ!
何年か前調査に来て、山案内してやったらそこで大ゲンカに
なってなぁw
なんかおもしれえ爺さんだと思ったよ」
小河内ダムに向かう田所小野寺中田
そこにまた小さな地震が起きた
「また地震だ・・・まあ震度3程度ですね」
「今の小河内ダムは震度5程度でもヤバいぞ・・・」
同じ頃、そんな事とは知らない直子と三郎は
ついに駆け落ちを決意
直子の母親も手助けするようだ
しかしこのタクシー三郎の私物なのか?
「三郎さん、直子の事よろしくお願いね!」
「はい、絶対幸せにして見せます」
「まずいぞっ、急がないと手遅れになるっ
長くてあと2時間くらいしか余裕がないっっっ」
「また地震だよ・・・・どうなってんだ?」
そこに1本の電話が入る
「今、村の人が知らせてくれたんだよ
三郎さんのタクシーが土砂崩れで埋まっちまったらしいよ」
『そうか、じゃあ弔電送っといてやれ』
「なにっ、そのタクシーに直子が乗ってたぁ
そりゃどういうわけだっっっっっっ」
直子が三郎と駆け落ちしていたと聞いて
心配と怒りで現場に向かう安五郎
その途中で田所たちと出会う
「おおっ安五郎、ちょうどよかった
手を貸してくれ!」
「悪いがな、こっちはそれどころじゃねえんだ
娘がクソタクごと生き埋めになっちまったんだ」
「こっちはもっと大変なんだ
お前の力が必要なんだ」
「田所てめぇ、わしの娘は見殺しにしろって言うのか」
「あのダムが決壊したら、お前の娘も下流の人も
みんな死んでしまうんだ・・・・頼む安五郎」
「し・・・しかし」
「安五郎さん、娘さんの救助には私が行きます」
中田が申し出た
「お前はこのあたりの主だ!
我々を山の中に案内してもらいたい
ダムの決壊を食い止めたいんだ」
「奥多摩湖の南の部分の地下には昔地下水の浸食でできた
空洞があるんだ
まず奥多摩湖の湖底部分の地盤を爆破
次に出口となる南側の地盤を破壊して水路を作り
人家のない柊木沢に水を逃がしてやるんだ」
「なるほど、それでダムを救おうってわけか
しかしこれは大博打だぞ・・・・」
「そうだ、大博打だ
柊木沢への近道を知ってるのは安五郎、お前だけだ」
もしダム本体が決壊してしまったら、この何十倍もの
水が多摩川を下り、たちまち東京は壊滅してしまうのだ
『こちら救助班の中田です
ただいま現場に到着、これから救助を開始します
生存者の可能性は大いにあり!』
しかしタクシー救助は事のほか困難だった
土砂崩れの範囲が広く、どこにタクシーが埋まっているのか
それを捜すのにまず苦労していた
水路の出口に向かう途中の沢からは湯気が
「なんだよこれは・・・まるで温泉だ・・・・
何十年もここに住んでるがこんなの見るの初めてだぞ、、、」
そこに直子の母親も駆け付けた
「直子は・・・・直子は無事ですかっ」
「い・・・いや、それがまだ」
タクシー発見の知らせは小野寺にも入った
『ただいまタクシーを発見!
なお、中にいた2人は・・・・ピーー---ガガガ』
「ど・・・どーなってんだおいっ、聞こえねえぞ」
「うむ・・・山の中で電波の状態が悪いんだ・・・・」
「もしもー---し、おいっ、直子は無事かっ
もしもー-----し」
そこに田所からの無線がつながった
『おいっ、安五郎か?
ふたりは無事だ!すでに救助して病院に運んだそうだ』
『安五郎よ、お前二人の結婚に反対してたそうだな
直子さんはケガひとつしてなかった、三郎君が必死で
守ってたそうだよ、これでも三郎君が腰抜けと言うか?』
「バ・・・バカヤローー----っ」
やがて2ヶ所の爆薬はセット完了
「しかし博士、地震の影響で空洞の状態が変わってるかも
しれませんね・・・・」
「まさに大博打だ・・・・」
だがしばらくすると風呂の栓が抜けたように
ゴボゴボと水が抜けて行った
「なんも変わらねーじゃねーか・・・・
田所のジジイの計画は失敗したんじゃねーか?」
「待てっ、何か音が聞こえないか?」
「よかったな、これで東京は救われたぞ」
「田所のジジイやりやがったな」
「博士、水位がどんどん下がって行きますね」
「うむ、とりあえず賭けには勝ったらしい・・・」
しかし傷だらけの小河内ダムの姿は
田所には今の日本列島の姿に見えたのだった