第16話 ウォッス10番 16-1 | 野球侍SAKIのブログ

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今回の『ウォッス10番』は、メッツの富樫平八郎
という選手のエピソードなんだけど、原作では
『ウオッス10番』『ガッツ10番』『スラッガー10番』の
三部作となっております



このエピソード最大の特徴は、原作での作画に
あの里中満智子先生が参加した、水島&里中の合作に
なっているとこですかね
女性キャラのほとんどは里中先生が担当しています

 


新潟の小さな魚屋の倅富樫平八郎は、新潟西高という
高校の野球部員で、ポジションはピッチャー
タイトルの「ウォッス」というのは彼の口癖だ
魚屋だけに「魚っス」でモジってるのか(^▽^;)

 


そして平八郎の幼馴染みで、花屋の夕子
この2人が主人公なエピソードですかね

 


今回、夕子の作画も水島漫画の女キャラとはだいぶ
違ってます
って言うか意外な事なんだけど、里中満智子って少女漫画界の
手塚治虫くらいの大先生なのに、アニメ化された作品って
俺はこの『ウォッス三部作』以外知らない・・・
実写ドラマでも「アリエスの乙女たちくらいか

 


夕子は最初っから平八郎に片思いの少女として登場します
少年漫画だと、そう思わせつつもはぐらかすような
展開ですが、この夕子はかなり積極的に平八郎に
アプローチします
このあたりも少女漫画の特徴が出てるのかなと(苦笑)

 


さて、平八郎は新潟西高で投手ですがエースではありません
西高のエースは、この日下部了

 


人気実力共に全国に名を知られる超高校級のピッチャーです

 


平八郎は、その日下部の影に隠れてなかなかチャンスが貰えず
練習でも外野を守らされたり、所謂「補欠」扱い(´_`。)

 


平八郎推しの夕子ちゃんとしてはそれが気に入らない

 


『それにしても富樫も運がないよなぁ・・・日下部が
いなけりゃ堂々としたエースなのにな』

そんな周囲の声も気になります

 


平八郎は中学時代は注目された選手でした

 


勿論背番号はエースナンバーの1
県下では日下部と肩を並べるほどの実力の持ち主

 


夕子もこの頃から平八郎に想いを寄せていたようです

 


投球後の独特のポーズも平八郎の特徴

 


進学先は新潟西高と決めていました
ライバル日下部は別の強豪校に行くものと思い
高校野球で日下部との対決を楽しみにしていたが・・・・

 


なんとその日下部も西高に進学
名声の差であっという間にエースナンバーは日下部に
奪われてしまった、、、(T▽T;)

 


「お前打者に転向したらどうだ?」
日下部にこんな事まで言われてしまいます

 


「いや、俺はピッチャーだし・・・・それにお前が打たれたら
代わりに誰が投げるんだよ」

 


「ふっ、俺打たれませんのでw」
不敵に笑う日下部ニヤリ

 


ある日家の手伝いで配達途中の平八郎は、急に道に
飛び出してきた少女に衝突しそうになります

 


平八郎はとっさに自ゴケして難を逃れますが
大事な右肩だけはしっかりガード
常に右肩を大事にし、野球以外ではその右肩を使いた
がらない念の入り用

 


たまたまその事故を目撃する夕子

 


「大丈夫、平八クン・・・」

 


「だいたいあの子が勝手に飛び出したのが悪いのに・・・
こんなに商品メチャメチャにして弁償もしないなんてえー
現実的な女の子ですな

 


そんな夕子の想いを知ってか知らずか
「今の子可愛かったなぁ・・・ショートカットの子って
好きなんだよねえ・・・」

と平八郎

 


『えっ・・・そうなんだキョロキョロ

 


平八郎の何気ない一言が気になった夕子ちゃん

 


髪を切っちゃいますw

 


ここは平八郎の実家の魚屋

 


平八郎の親父は職人気質で頑固者
平八郎を店の跡継ぎに考えてるので、平八郎の野球には
反対しています

 


髪を切った夕子は早速平八郎にお披露目するため店へ

 


「やあ夕子ちゃん、らっしゃい!」

 


ところが無頓着な平八郎に夕子の髪型なんか目に入りません
しかも、このおしゃべり好きなBBAがとにかくウザイ

 


『な・・・なによ平八クン・・・全然こっちを見てくれない(-""-;)』
平八郎の気を引こうと次々といろんな魚を注文する

 


しかしこのBBA
「どーせ西高のエースは日下部君なんだから、アンタも
とっとと野球なんか辞めてこの店継ぎなさいよ」

と余計な事まで

 


内心このBBAにもイラつく夕子プンプン

 


「夕ちゃん、こんなに一杯持ちきれないだろう
後で俺が配達してやるよ」
もはや夕子の髪型など関係なくなっているのである

 


「ええっ、そうしてちょうだい!バーカ!!」
怒って帰る夕子

 


「平八兄ちゃん、夕子さん髪切ったんだね」
妹に指摘されて初めて気付く

 


「あっ、そういえばなんか感じが違ってたかな・・・」

 


