花形に大リーグボール2号を打たれ、全てを失ったと
ヘコみ続ける飛雄馬
更に伴からは「今まで協力した分の借りを返せ」と
言われ、途方に暮れる
そんな中無意識に生まれ育った長屋に行くと
なんと長屋は取り壊されて、瓦礫の山と化していた
飛雄馬は「これで俺は完全に全てを失った」と嘆く
というわけで、今回は巨人の星栄光の星編第162話
「仕組まれた罠」というエピソードです
いよいよ残りあと20話となりました!
ここは飛雄馬の住むクラウンマンション
窓を開けていると他の部屋の一家団欒の声が
聞こえてくる
「うるせーぜ、クソッ」
今の飛雄馬には、この楽しそうな家族の声が
心に突き刺さる
大リーグボール2号を打たれ、失意の中思わず立ち寄った
実家の長屋は取り壊され、虚しさは更に増大
しかも長屋の思い出と言っても、毎日一徹親父に
しごかれた記憶しか出て来ない、、、
「チクショー・・・全て野球が悪いんだ
野球さえなければ、こんな惨めな思いだってしなくて
済んだのに、、、もう野球なんて嫌だっっっっ」
「その声・・・女番町のお京さんだな・・・・
何の用だよ?
デートしたいって言うならお断りだぜ
今そんな気分じゃないし・・・・」
『星さん・・・・好きっ・・・・カチャッ、ツーツー・・・』
「もしもしっ、お京さんっっ、もしもし・・・」
「何だよ・・・これじゃイタ電じゃないかっっっ
なんでうちの番号わかったんだろ?」
まあ当時の野球名鑑には選手の住所がモロに記載されてた
からね・・・しかも電電公社に問い合わせたら簡単に教えて
くれた
『みんな父ちゃんのせいなんだ・・・・
よく考えたらあの親父が俺の人生メチャクチャに
しやがったんだよ、、、、』
夜空に突然現れる一徹の幻影
『ガハハハハ飛雄馬よっ、わしの背番号とお前の背番号を
合わせれば100だっ
わしはお前を飲み込んで、完全体になるのだっっっ
丹精に育てたブタは、おいしくトンカツにして食う
それが家畜の運命というものだ、ガハハハハハ』
『もう勘弁してくれよ父ちゃん、、、、
アンタいつまでこんな事続けるんだ?』
『俺は血統書付きの家畜じゃない、、、、
アンタが思ってるほど美味くはないよ・・・・』
タタタタタタタタ
『せいぜい100グラム10円のカスみたいな肉だぜ、、、
だって酔っ払いの土方の息子だもんよぉ。。。』
そこに突然お京の手下の女たちが絡んでくる
「よお星っ、こんなとこで何してるんだよ?
怖くなって逃げるつもりだろ、ええっ」
「誰だっけ?」
「ふざけんなっ、とにかくアンタには落とし前
つけてもらうからね」
「何が巨人の星だいっ
ヤバくなったらトンズラぶちかましやがってっ
その根性叩きのめしてやるよ」
「トンズラ?
ま・・・まあ確かに野球からトンズラしたいが・・・
それがお前らに何の関係がある?」
「野球なんて知るかよっ
お京姐さんの事さ」
「お京さん・・・・言ってる意味がわかんねーぞ」
「とぼけるんじゃないよ
お京姐さんから電話あっただろーがっっっ」
「アンタバカか
お京姐さん殺されるかもしれないんだよ
アンタのせいでさ」
「京子さんが殺されるってどういう事だ
なんでそれに俺が関係あるんだ」
「初めてあった時、アンタお京姐さんを助けに来た
チンピラボコったろ?
それがヤバイって言ってるんだよ」
「し・・・しかしあの後俺はあいつらに逆にボコられたぞ
それで終わったんじゃないのか!?」
「そんなんで終わるかよっ
あいつら西丘ってやつの舎弟なんだよ
そいつ表向きは芸能事務所の社長だけど、正体は
とてつもなくヤバイヤクザなんだっっっ」
「お京・・・お前を助けに行ってうちの若いもんが
大ケガしたんだよ・・・・これじゃあ仕事にならないよね?
