姿勢がつらいのは「さぼりがちな筋肉」のせい?
― インナーマッスルと痛みの意外な関係 ―
うつせみ相談室のこんどうみつこです。
先日、ある古武術の体験をしたところ、人生で初めて「受け身」という動作を体験しました。
するとその日の夜あたりから、首から肩にかけてじわじわと筋肉痛が出てきて、ふと気づくと、なんだか姿勢も崩れているような感覚がありました。
その後、整体で体を調整してもらった際に、興味深い話と気づきを得たので、今日はそれをみなさんとシェアできたらと思います。
どうやら私が姿勢をうまく保てなかったのは、単に「姿勢が悪い習慣」のせいではなく、“ある筋肉”がうまく働いていなかったからのようなのです。
今回は、その「ある筋肉」――インナーマッスル(深層筋)と痛みの関係についてご紹介してみたいと思います。
インナーマッスルってどんな筋肉?
インナーマッスルとは、体の深い部分にある筋肉のことで、姿勢を保ったり、体を安定させたりする役割があります。
たとえば…
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多裂筋(たれつきん):背骨を細かく支えて安定させる
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腹横筋(ふくおうきん):お腹の一番奥にあって、内臓を支える
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骨盤底筋群:骨盤の下から内臓を支える筋肉群
これらの筋肉は、「動く前」に先に働いて、体をしっかり支えるという大事な役割を果たしています。
けれども、ここがちゃんと働かないと…?
痛みや不安で、働かなくなる?
実は、痛みや恐怖、不安を感じているとき、インナーマッスルは働きにくくなることが知られています。
これは「恐怖回避モデル」といって、
痛みを経験 → 不安や恐怖になる → 動かなくなる → 筋力低下 → さらに痛みがひどくなる
という悪循環が起こりやすいという考え方です。
また、研究では、
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腰痛のある人では、お腹の奥の筋肉(腹横筋)が働き出すのが遅れる
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腰痛になって24時間以内に、背中の深部筋(多裂筋)が萎縮する
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「また痛くなるかも」と怖がっている人ほど、インナーマッスルの働きが弱くなる
ということも明らかになっています。
代わりに、表面の筋肉ががんばりすぎる
インナーマッスルが働かないと、体はそれを補うために、表面の筋肉(アウターマッスル)を一生懸命使います。
これを「代償動作」と呼びます。
結果として…
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背中やお腹の表面の筋肉がガチガチに
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動作がぎこちなくなり、関節の動きが悪くなる
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さらに動きにくくなり、疲れやすくなる
という流れに陥りがちです。
今回、私はクビ肩回りがガチガチになっていました。
どうしたらいいの?
ここで大切なのが、「コア安定化エクササイズ」です。
これは、インナーマッスルをもう一度“目覚めさせる”ようなトレーニング。
最初は小さな動きから始め、無理なく少しずつ体幹の支えを取り戻していく方法です。
たとえば、
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お腹をへこませて呼吸する「ドローイン」
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骨盤を安定させたまま、片脚を少し動かすような簡単な運動
こうしたエクササイズは、痛みの軽減だけでなく、体のバランス感覚や安心感の回復にもつながることが、研究でも示されています。
また、痛みに対する不安や恐怖が強い方には、認知行動療法的なアプローチを取り入れることも効果的です。
インナーマッスルは、ふだん意識しづらいけれど、実は私たちの“安全”や“安心”の土台のような存在。
そしてそれは、痛みや恐怖の記憶にも深く関わっていることが、最近の研究で分かってきています。
「なんとなく姿勢がつらい」「深く息ができない」「体の奥が緊張している気がする」
そんなときは、インナーマッスルが“おやすみモード”になっているのかもしれません。
ゆっくりと息をして、
あなたのリズムで、この続きを歩いていけますように。
「こころの深呼吸」、また次のひと息のときに。
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