■渡部昇一氏と『知的生活の方法』の売り上げ | ★ 茶髭の熊のブログ (^(ェ)^)ゞ

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17日、評論家の渡部昇一氏が亡くなった。

 

氏が世間に知られる切っ掛けは、エッセイの『知的生活の方法』がベストセラ-になったことが大きい。
特に左翼に多いのだが、結構な読書好きにも本書を貶す人は少なくない。
知に限らず、人生には様々な生き方があり、各人で理想は違う。
だから、本書を持って自分の理想と違うことを事上げしても筋違いだ。

 

本書は、一つの知の理想を描いたものだ。
実際のところ働くとなれば、先ずは仕事上の知識習得に忙殺され、教養分野に時間を取れなくなる。
そういった巷の民に、一つの理想を述べたように思う。

 

その中で、私の愛読書でもあるギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』のくだりがあり、氏が同書に寄せる思いを嬉しく思った。

 

さて、氏は英語学を専門とする大学教授だったが、保守系の論客としても名を成した。
全盛期の某左翼系一般紙等と激しく論争を繰り広げた。

 

今でこそ戦後左翼の本性が暴かれて、巷の民でも理路整然と報道出版界を批判する。
しかしながら、当時は大新聞社との闘いは、極めて大変なことであったであろう。
官民を問わず多くの勤め人ならば、上層部から咎めさえ入り、闘いの継続は困難になることだろう。

 

氏の場合、大学の教授という一般人に比して独自性の高い食い扶持とともに、前述の『知的生活の方法』がベストセラーになり、“本職外”でも氏を支えたことであろう。

 

実際のところ、もし本書がベストセラーにならなかったら、氏がこれほどまでに世に出ることはあっただろうか。

 

氏の専門はあえて横に置き、前世紀後半以降の論壇を思うとき、本書の売り上げが保守系論壇人、渡部昇一氏の誕生に及ぼした運命を感じる。

 

あらためて、氏の冥福を心より祈りたい。

 

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2011-11-03  秋の移ろいと 『 ヘンリ・ライクロフトの私記 』
http://ameblo.jp/utwkz/entry-11067518504.html

 

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