その治療費50万払ってもらおうか」
「ざけんじゃないよ!
大したケガもしてないクセに50万とは馬鹿にしてるのかい」
「お京・・・慰謝料って言葉知ってるかい?
ま、お前が払わなくても星投手に払わせればいいんだけどね
球団事務所に乗り込んで、星投手に暴行されましたって
抗議に行けばいいだけの話だ」
「ま、八百長だなんだって騒がれてる時期だからねえ・・・
そうなったら星は永久追放かな・・・ふふふっ」
「ふん、随分汚いマネするんだね」
「それは心外だね
うちの社員は現に星投手に暴行されたし、それによって
うちの事務所は業務に支障が出た・・・
裁判沙汰にしたらうちが勝つよ
それが社会の仕組みだ、現実さ」
「わかったよ、じゃあアタイがその50万払ってやるよ
で、いつまでに用意すればいいんだい?」
「そうだな・・・今日の午後10時までに払ってもらおうか
もしできなければ星投手に直接支払ってもらう」
「今夜の10時だって!?
・・・・仕方ない、なんとかするよ」
「若頭、星って巨人のエース格ですぜ
たった50万って安すぎやしませんか?
200万くらいは取れるんじゃないっスか」
「社長って呼べよ」
「ふふふっ、50万なんてはした金どうでもいいのさ・・・
そんなのはオマケだよ」
「クソッ、西丘の野郎アタイらに50万なんて払えないの
知ってて足元見てやがるんですよ・・・・
どうするんです・・・姉御」
「・・・・・・」
「こんな事になったのはそもそもアタイが原因だからねえ・・・」
「じゃあ50万払うつもりなんですかい?」
「ねえ姉御・・・こうなったら星のやつ脅して
50万払わせるしか・・・・」
「あんたたちは余計な事しないで!
とにかくアタイでできるとこまでやるさ」
「あ・・・姉御、、、、」
「・・・・というわけさ
もし10時までに50万払えないと、姐さん
西丘のやつに殺されちまうよ」
「アタイたちはてっきりアンタが50万払いに行くのかと
思ってたんだ・・・姉御の電話で・・・」
「バカっ、とにかく電話だっ
その西丘って人に俺が行くまで待ってもらう!
お前らも手伝え」
「・・・・ど・・・どうする?」
「どうするって、ここは星に従うしかないだろ」
「仕方ないだろ・・・それで精一杯なんだ・・・
残りは毎月ちょっとずつ返すからさぁ」
「ふんっ、月賦だと!?
お前俺をおちょくってんのかっっっ」
「まあいい、お前に払えるとは思ってなかったしな・・
おい、誰が星のマンションへ行け!
星から直接取り立てて来い」
「うるせーこのアマーっ
お前にもう用はねーんだ、引っ込んでろ」
バシッ
その時電話が入る
「はい、西丘プロダクションですが・・・
えっ、星さん?」
「ええっ、巨人軍の星飛雄馬です
そちらにお京という人が行ってると思うんですが・・・」
「事情は全てわかってます
今からそちらに行きますんで・・・ええ」
「ほほう、わざわざ来てもらえるんですか?
そいつは助かります」
「星さんっ、ダメっ
こいつら何か企んでるんだよっ、絶対来ないでっっ」
「・・・・・や・・・やばいぞ、、、、
おい、その西丘プロってどこにあるんだ!?」
「チィィィッ、余計な事しやがって
おいっ、星が来るまでその女可愛がってやれっ」
「可愛がってくれって言われたんだ・・・
つまりそう言う事・・・・うひひひひひひひ」
シャキン
「お前ら、このお京さんを舐めるんじゃないよっ
少しでも近づいたらぶっ殺すからね
こっちも命賭けてんだよ」
しかし時間がおかしいぞ
後編につづく