「兄ちゃんそんな鈍感だと女の子にモテないよ
女が髪を切るって凄い重大問題なんだから」
へぇ・・・そんなもんなんだ(゚_゚i)

 


「夕子さんきっと兄ちゃんに髪型見せたかったんだよ
それなのに兄ちゃん気付きもしないなんて!」
えっ・・・なんで俺に見せにくるんだよ?
(アンタがショートがいいって言ったからだよ)

 


夕子の入浴シーンちゅー

 


平八郎が髪型を気付かれなかった事に少なからずショックを
受けていた
なお原作ではこの後夕子が注文した大量の魚介類を
配達に来た平八郎が風呂場を覗くシーンがあったのだが
アニメは、何故かそこはバッサリカットされていた

 


そして3年最後の夏の甲子園をかけた新潟予選の二回戦
西高の相手は新潟中央高校

 


この試合、西高は苦戦していた

 


相手中央高は日下部を研究して、コツコツと当てる戦法で
日下部のスタミナを奪う作戦に出ていた

 


ランナーを出したら足と犠打でとにかく送る中央高
ついに9回表、二死ながらランナーを三塁に進めた

 


日下部投球と同時にランナースタート!

 


ホームスチールだポーン

 


さすがにこれは本塁タッチアウトビックリマーク

 


「アウトにはなったけど、中央高はさすがに日下部を
よく研究してるよね・・・間違いなく日下部に
プレッシャーは与えてるよ」

野球評論家の高校生2人

 


平八郎はこの試合も出番がなく、三塁コーチャーに

 


9回裏、西高も二死ながらランナー二塁
一打サヨナラのチャンスを掴む

 


ここでエンドラン!!

 


打球は三遊間を抜ける
しかし外野は前進守備だ

 


だが平八郎は腕を回す

 


「げえっ、いくらなんでもあの当たりで還すのはムチャだぜ」
何故かNISHIKOがUSHIKOになってるし(笑)

 


二塁ランナーは三塁を回る

 


外野はバックホーム

 


これはさすがにムチャな走塁で本塁憤死
西高サヨナラ勝ちのチャンスを逃した

 


「バカヤロー富樫っ!なんで今ので本塁突っ込ませるんだ」
スタンドからは平八郎に向かって大ブーイング

 


「すみません、、、ショボーン
ベンチに戻る平八郎

 


『今の走塁は仕方ない、還ってればサヨナラだったし
思い切った作戦で悪いとは思わない』

ライバル日下部だけは平八郎の判断に理解を示した
こいつら2人は相手を妬んだり憎んだりするライバル関係では
ないらしい

 


試合は延長10回裏に

 


西高は無死満塁のチャンスを迎えていた
カウント(当時)2-3からの6球目

 


判定はボールとなり、西高押し出しでサヨナラ勝ち

 


この勝利で西高は甲子園出場まであと3つとなった

第16話 ウォッス10番 16-2につづく


さて、前記したようにこの『ウォッス10番3部作』は
水島先生と里中満智子の合作なのだが
たしかこれ、水島先生が里中先生の大ファンで、水島先生の
方から合作をお願いしたと聞いた事がある(まあ噂ですけど)

 


当時里中先生は少女漫画家の中ではかなり美人で
1964年に16歳でデビューしてそのまま頂点に上り詰めた才女で
水島先生のお気に入りになったのか、ドカベンの里中智の
里中という苗字はこの里中先生から取った事でも有名だ

 


里中先生の画風は、水島先生よりかなり繊細で
おそらく夕子は平凡な女子高生として出してるはずなのに
水島漫画の中に出すと、物凄い美少女に見えてしまうのである
まあ悪く言えば「浮いてる」感じ(^o^;)

 


よく日下部が手を出さないなとニヤニヤ

 


アニメではカットされた夕子の入浴シーンがこれニヒヒ

 


アニメはここがカットされたため、夕子が大量に注文した
魚介類の行方が不明になってしまったえーん

 


しかしこのシーン、少年漫画では「キャー!エッチ!!」で
お湯かけられて終りが定番なのだが、この描写は
当時としてはかなり画期的だと言える
好きな男にヌード見られてもそんな事は問題にならないくらい
大人の恋に描かれていて、当時は衝撃的だった事を覚えている

里中漫画がウケけた秘密はこういう所にあった
恋愛描写にしても里中漫画はかなり奥深くて現実的なのだ

 


余談だけど、釣りキチ三平の矢口高雄先生は出版社から
漫画家に贈られるある賞を里中先生と同時に受賞した時
そのパーティーの席で、「少女漫画ってのは、恋愛以外の
テーマってないのかねえ・・・マンネリ過ぎて読む気がしないよ」

などという暴言をつい吐いてしまい、里中先生当然大激怒
「少女漫画には少女漫画の世界があるんだ!」

怒られてしまったという

 


それ以降しばらく絶縁状態が続いたが、やがて和解したものの
矢口先生の持論自体は変わってないらしく、著書で
「やっぱり少女漫画は理解できん」と嘆いていた(苦笑)